ランドセルに見られる少子化問題

 佐山サトルが「タイガーマスク」と名乗って新日本プロレスのリングに上がっていた時、タイガーマスクの原作者は考案者として、ファイトマネー、CM出演料その他の半額をせしめていたらしい。作者の性格が必ずしも主人公に反映していないというのは当たり前であるが、それにしても意地汚い奴である。もっとも主人公の性格のうち偽れない部分もある。みなしごのための遊園地「みなしごランド」でタイガーマスクが最初に作ったのは自分の像である。

 その意地汚い記憶が薄まったせいか、全国各地で「伊達直人」を名乗る人間から孤児院にランドセルその他が寄贈されている。ひとつやろうか、と私でも思う。いや一つの条件が合えば、贈ってました。それは「こどもがいないこと」。

 こどもが亡くなってしまって、生きていれば今年は小学生だなあ、と思いながらショッピングセンターを歩くと、それはランドセルが目に付くよ。ランドセルを買ってやりたかった、という思いはある。死んだ子の年を数えるのは無意味だと分かっていても、ところが、もらってくれる人が、喜んでくれる子どもがいるところに思い当たった。
 買う、それは買う。絶対買う。

 だから今までも似たような例はあったと思う。が、今回は「タイガーマスク」という抜群のマーケティング用語と結びついた。「伊達直人」というちょっとしたマニアックぶりが多くの人の琴線に触れた。広告代理店がやったとしたらたいしたものだ。

 で、こどもが生まれなかった人のうちにも追随する人が増えたのかな。うーん、これが少子化の現れの一つとすると評価は複雑だが、、、普通はわが子だけで手一杯だ。入学願書を取り寄せて、書いて払って出すだけで結構重い。うちのガキもどうやらようやく中学受験勉強を始めたようだ。

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