虫歯ワクチン

 うちの子が1歳半検診のとき、歯垢をかきとって検査した。
 住み着いている虫歯菌が強いか弱いかをしらべるんだそうだ。
 そういえば、虫歯菌は各個人1種類しか住み着かず、かつ一度住み着くと別のタイプの虫歯菌に入れ替わることはないとか。
 ふんふん、パパの虫歯菌もママの虫歯菌も根性ないからそいつが伝染してくれたのね。よかったよかった。

 まてよ、ならばわざと弱い虫歯菌を培養して、歯が生えはじめたときにペタペタ塗るというのはいうのはできないだろうか。更には虫歯菌を培養するときもワクチンを作るのと同じように、苛めまくって発症力を問題にならないレベルまで落としてしまうというのは如何?これができれば、一生の間、殆ど虫歯にならなくてすむはずだ。

 もちろん実現の可能性は果てしなくゼロに近い。歯科医師会が大反対するだろうし、虫歯ワクチン会社を興そうにも、資金は集まりそうもない。長く見積もっても1〜2世代で需要が一巡するだろうし、勝手に分裂して増える細菌では、種子会社の出荷するハイブリッドF1のように株を保護する仕組みも無い。だから儲からないと判断されそうだから。
 おおここに資本主義社会の限界が・・・と思ったが、旧ソ連でも中国でも虫歯ワクチン株が作られたというニュースを聞かないので、多分技術的に不可能なのだろう。
 もし、作ることができれば、共産主義の宣伝としてこれほどのものは滅多にないと思うのだがなあ。

 なお、「虫歯ワクチン」で検索エンジンを叩いてみると、歯に噴霧すると一定期間虫歯菌が繁殖できなくなる、という方向で研究が進んでいるようだ。初めから酸を作らない虫歯菌を培養するほうが「ワクチン」という呼称にはふさわしいと思うんだがなあ。
(まさか誰も思いついていないのか???)
 まてよ。ヤクルトはどうなんだ?胃液でも死なない乳酸菌を品種改良でつくりだし、容器に詰めて売っているぞ。あれは増殖しないそうだが、虫歯ワクチンもそんな形でなら採算ベースに乗るかもしれない。

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