提案制度

 私は組織内における提案制度が嫌いだ。
 提案すると良さそうなことを思いつきはするのだ。
 しかし、提案というものは構造的に採用されることはない。

 なぜならば、組織において内部から提案を行うと、没にする力が働くからだ。
 別ラインの担当領域について提案を行うと、そっちのラインはいい気持ちしない。だから、不要な摩擦を避けて提案を公には出せない。出したとしてもいろいろできない理由が積み上げられて、いずれにせよ没になる。
 自分の属している部署について提案を行なっても駄目だ。万一それが良い提案だったりすると「なんで今までやってなかったんだ」ということになり、公には出せないからだ。

 従って、提案制度を起こしても良いアイディアは出てこない。(悲観的かなあ)
 どうしても、というならインフォーマルな部分を充実させるという提案になろう。例えば業務横断的な電子掲示板でも作ろう、とか言いますか?

 まあ今年についてならいいのを考えついた。パソコンの電源をこまめにオフしましょう、という提案だ。原発停止により夏の電力不足が騒がれているのでタイムリー。つまり(東京電力の管内の人なら)誰にでも必要性が理解できる。また今まであまり気を遣っていなかったとしてもとりたてて責められることはなかろう。よし、これでいこう。

 かといって、いちいち電源を落とすのでは大変だ。再起動の時間を考えるととても実用的とはいえまい。しかし節電を目的としているのなら、もう少し簡便な方法はある。
 Windows2000を載せたノートPCでいうと[コントロールパネル]-[電源オプション]の設定をいじればいい。[詳細]タブの[電源ボタン]-[ポータブルコンピュータを閉じたとき]のプルダウンメニューを「スタンバイ」とする。これで離席時にはノートPCのフタを閉めるルールとすれば、おお提案いっちょあがり。セキュリティも高まるぞ。
 もっとも、スタンバイからの復帰、それなりに時間がかかるのは問題。またディスクを停めてしまうと故障率も高まる。強制的に守らせようとするとディスプレイの電源OFFくらいが限界かな。
 そのためには、[電源オプション]の[電源設定]タブで[モニタの電源を切る]を設定すればよい。スクリーンセーバーをオフにするのを忘れずに。

 あるいは、簡単にPCをスタンバイや休止状態にしたり、あるいはディスプレイの電源だけ切ったり、というフリーソフトを利用するのもいいかも。Transmigrate 2なんか良さそうです。
 もっとも社内提案となると、うーんフリーソフトは自分でサポートができないから、ソフトから作らんと駄目かなあ。できれば同時にCPUクロックも落とせると更に節電できそうなのだが、これはハードがらみだから無理ですかね。

 パソコン雑誌も「節電」をテーマに特集を組む号が、そろそろ大量に出てきそうだ。何てったってタイムリーなネタだ。しかしその辺の雑誌を繰って「次号予告」を見てもそんなのはない。パソコン雑誌の編集者は社会性がないなあ。(などと偉ぶってみる。)

 仕方がない。どれくらい節約できるか、とにかく計算してみよう。ノートPCの液晶ディスプレイの消費電力がよくわからんが、バックライトが1本だから据え置き型の半分弱と考えて、10W。となると、おお、一台あたり年間53円も節約できるのです。(一日のディスプレイ休止時間2時間。1kwh=11円で計算)
 パソコン雑誌が特集を組まない理由がよく分かった。

 提案制度が機能するような組織形態、というのはどんなのか?というのを本来は考えなければならないのだが、例によって器用さでかわしてしまった。毒にも薬にもならないが、なんとなくタイムリーなのがグー。
 提案が機能するような組織というと、塩田七生さんなら、共和制ローマのような組織、というかもしれないし、ガースナーさんなら目標が共通化しており、そのための手段が全てコントロールできる組織、というかもしれない。


エビアンサミット

 この名称、ミネラルウォーター会社にとってさぞいい宣伝になっているだろう。
 そこで考えた。日本でサミットを行う際には、たとえば「豊田市」で行うのだ。
 きっと寄付金がたっぷりもらえて、財政負担を軽減してくれるだろう。
 さらには「豊田市民の自発的なボランティア」が相当に期待できる。
 これも一つの提案。実効はある。が採用はされないだろうなあ。
社会問題ネタ、目次
ホーム