家庭用放射線測定器

 中学校の頃だったか、ありえない商品として「家庭用火炎放射器」というのを考えた。
 ところが実在することを知った。庭の芝生の下草を焼くのに使うそうな。

 そしてついに「家庭用放射線測定器」というのが出るらしい。エステー化学の発売で「エアカウンター」という商品名だとか。
 ところが発売直前に15,750円から9,800円に大幅値下げ。
《新たな技術提供を受けたことで、さらに性能をアップさせた上、税込み15,750円としていた希望小売価格を税込み9,800円に改定》なんだそうだ。

 国難に際しての私利私欲を捨てた社会の一員としてあるべき企業の態度だ。すばらしいことだなあ、と一瞬思ったが、長年の読者の方なら気がついてくれますよね。私、暇に任せて蓄積した無駄知識のおかげで、あたりまえのことを良く思いつくのです。

 この製品、よく見ると測定対象がガンマ線なんです。で、影響の大きいセシウム137は、ガンマ線も出しますが、ベータ線の方が多い。つまりこの装置を使って放射線量を測ると、
「報道されている値に比べてここはずっと少ないな」
という感想が出るんですな。「あ、うちは安全だ」と。

 つまり、これが普及すると妙に安心する人が出てきて、東京電力や政府追及の矛先が鈍る。すでに発表されていた製品であるにもかかわらず、発売直前(2週間無いぜ!)前に技術提供を受けて2/3以下という大幅値下げができたのは「東京電力が技術提供したから」と勘ぐってもおかしくなかろう。まあ東京電力に放射能測定の技術はたまってるわなあ。中国製造予定が国産になったというのも深読みすれば怪しい。どうやって生産ラインを立ち上げたんだ。準備してた中国企業に払う違約金だけでもバカにはなるまい。ひょっとして提供を受けた「技術」って「円」で測定できるものなんですか?

 まあ、下衆の勘ぐりであればいいんだが・・・どう考えても不自然だよな。
 というわけで「インボー」ということにしよう。もし、陰謀でなかったとしても、少なくともこの商品が普及した結果として、僕が今、予測したことは生じるんだ。
(さて、涼宮ハルヒの父親死亡説と、家庭用放射線測定器の東電陰謀説、どっちが説得力あるだろうか。)

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