NHKの2011年問題

 地上波デジタル放送で、212兆円もの経済効果が見込めるらしい。3割が税金として還流するとして、2年分の財政赤字は悠々埋められる。これで国家財政は一息付ける。
 ところが大変なことになりそうなのがNHK。当事者なんだから気が付いているはずなのだが、万が一気が付いていない場合に備えて一応声だけ上げておく。どーも君が弁解するには荷が重い。ななみが泣いて謝る姿は見たくない。うちの子がファンなのだ。
 この時期にNHKが受信料義務化!と言っているのが問題を大きくする。2011年以降にすべきだ。もっともこの問題、NHKが受信料を徴収する理由が、「公共放送を維持するため」(公共放送には公共放送なりの義務があり、それを維持するにはコストがかかるから)であると前提されてのことなのだが。(ホントは理由がない〜定められていない〜らしい。)

 さて、2011年に現在の地上波アナログ放送が停止されるとする。すると、当然不満に思う人が出る。まだデジタル放送対応受信機を持っていない人だ。その人たちがこんな主張をしても妙ではない。

 1番目は妙に見えるが「受信料支払義務化」になったところでNHKも受信を保証する義務が生じたはずだ、と主張されれば耳を傾けねばならない(無料で機器を配って受信料で儲けるビジネスモデルにNHKが目覚めるかもしれない)。2番目は説得力があると思う。一応現在の受信規約では《地上系によるテレビジョン放送を月のうち半分以上行なうことがなかった場合は,特別契約を除く放送受信契約について当該月分の放送受信料は徴収しない》、「地上系」と確信犯的にぼかしてあるが、NHK側の都合で受信機が使えなくなったんだから、契約破棄の原因はNHK。なのに申請をこっから行わなければならないなんて不合理だ。ということで「そっちでやるべきだろう」と訴えられても仕方がない。

 ためしに2011年になったらNHKの受信契約の解約を申し込んでみよう。で、やり方を調べてみたのだが受信規約第9条には「届け出なければならない」とあるが、具体的な届け出方法は規定されていない。そこで、(単身赴任を引き払うので、とか理由をつけて)届け出方法を今から調査しておいて2011年に解約事務代行を行えば、多少はお客さんがいるかもしれない。この業務って司法書士の資格がなくてもできますか?法定文書がないのだからできそうな気はするが、、、まずは資格の前にビジネスモデル特許をとって、、、しかしお客さんはややこしい人が多くなりそうだ。NHKに特許権を売った方が儲かりそうだなあ。銀行が買ってくれるかも。受信料自動引き落としを銀行窓口では停止できないので、手続の不備と言われる恐れはある。組織的な訴訟を起こされるリスクをビジネスモデル特許で押さえられるなら安いもの。

 さて、2011年に解約をする時の理由。「うちでは自作パソコンでテレビを見ていました。ところが地上波が無くなったので見れなくなってしまったんです。」
 家が狭い場合、テレビとパソコンディスプレイを兼用するという選択は候補にあがっておかしくない。自作パソコンはとっくに市民権を得ている。ところが地上波デジタルを受信するチューナーカードないしユニットは発売されていない。従って十分に通用する理屈だと思うんだが。

「ホントに見てないんですか?」
「ワンセグで見てます。(補完放送につき現在受信料不要)」


 上の文章には一応問題提起があって、それはビジネスモデル特許(とか著作財産権)には、人の権利や表現の自由を阻害したりする可能性があるということ。「○○について訴訟を起こす」というビジネスモデル特許をNHKが押さえてしまえば、弁護士事務所は訴訟を起こしたいという依頼を受けることができなくなる。(だから誰も特許をとれないようにここで公開したのだ。)著作財産権があるため、ジャズ喫茶で演奏するとアドリブにも金を取られている。私的録音保証金を普通のハードディスクにも課せ、と言っているんだ。そのうち自分で思いついたフレーズを鼻歌で歌っても似た曲があると課金されるぞ。
 確かにクリエーターというのは生活が(というよりインスピレーションが)不安定だから、過去作ったものから収益を安定的に得たいという衝動が強いのは良く分かるが、死んでからも70年に渡り遺族が金を取るというのはね。「宇宙戦艦ヤマト」の「海洋を進む船がそのままの形で宇宙を飛ぶ」というアイディアの「突拍子もないがものすごい存在感」を見ると松本零士がそれを誇りに思う気持ちも分からなくはないが、ファンだからといって言っていることを無条件に支持するわけではない。(戦艦や列車をそのまま宇宙船にする。一度松本零士さんにその辺のこだわりを聞いてみたいものです。)
 それこそ「著作権」なんて言わずに「商標」としたらどうだろう。「ミッキーマウスはディズニー社の登録商標です」とすれば、死後50年だろうが、70年だろうが独占使用権を認めるのも納得できる。商標登録費用は国庫に入り財政を好転させる(これぞ知財立国)。
 ただし、その時ミッキーマウスは「ディズニーの商標」となり「ウォルト=ディズニーの作品」では無くなるのだ。(商標においてデザイナーの著作人格権は無視されるのが普通だ。)ウォルト=ディズニーはとっくに亡くなり、会社も売却されているから、もう誰も気にしないだろうがね。
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