甘えがあるから作れる詳細な手順書の話

 「あの人は○○しか出ていないから」というと差別用語に聞こえるが、実際は相手を許すための言い訳として使われていることも多いんじゃないか。
 運転していて、前の車がもたもたしているのに苛立つ。追い抜くときちらっと見て「ああ、おばさんか」。これは、もたもたしていたことを許す理由を見つけたことにはならないだろうか。構造は同じだと思うんだ。
 今更ながら持ち出すのは、最近、この「相手を既知のカテゴリーに当てはめて、一般に見られる傾向であればある程度大目に見る」という思考パターンで得していることがあるからだ。相手が目上だろうと「こうしないとうまくいかない」と主張しまくり、半ば強引に印鑑をもらう。先方は閉口しながらも「そういえば海外帰国子女(というにはもうおっさんだが)だったな」と許してくれているかもしれない。でもここまできっちり細分化して決めておかないと実施する人間が途方に暮れるよ。途方に暮れたまま「できるわけないことをやらせる方が悪いんだ」と考えていい加減にやられるのが怖いんだ。一度できれば、経験者がいるから後は続く。なら一度目は何が何でも実現できるようにしないと。というわけでこの僕が真面目に予備調査して、頭の中で失敗しまくって考えたんだ。直感的に想像したより10倍複雑な構造になっているのは認める。でも、一人一人の動きは単純でイメージしやすいはずなんだ。エネルギーも極小化されているのだ。他に例がない構造になったけど、それは他部署の人間も「知らない」と言い逃れされない程度には根回ししているのだ。
 なお、この手のものを作ったとき、よく言われるのが、事前の「おまえ以外メンテできないものを作るな(カテゴライズの理由まで明記してあるので可能です)」と事後の「すんなり出来たんだけど、何か達成感がない(そんなこと言われても)」です。

 なんでここまで頑張ったのか。私はスムーズな運営に責任を持っているからだ。
 そんなわけで今回皆様の頭の中にある「帰国子女枠」を利用させてもらった。文句を言うな、だいたい私は明示的にはやれと言われていないのだ。やってくれるといいなあ、と周囲全員が期待していただけなのだ。そもそも権限上は無関係なのだ。高権限者のすべきことを買って出たのだ。ハンコくらいはついてくれ。周囲の文句たらたらは受けよう。が、現場で適用不可能なことを指示した部署が悪いのは理解してくれ。というわけで、本来どこでも必要とうたわれていないマニュアルまで作ってしまった。私が作ったマニュアルだ。めちゃくちゃ細かくて具体的だぞう。
 できあがりが直感の10倍の規模になってもおどろかず、事細かな指示を入れたマニュアルまで作ってしまうのは、システム開発経験者の職業病だ。

 読んで気がついた人もいるだろうが、やりかたは帰国子女的でも動機は帰国子女らしからぬところがある。「権限上は無関係だが期待されているから」とか「スムーズな運営に責任を持っているから」実施するという発想である。やっぱり帰国子女なのかな。ヨーロッパに根付いているNobleDutyな貴族的発想。
 が、そろそろ燃料が切れそうなので、あらたな言い訳を作ることにした。このへんが私の貴族的でないところである。

 わたーしはSOX法の対応状況を検証するために、フルスクラッチでマニュアルを作っているのだ、と思いこむことにした。
 具体的な検査手順まで文書化するのは、優先順位が低い(ひょっとして永遠に誰も気がつかない)ような気がする。しかし検査手順が定型化できるかどうかは、もともとの業務フローが定型化されているかどうかにかかっているし、検査対象を網羅できるかどうかは、実施済み業務のトレース可能性が保証されているかにかかっている。
 そういう意味で検査手順の文書化を試みることはSOX法対応がどれほどできているかを検証するための計器としても必要なのだ。SOX法のソリューション提供会社というのがあれば聞いてごらん「検査手順は明確につくれるの?」連中がどんなことをやっているか当方全く知らないので、胡散臭いという印象だけがあるが、この辺をつつくとすっきりするかもしれない。もちろん検査できたとしても担当者の記憶や手元控に頼るようではだめですよ。

 でも悲しいことに気がついた。なるほど、SOX法対応が大変だから、上場は持ち株会社だけにして、あとは非上場にするわけね。そのうちに村上ファンドみたいに日本生まれの外資系企業になったりして。本社移転は金融・通信企業のようにものを輸送するわけではない会社がやりやすい、と思っていたら、持ち株会社はみんな金融会社だから移転させる困難は少ないのね。

 さて、これはウィンブルドンと呼んでもいい現象なのだろうか。自国のプレーヤーがいなくなったわけではないから新しい名前を付けよう。
 海外には出て行っても、見ているのは国内。海外デビューして箔をつけようとした芸能人が真っ先に浮かぶが軒並み成功していない。(ラスベガスのショーでピンクレディーがうけたといってもねえ。カシオペアは高く評価してもらったそうだが「でもあんなバンドならいくらでもいる」。中森明菜のCross My Pain、私以外に買った人いる?)逆カバーバージョンも一瞬で廃れたし。イチローは活躍しているし。セリエA時代だけならミウラと言いたいが、それ以前にブラジルできっちりやっていたし。(友達の三浦君に聞きましたところ、イタリアで「ミウラ」というと「ランボルギーニ・ミウラ」。だから登録名を「ミウラ」にしたのだろう、ということ。ちなみに闘牛の牛の品種です。)
 めんどくさい、オザワにしよう。諏訪内では重みに欠ける。(こっそり結婚していたのがばれて「結婚で話題作りをしたくなかった」なんて言い訳すんなよな。アイドルなんだから。)
 最初に思いついたフレーズは「じゃがたら」なんだけど、細かい部分ではまらないのだ。

 密かに流行語大賞をねらっていたがあきらめよう。年末には巻が表彰されるかな?活躍ぶりによっては「サプライズ」が選ばれる可能性は大いにある。
(W杯の新ボールは縫い目が少ない。つまりかかるマグナス力が小さく変化が付けにくい。ということは中村に代表される変化球系のFKの威力が落ちるということなんだ。だから阿部の高速FKは攻撃オプションとして必要だったと思うんだがな。ただし曲がりきらない俊輔のFKがゴールポストを叩いて跳ね返り、それを巻が押し込むというパターンは見られそうだ。)

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