今度は日航をなんとかします

 ハルヒに文体が谷崎潤一郎そっくりだ、と言われたことがある。心当たりはなかったのだが、勧められた「文章読本」を見て笑い出してしまった。それ以来文体には自信を持っている。しかし読解力には自信が持てない。例えば日本で一番有名な四行詩
11999の年7の月
空から恐怖の大王が降ってくる
アンゴルモアの大王を復活させるために
その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配に乗り出すだろう
これがどうして人類絶滅を意味するのか、未だに理解できない。
(「いまだに」を「今だに」と書くと誤記といわれる。ただ最近気がついたのだが、「未だに」は「ない」が続くもの。「うちの野球部は未だに膝を痛めるうさぎ跳びをやめてないよ」ならいいが「うちの野球部はいまだにうさぎ跳びなんかやってるよ」なら「今だに」が適当なんじゃなかろうか。)

 こんなものだから法学部に行けば確実に落ちこぼれだ。
 日本国憲法28条

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
 勤労者が団結して「会社は儲かっているんだから給与を上げろ」と要求する権利が認められているのはわかるが、なぜ、これが「スト権」を認めることになるのか分からない。さらに、三公社五現業はスト権を「公共企業体等労働関係法」で禁止されていたそうだが、どう読んでも禁止されている条文が分からない。
 だいたい普通の企業であればストなんて甘えは不可である。銀行がストしてみろ、不渡りがどかっとでるぞ。そんな迷惑は許されない。できるとすると、認可をもらって独占的にサービスを提供している業種である。迷惑かけても利用者に選択肢はない。典型的には公社。だからストしちゃ駄目よ、と明示する。条文は分からないが、理屈の流れは分かる。

 ともかく、独占的な特権を与えられた公共性の高い業種でストはご法度だ。これをはっきりさせたい。唯一許されるだろうのは近畿日本鉄道の「改札係だけのスト」。利用者に迷惑はかけない。もっともオリジナルはイギリスだったっけ。職種ごとに組合があるので、改札係の労働組合のストだと、そんな風になる。

 言いたいのはこれだ「ストやった人間に発言権はないだろ!」
 ターゲットは元々半官半民の日本航空である。会社が苦しいから企業年金減額。そりゃないよ!という気持ちは分かる。が、資金繰りの面倒を政府が見たり、借金棒引きを交渉したりするとき「高すぎる企業年金に出したお金が流れないように」とフタをするのは当然だ。社長が都バスの運転手以下の給与で働いているわけだから、退職者の方々も頭では理解していると思う。が既得権は既得権。しがみつくのは当然かも。

 日航を正式に破綻させればなんとでもなるのだが、そうしたくない人も多いらしい。一方、企業年金減額に2/3の同意が得られない。苦し紛れに法律を作るということも考えられているが、憲法違反と訴訟が起こされるのは確実とか。手詰まりだなあ。
 だから「ストに参加したことがない人の企業年金は減らしません。」これでどうだ。
 自社の公共性を踏みにじり、利用者に迷惑をかけて省みなかった人については抗弁権を認めないということ。だいたい高額な企業年金もストをやったり(=利用者に迷惑をかけたり)ちらつかせたりしてせしめたもんだろう。

 もちろんこんな法律が通るわけがない。ただ、提案はしてみろ、すぐ潰されるから責任は取らなくてもよい。でもこの着眼点を出せば世論は動く。日航OBもごね得するわけには行かなくなる。
 もちろん労組&OB側の対抗策も同時に考え付いた。「企業年金で国債を買います。赤字国債発行がゼロになるまで売りません!」宣言。なに、労働組合が8つもあるから協調するのは無理か?大丈夫、日本には抜け駆けという美徳がある。で、国債を担保にお金を借りて、あたかも何事もなかったかのように。。。

 そういえば、アリコが顧客情報流出をオフショア開発のせいにし始めたぞ。。中国かぁ。物証はないらしいね。だから合衆国にしとけって言ったのに。

社会問題ネタ、目次
ホーム