休眠口座アクセスへの道

 ニュースを見ている休眠口座の「活用」という中途半端な言い回しが提案されていた。
 要するにNPO法人が活動資金源として休眠預金を活用できないかと言っているらしい。
 何々?10年出入りが無くて、預金者と連絡が取れない口座は、銀行の利益に計上されるからそれを使えないかということらしい。ちなみに「活用」と言っているだけで「くれ」と言っているわけではない(言っているようにも聞こえるが)。
 NPOの方には認識されていないのかもしれないが、会計上銀行の利益となっているのは事実だが、請求があれば利子付きで払い戻すわけだから、NPOの方々にあげるわけには行かない。だいたい預金集め、および口座維持のためにいろいろやってきた銀行に対して「そっちがもらえるのなら、僕らにくれ」と言っても貰えるわけがないのが常識というものだろう。
 しかし「活用」というなら分からなくもない。休眠口座だからこその何かができないか、スキームを現実的に考えてみた。

 法整備、システム構築費用の問題をひとまず除外すれば悪いスキームではない。(最大の問題は休眠口座の残高が金融機関の「利益」とならないので、税金を納める対象でなくなり、国家の歳入が減ることかもしれない。)
 当方はどっちかというとシステム屋なので、ここでシステムをどうするかの実現策を考える。各銀行が個別に休眠口座活用のためのシステム投資をするのはとても大変である。ならば、どこかの組織が集中して「休眠口座活用貸し出し」のシステムを構築し、運用すればよい。各銀行は、そこに「貸し出し」を行うのである。「預金口座を持つ」の方が簡単かな?各銀行で休眠口座となった預金の残高をここに預け、休眠口座の持ち主から払い戻しの要求がくればここから引き出して返済に充てる。こうすれば各銀行は既存システムにさほど手を加えなくとも済む。なかなかいいアイディアでしょ。

 ではどの組織が主体となって「休眠口座活用」を行うべきか・・・。亀井静香ちゃん、出番です。当然「郵貯」でしょう。というかまずは「郵貯」を先行して「休眠口座活用」スキームを実施していただくというのが、順序として適当なんじゃないかと。

 こうなると効果が明らかになってくる。別途「納税者番号制」進めようとしているよね。すると・・・
 脱税のためと疑われる昔の郵貯口座を、休眠口座として一度ロックかけてしまう。そして払い戻しの手間を一つ多くしてしまうと、「出すに出せない」口座が大量に発生する可能性があるわけだ。これが「休眠口座活用スキーム」の原資としてどどーんとのってくる。口座の所有者にとっては迷惑な話かもしれないが、事実上課税を逃れるために置いていた資金だ。文句はいいにくかろう。世論も仕方ないと思ってくれるはずだ。
 この、休眠口座活用のスキーム。優遇策をつけてリスキーだが公共性の高い部門に貸し出す。何かに似てるよね。そう財政投融資だ。

 つまり「休眠口座活用機関」ができることによって、財政投融資の資金がおそらくは兆円規模で拡大するということだ。逆に言うとこの分財政支出は抑えられる。政府にとってもメリット大だ。
 またこのスキームであれば、休眠口座活用のニュースがイメージとして与えていたように国民の金を取り上げるわけではない。このようにスキームを工夫するだけで必要経費を抑えながら、同時に資金を集中させることによって効率を上げ、結果として財政赤字の削減にも役立てることができるわけだ。民主党、やるじゃん!

 正直、民主党がそこまで考えているとは思わない。が、後知恵でも、ここまで(NPOの人の思いつきを)利用できてこそ政治家というのではないかな?
 何?当然そこまで考えているよ。でも言っちゃうとリスク覚悟で今郵貯をおろす人が続出して、経済が大混乱に陥るからあえて知らん顔しているのだ・・・そのくらい考えていて欲しいなあ。国家のリーダーなんだからね。

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