セフティネット「2/3」

 さすがの私も、原稿が3つも吹っ飛ぶと落ち込むのであった。操作ミスだから仕方ないのだがね。

 しばらく消えていたのはそういう理由である。別に合衆国と南朝鮮、中華人民共和国のスパイに尾行されて拉致されたわけではない。それにしても私のサイトを読んだかのような北朝鮮の声明、朝鮮半島の統一を阻止するような合衆国の対話路線への転換の兆し、と見ようによってはとてもエキサイティングだったのだが。

 ここんとこずっと「話好きの近所のおじさん」に会ってないので、代わりにここに書くか。あきれるほどシンプルなことである。
 改憲規定をかえようなんて話が出ている。せめて「憲法改定の限界説では、改憲手続が最後にくる」なんてアカデミックな反論をしてくれればいいのに、説得力はあるものの、ずいぶんと枝葉末節なことを言っているので、あきれている。

 現在の衆議院の議席は「得票率が半分以下なのに自民党が2/3を占めている」。違憲と判断された一票の格差と死票の多い選挙区割りのせいである。こんな状態ではたとえ国会議員の2/3の賛成でも民意の過半数を映した状態とはいえない。1/2では全然足りない。つまり、憲法変更の決議を出すために2/3の賛成を必要とするというのは、民意の多数を映し出すわけではない選挙制度で半数以下の賛成が大多数を支配してしまうという構造的欠陥の暴走を防ぐセフティーネットなのである。ところが現状では選挙制度が意見と判断されるほどいびつである。これにあわせて96条を変えるなら3/4以上の賛成を必要とする!と変更すべきであろう。
 これが正論だと思うのだがいかがだろう。だから過半数にするとしたら「一票の格差が1.1倍以内かつ、死票の割合が1/2である選挙で選ばれた国会議員の場合に限る」なんて補足をつける、でどうだろう。自民党としても96条は変わって1/2という数字は出てきたんだから面子は十分に立つはずだ。それとも一票の格差を積極的に改善してゆく気持ちははじめから・・・ないんだろうなあ。

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