そこにいて助かる自信がありました?

 韓国で船が沈んで人がたくさん死んだ。
 だからと言って嘆くには当たるまい。東日本大震災で日本人がたくさん亡くなったとき、あの国の人たちはお祝いを述べてくれたので、本当は祝い返した方が適切なのかもしれない。しかし、郷に入っていない身としては郷に従って他人の死を喜ぶ文化に合わせる気にはなれない。「痛ましい」とは言わないよ、と虚勢を張るのが精いっぱいだ。

 あの船に乗っていて、自分は助かったか?と自問。言うまでもなく助かっている。非常事態になるとすぐにスイッチが入り、危険と判断すればすぐに行動に移る人間だ。3月11日に実証済みである。
 たとえ船内アナウンスで「客室は安全だから動くな」と言われようが(このアナウンスをしていた人が美談の主人公にされている)上の方に動き、救命胴衣とロープを探しているはずだ。手すりにロープを結んで垂らしておけば、それを伝わって助かる道ができる。
 「10分で救助が来ます」なんて言われようが(しつこいようですがこのアナウンスをしていた人が美談の主人公とされている)、信用しないとは言わないまでも、自力で脱出路を確保しておく、です。
 先生がとどまれ、と命令したら涙流して抗議します。一度やったもん。校外学習で「ここでお弁当にしよう」というのを、ギャーギャーわめいて反対したもん。すんごい問題児に見えただろうね。でも10分と経たないうちに私が正しいと証明されました。その一見平和な平地には、長さ5センチを超える数千匹の毛虫がウジャウジャ住んでいましたもん。
 というわけで私は助かります。私の周囲の人間も相当助かるでしょう。その代り一つ特権を認めてくれ。好きな女の子の腕を掴んでロープを登ること。(偶然だが今日は4月19日だ。)

 上の娘も助かっています。3月11日に机の上をいち早く整理し、とっとと机の下にもぐりこみ、校庭に整列せよと言われたら、しっかりコートを持って避難した人間ですので。
 でも下の娘は危うい。間違いなくアナウンスに従い、船室にとどまっている。指示されたから、だけならただの素直だが、どうも「責任は指示したほうにあるから自分のせいではない」と理屈付けができればとりあえず安心、という発想があるようなのだな。最近「トンイ」とか「馬医」とか「牛医」といった韓流ドラマを(受信料払わされている)NHKで見ているうちに連中の思考が移ってしまったらしい。
 「責任は他の人にあるとしても、困るのはお前だよ」と説明しても「でも、みなそういう考え方をしているよ」なんだそうな。勉強しないのは昔々パパが・・・言い訳の作り方が歴史問題になるところが、なんとも韓流っぽい。「たしかにお前は怒られずに済むかもしれないけど、成績が悪いままでいいの?」ようやく分かってきたらしい。当然、成績は急上昇。

 韓国の皆さんが反日、反米を国是としていることについて今とやかく言うまい。しかし、何かあれば、昔日本が、と検証不可能な歴史を主張して金をせびる、泥棒をしてとがめられても「もともと日本が」と言い訳をすればそれが通る。この手法が立法司法行政一体化して進めてきた結果「他人に責任があるといえば問題なし。補償してくれる(悪いのは日本と言えば裁判所は勝訴にしてくれるし)」という思考パターンが連中の頭に焼きついたんだろうな。
 だから驚くほど多数の人間が「危機に臨んで、みずから道を切り開こうとしなかった」。逃げ遅れても「怒られるのは指示を出した人間で、自分は怒られない」で済むとしてそこで思考が中断してしまったのだろう。確かに怒られることはなかった。しかしその結果はさかさまになった船体と冷たい水に囲まれてた自分。彼らは真っ暗の、酸素すら乏しい中で、いままで言い訳を探すばかりで楽をむさぼってきたのが悪かったと反省しているだろうか。
 元気なはずの高校生が脱出できた人の中で目立たないな、というのが気になっているのよ。いろいろ聞いて納得した。ああ、反日活動が盛んな高校で、修学旅行もシュプレッヒコールを上げるために行った、か。体の芯まで責任転嫁の思考が浸みついておるのだろうなあ。だから言い訳ができる、いや「怒られるのは自分ではない」と思って動かなかったのか。たとえ悪いのは船会社でも、自力で未来を切り開かねば、という気概は最後までなかったわけか。

 だからこれを糧に、あの文化がもう少しましな方向に行ってくれればいいなと思っている。先方にとっては救助活動申し入れと同じくらい余計な御世話かもしれないが。
 でも、いくらなんでもわかったと思うんだ。合衆国と日本が救助支援を申し入れているそのタイミングで、同胞の国連事務総長と頼りにしている中国政府は、さっさと「お悔やみ」を述べている。言ってみれば早期の見殺しを当然視したわけだ。事務総長は職権乱用と言われようと周辺国に救助を依頼すべきだったろうし、中国政府は率先して救助隊を派遣すべきであった。
 死に直面する人たちを思いやってくれているのは、同胞か、宗主国か、それとも自分たちが嫌えと教育されている国だったのか。

 もっとも韓国文化としては、お悔やみの方がほしいのかもしれない。
 景気は低下、高校生たちもきちんと就職できるか?脛かじりを続けられるくらいなら、この辺で保証金のタネになって両親に還元してくれた方が・・・長幼の序を重んじる儒教に則るとこういう解釈になるのかもしれない。(残念ながら、伝え聞く彼らの思考法を適用すると、こうなってしまうのだ。)
 ここまではいかずともこの規模で、ここまで大きく報道された以上、「韓国人の命の価格」の相場が出来てしまうよ。アシアナ航空機事故では事実上中国人旅客を100万円としちゃったから(訴訟権利と引き換えに100万円払う)あまり高くはつけられないはずだよ。

 船内の生存者からメールが届いたというの、聞いた瞬間に眉唾だよね。水と鉄板に囲まれた中から、どうやって電波が届くというの?だからあれは暫定犠牲者の親が「生きているんだから急げ」と救助活動を促すための方便と思ったわけよ。(補償額を吊り上げるための詭弁とは思いたくない。)が、他人のいたずら、ですか?
 でもいたずらと判断するのも難しいのよ。どうやって中に閉じ込められた人のメアドをゲットして、別に入手したその人の肉親のメアドと紐つけて送信できたんだ???
 だから補償額を切り下げるために「いたずらだ」と早々に発表したという説も頷けるのだな。でも全部、LINEから漏れました、というのなら説得力あるよな。

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