チュニジアの民主化運動を広げたのがインターネットによるソーシャルネットワークであるとかテレビで言っておった。情報規制をしてもここは防げず、アラブ諸国初の民衆の運動による政府転覆につながったとかいう分析だ。社会問題ネタ、目次へ
これと対比されていたが、ドイツ統一やソ連崩壊はテレビの影響らしい。特に衛星放送とやらで国境を越えた他国の情報がテレビで入ってくるので、これのおかげでドイツ統一/ソ連崩壊がなったとか。なるほどと思った。確かにクーデターの際にはマスコミ、特にテレビ局を押さえるのが定石だ。それでわが国の動きに合点がいった。他国に類を見ない衛星放送/地デジの放送形態。スクランブルをかけたり、コピーを出来なくしたりといった執拗な暗号化はクーデター対策だったわけか。
つまり、放送局を押さえられても放送波の暗号化機能を使えば視聴を不可能に出来るわけだ。それで暗号解読のキーパーツを配布しているB-CAS社に取材を申し込んでも門前払いされて、正体不明の団体のままというわけか。B-CAS社は政変が起こったときの情報管理策の要なのだ。
巨費をつぎ込んで東京スカイツリーを作る理由も分かった。建前上は「地デジのためにはよりでかいアンテナが必要」だったとおもうが、それであれば、東京スカイツリーが電波送信可能となるその日までは、アナログ放送を継続しなければならないはずだ。が停波は今年7月。一方東京スカイツリーの稼動開始は2012年に入ってからである。つまり、東京スカイツリーはデジタル放送に必須ではない。つまりかの鉄塔には電波送信の段階での情報管理(露骨に言うと送波制限)が出来るような仕組みが作りこまれていると考えたほうが適当である。更に言うと、放送局への睨みも効かせやすくなる。B-CAS社ないし東京スカイツリーを押さえておけばいつでも特定の放送局の受信を不可能に出来るのだ。つまり言うことを聞かないテレビ局の首根っこを押さえる手段ができたということだ。それを考えるとテレビ局はよくぞこんなことに同意する気になったものだ。気がつかなかったってか?コピー制限の規定があまりにも放送局寄りであったことに疑問を感じるべきであったのだ。(だからジャーナリストは「コピーガード反対!」を唱えないといけないのだが、テレビ局にジャーナリストはいないのが普通だしぃ。)
うーん。よく考えたものだ。クーデターのときの対処をどうするかは法制度を含めて手順が定められていない。当然マスコミを押さえようとする組織からマスコミを力づくで守ってやるわけにも行かない。せいぜい機動隊が出て立っているだけだ。ならばと、東京スカイツリーから電波を出してB-CASの設定を変え、クーデター勢力の主張をお茶の間から遮断する。これなら暴力行為が不要なので現行法でも対処できるだろう。
かくして日本の産業は新たなシステム輸出先を獲得できた。チュニジアと同様の独裁的体制を持つ諸国に、日本のテレビ放送の設備を売り込むのだ。まあソーシャルネットワークの広がりには対応できないが、簡便なクーデター対策として需要はありそうだ。確かにこの辺のインフラを売り込むとそれを逆に利用されて日本の放送網をのっとられる可能性もなくはないが、相手がイスラム圏であれば、イデオロギーの全く違う日本人にその思想が浸透する心配はしなくて済む。
インターネットを切断するのに比べて電波を止めるのは難しい。それを見事に解決する手段があったということだ。あ、もちろんエコポイントを使って買い替えを促し、従来のテレビを廃棄させる、という政策もセットで売り込むんですよ。これでテレビの輸出も増える。「エコポイントってなあに?例えば換金できるの?」にも答えられない状態のまま早急に導入したときは「何を考えてるんだ」だったけど、実際には改造によっては海外の放送が受信できるかもしれないアナログ受像機をとっとと廃棄させるための施策だったとすれば理解できないこともない。これで、国民は権力謹製の暗号化を施していない放送を受信することが出来なくなったわけだ。
エープリルフールネタにしようかと思ったが、あまりにも筋がとおってしまった。本当かもしれないので通常のネタにする。(例によって考えすぎなんだが、でもそういう使い方が出来るのは間違いなさそうなんだな。)