多くの法律には罰則規定がない。憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活を送る権利」が侵害されたとしても、憲法に罰則規定はない。 「法律に違反すると罰せられる」という固定観念があるが、何しろ憲法からしてそういうものだから、多くの法律に罰則規定がなくとも驚くに当たらない。従って住基ネットから個人情報が流出しても、だれも罰せられるわけではない。具体的な責任をとらなくてもかまわないわけである。社会問題ネタ、目次へ
まあ、住基ネットに関しては、不正利用についての罰則規定(というか個人情報保護法)は後から作るそうで、そういう説明の元に稼働開始したという特殊事情がある。だから、ひょっとしたら今後罰を受け、責任をとる人が現れるかもしれない。
しかし、妙だと思った。罰則規定のない法律があるのはいいとする。しかし罰則規定の制定を条件に成立した法律であれば、期限どおり罰則規定が定められなかったときは、その法律自体廃止にするのが筋では無かろうか。つまり、法律自体に成立の条件を埋め込んでおくべきではないのだろうか。「平成14年8月5日までに個人情報保護法が成立しない場合、住民基本台帳法の改正部分は消滅する。」というふうに。
つまり法律が前提とした条件が満たされなければ、法律自体が自動的に消滅するようにするのだ。この手法を使いたくなる法律、結構あるなあ。
ただし、問題というのは必ずあって、例えば住基ネット。不正使用ないし情報が漏洩したことにより、根拠法が無くなってしまえば、法律上住基ネット自体が存在しないものになる。そのときでももしコンピュータ等に電源が入っていれば(他のネットワークと接続している自治体がある以上、すぐには停止できないはずなんだわ)誰かがクラッキングしても、罰するわけにはいかなくなるんじゃないだろうか。法律上存在しないものをクラッキングした場合、法律で罰することはできるのだろうか。少なくとも有罪を立証するのは結構な困難を伴うと思うなあ。
- 改正住民基本台帳法
- 個人情報が流出したら、システムは即廃棄。システム構築費用の減価償却が終了していない場合は、税金を充当するのはもったいないので、責任者が個人資産から弁済する。流出した個人情報は変更しなければならないので、情報流出対象者は、改名するなり、引っ越しするなり、生年月日をかえるなりする。その費用は莫大になるがこれも責任者が支出。あまり考えたくないが、ここで支出されるお金で景気が回復する可能性大。
- 盗聴法
- 盗聴によって知り得た情報を目的外に使用したり、外部に漏らした人間がいれば、即廃止。盗聴によって入手した情報は全て廃棄。できればそれらの情報を脳にストックしている人間も全て廃棄。(廃棄できないのなら、はじめからそんな法律は作らないこと。映画MIBに出てきた記憶消去装置があるといいんだけどね。)
- イラク復興支援法
- 後方支援だから危険はないというのが条件なのだから、誰かがケガをしたら即廃案。ただし、派遣した自衛隊が帰国するまでの期間は、何らかの経過措置は必要だろう。
けつろん、みんな名前を変えて個人情報漏洩に備えよう。名前としては一人一人に別の素数を割り当てて暗号化し、容易に分からないようにしちゃうの。(あ、冗談よ。素数を使って暗号化すれば情報漏洩への対策はばっちり、という発想をおちょくっているつもりです。)
なお、有事法制については、いろいろ言われているがしゃーないかな、というのが当方の意見。いざ他国が攻めてきたとき有事法がないため、その場でルールが作られるという方が問題だと思う。
反対するのは分かるが、どうすればよいかの具体性に欠ける。「宣戦布告されたら、即座に無条件降伏する」という法律にすれば良いというのかね?なんと国家と国民の利益を踏みにじる法であることよ。(それなら有事の際には在日米人を拘束して、合衆国が日本を守らざるを得ない立場に追い込む。合衆国には、あとで謝りたおす、の方がまだましだ。)