うちの子はバイオリンを習っている。元々アカペラで歌っても伴奏が何となく聞こえるという特異な才能を持っているし、親バカの耳で聞く限り音は抜群によいので、上手くなりそうだと楽しみにしている。しかし、よくあることだが、なにせ練習しない。少しはサポートしてやろうと思い、当方もバイオリンを取り出して弾き始めた。音程はそれなりにとれているので、娘は一応「負けてたまるか」と練習したようだ。多少は効果があったかもしれない。社会問題ネタ、目次へ
しかし、当方の出す音は、超絶的に悪い音(ニョーボは真顔で「どこかおかしいんじゃない?先生に診てもらったら?」という)なので、聞かせすぎるとかえって良くない。子どもの教育には親のサポートが不可欠だが、父親の限界は既に来てしまったようだ。しかたがないからお話をしてあげることにした。チャイコフスキーのバイオリン協奏曲の三楽章を聞かせると、超絶パッセージに「すごい、むずかしそう。レーピンしか弾けないんじゃなあい?」というので、コンコンと説明。 「確かに難しいと思うよ。チャイコフスキーはこの曲をアウアーという上手い人に弾いてくださいと言ったけど、演奏できないと断られちゃったからね。」
「じゃあ、何で弾けるの?練習したから?」
「もちろん練習もあるけど、どういう指使いで、どういうボーイングでやればよいか一生懸命考えた人がいて、それで練習して、弾けるようになったんだろうね。チャイコフスキーは作曲はできたけど、自分では弾けなかったから。チャイコフスキーはバイオリンでこんな曲が弾ければいいなあと思ったんだろうね。ただ難しいことだけは分かっているから、当時一番上手な人に弾いてくださいとお願いした。ところが断られた。それを聞いた別の人が、チャイコフスキーと同国人だったから友達だったかもしれないね、一生懸命頑張って弾いた。チャイコフスキーは嬉しかったろうね。だからその曲をその人に捧げた。最初はあんまりいい曲と言われなかったけど、何回も弾いて、最初に断った人も弾くようになって、認められて、そしておそらく世界で2番目に有名なバイオリン協奏曲になったわけだ。」当然娘は聞いてくる。「じゃあ1番はなあに?」答えたのは、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲。異論はあるかもしれないが、納得はしてもらえる意見であろう。(Vn協奏曲に限らず、チャイコフスキーはしつこいので品がないように聞こえるときがあるんだわ。オーケストラとの掛け合いの時はちゃんと休んでほしいなあ。そうでなくても似たようなフレーズの連続なんだから。)
この曲、先日発表会に行ったとき、トリの子が第一楽章を弾いていたから印象も強いと思って言っているわけだ。伴奏は母親。普通は母親がついていてくれるからと安心しきって弾くのであろうが、この時の演奏は、演奏中に弾いている子が母親から乳離れしたという結構劇的なものであった。
もちろん管弦楽の代わりにピアノ一台での伴奏。キツイと思う。超ポピュラー曲なので皆知っているし、管弦楽はしっかりしているからピアノで代替は無理がある。(これがバイオリン専門作曲家だと管弦楽が単純なのでなんとかなる。)
とりわけ難しいのは、聞き手の緊張感を持続させること(だそうです)。超有名な第一主題と終わり近くの急速なパッセージを除くと聴かせどころがないので、聴いている方はあきてしまいます。
そんなキツイ曲である上に、弾き始めるとおかあさんがなんか変だ。ずれている。子どもは膝で大げさなくらいリズムをとって合わせようとするが更にずれる。
弾いている子は、途中で開き直りました。伴奏を殆ど聞かなくなった。ロングトーンで体勢を立て直して(美音というのは財産だ。長野オリンピックの船木を思い出したぞ。「世界一の飛型がものをいった」金メダル)、中間部のカデンツァでついに母親に背を向けた。
仰天したのは最後に第二主題を弾くところ。観客と一体化して、もう手拍子したくなるような音。完全に母親から脱皮した。母親と娘の音楽的指向が違うのが明らかになった。母親は聴衆とコミュニケーションをとるなどという、悪くいうと媚びたところは全くない。それどころか独奏者と合わせようという気もあまりなさそうだ。基準は自分が納得するかどうか(私も似たところがあるので分かる)。
ところが、娘の方は聴衆に合わせる。同門でも後輩の面倒見がよいと評判なんですかね。
それにトリという立場もある。年上の人はたくさんいます。でも、心情的にみんなのお姉さんで、お手本で、あこがれの的なんでしょう。最後にあたかも「さあみんな一緒に」というように弾いても(同門の発表会だし)許されるところはあるでしょう。
そんなわけで、聴衆と一緒に弾いているような演奏を最後にはやりました。なんで一挙に乳離れができたんだろう。まてよ。学校の制服で弾いている。よくわからないけど結構いい学校(なんだろうなあ)。なるほど、受験勉強をして、見事合格した自信というのがきいているのかなあ。あくまで直感だけども「バイオリンと別」のところで、何かやったというのが大事なのだろうか。毎日何時間も練習すれば上手になって、多少のトラブルにはびくともしないようになるだろうけど、心理的に脱皮できるかはまた別ということ。
やはり江川君の言う「(松井が三冠王をとるには、野球と別のところで)一流に触れろ(一流に触れたという自信が、最後の1本につながる)」というのは正しいのだなあと改めて感心。なわけで、当方落ち込んでしまった。私は太刀1本でなんでも出来ていたので、脇差しを持つことさえしなかった。だから脇差しでも勝負できるという副次的な自信がない。万一太刀を止められると何も出来ない。この不安感が太刀の切れを悪くしていたわけだ。それに気がつき、人生を反省した。まあ、最近少し変わったかな。一つは太刀を振り回しても妨害されなくなったこと。もう一つは改正下請法と個人情報保護法への取組が脇差しの役を果たしてくれるようになったこと。
なわけで(長い前振りであった)、個人情報保護の話である。同じようなネタを前にやったので見逃そうかと思ったが、それではさらしてしまった俺コンecに申し訳が立たない。
でも、名前を出すのはすぐに態度を改めないところよ。ちなみに俺コンは未だに何も言ってきていない。あ、ヤマダ電器は一応気にしているみたいよ。顧客情報を机の上に出しっぱなしにしていたのをじーーーっと見ていたら、いやらしいにやにや笑いを浮かべながらあわてて裏返したから。さっきのトリを弾いた子に「今度何弾くの?」と聞くと「ラロのスペイン交響曲」なんだそうだ。CD1枚くらいプレゼントしてやってもいいかな、と思った。いいバイオリンを買ってやれば「スポンサー」と大いばりできるが、そんな余裕はない。でもCD1枚でも少しは役に立ちます。
そこでWebで探すと独奏者レーピンがあるじゃないですか。もちろん注文しました。しゃーないからクレジットカード番号も打ち込んで。結局メーカー生産中止で在庫がなかったので、もう一カ所にも注文しました。合計2カ所。結局いずれも「無し」だったんですが、対応はかなり対照的でした。
ひどい例はヤマギワソフト。
受注確認のメールはすぐに来ました。が、数日して「メーカーで生産中止ですのでお送りできませんごめんなさい」のメールが来たんだな。(よく考えると俺コンのすぐそば。あの辺何か得体の知れないフィッシングの妖怪が住みついとんじゃないか?)
一応「Webからは商品の案内を一両日中に削除させてもらいます」の旨が書いてある。丁寧なつもりなのだろうか。しかし、こいつ考える対象が間違っている。個人情報保護法の完全施行以後は「入力頂きました個人情報は、これこれこういう手法で削除しますので、お客様に迷惑をかけることはけっしてありません」がいるのよ。ついでに言うと確認が遅い。遅い言い訳として「帳簿上はあることになっていたのですが、よく調べると先日の火事で焼けた在庫の中にあり」くらい付け加えれば同情を誘えるのですが。個人情報はどうなっとんじゃと問い合わせると、ヤマギワは平気で「お客様のご住所等の情報につきましては、ご注文いただいてから、半年は弊社にて保管いたしておりますが、その後は間違いなく抹消させていただきます。なおアクセスにはID・パスワードを設定して、厳重に管理いたしておりますので、ご安心下さいませ。」などと言ってきている。
このヤマギワと言うところ、個人情報保護法施行後は、個人情報を本人から(ましてや契約が成立していないのだ)消せ!と言われたら消す義務があることを分かっていない。
それどころか、ID・パスワードで管理すれば安全と信じている。あのなー、YahooBBをはじめID・パスワードを持っている人が故意、または過失で情報を漏洩させているのが問題となっているんだろ。また、サーバーへのクラッキングで情報が漏洩するのも最近のはやり。
その辺への意識があれば「ご安心下さいませ」などと言えるわけがない。更に言うとこのように意識の低いところが「厳重に管理」しているといっても安心できるわけがない。
もっとひどく言えば「てめー、その程度の説明で納得すると思うのか。わしをなめるな」である。もう一つは悪くない例。「在庫はありません。Webからは商品の案内を削除します。」の旨のメールが来たまでは一緒。ただしこのメール即日やってきた。在庫確認が速い。これだけでも違う。
同様に「ないのは分かったけど個人情報はどうする」のメールを出すと、翌日店長から電話があった。「要望通り個人情報は削除する、ついてはどのレベルまで削除すればよいか」を聞いてきた。一方「全部は消したくない。というのは注文の品はありませんでしたが、これはどうでしょう、と提案するための情報は残しておきたい」という申し出もあった。これはこれで納得できる。考えがしっかりしている。なら、とこっちも言える「苗字は残して名前は消してくれ、というのは氏名両方揃わないと個人を特定できないから個人情報にはあたらないと解釈されるから。もし、再度問い合わせがあったとき、○○さんですね、と苗字だけで答えても話は通じるだろう。住所は県名までで消して(県名はプルダウンで入力させる仕組みになっているからそれは残していてもいいかな)。
この先は更にちゃんと削除処理をしたあとの画面キャプチャを送ってきた。これをきちんとした対応というのだ。指摘を受けてすぐにここまでの対応が出来るところだ。バックアップの消去にはあえて言及しなくてもしっかり管理しているだろう。ところで、Webでの販売をすると、この手の「個人情報どうしてくれる」のクレームが飛び交うと思うのですが、楽天をはじめとするWebモールの大家さん、きちんと指導してくれているんでしょうか。してないだろうなあ。でもね、バーチャルとはいえモールだから店子の教育は必須よ。また店子同士協力しましょうね。リアルなショッピングモールでは大家さんの教育が行き届いていると、また店子同士仲がいいと好感度が上がります。Vivitスクエア、最初はひでえなあと思ったけど、なかなか良くなってきたじゃないか。するとやっぱり、買うんだよなあ。
ところで、このヤマギワの意識の低さ、どの程度組織が共有しているのでしょうか。というのは、2月10日の火災、原因究明、あれからどうなった?と思ったから。一部で「タコ足配線が原因」と報道され、抗議したというのは知っているが、結局原因はなんだったの?何?原因不明?おい、原因不明ということはまた起きても不思議でないということだぞ。また抗議した以上原因を究明して発表しないと変だろう。ましてや一般の人が入る店舗だ。
で、なんですと、当時のプレスリリースすらリンクが切れている。あれだけの事故をうやむやに終わらせたのか?せめて「原因は不明でしたが消防庁の指導の元、以下の改善を行いました」というくらいのことは書いておけよ。
というわけで、ヤマギワソフトのWebサイトはもちろん、店舗にも近づかないようにしましょう。「危険です」。正確には危険(リスク)を察知でき、削減できる体質じゃありません、あの会社は。ヤマギワってランク高いとおもったんだけど・・・ああ、今はソフマップが買収しているのか。私だってこう判断するのは辛いんだ。つまり秋葉原でミスドに行けなくなるってことなんだぞ。