プレハブホテル

 各国の援助により西アフリカに大型ホテルが次々と建設されている。
 宿泊費は極めて安く、食事はシューターで各部屋に届き。空調は完璧。排泄物は瞬時に固化と宇宙船並みの衛生基準。買い物は免税、と至れり尽くせりである。

 エボラ出血熱を封じ込めるための障害は、最長21日間にもわたる長い潜伏期間である。その間は感染力がないと言われてはいるが、少々疑問符がつくのも事実。というわけで問題の国から入国したら21日間、拘束とは言わんが、蟄居、という制度が・・・合衆国では出てんのか出てないのか。
 北朝鮮の「入国禁止」は極端としても、必ずしも笑い飛ばせる措置ではない。ならば、各国がいろいろ悩みながら独自に対策をとるより、発見されたら飛行機で「濃厚接触」した人たちを筆頭に周囲に迷惑をかけるリスクを取るより、対策をより根元で、一元的に、行った方が合理的だ、ということだ。よーするに問題の3か国からの出国時には強制的に21日間留め置けば良いのではなかろうか。というわけで、冒頭に書いたような「ホテル」を建設すべきではないかと思ったわけだ。

 しかるに「建設には時間がかかる」という大問題がある。
 なので「工場であらかじめ部屋を作り、現地では組み立てるだけ」というプレハブのホテルを早急に開発しなくてはならない。すると発症者の部屋は「部屋ごと焼却」という荒業も使える。問題は基本的に壁で重量を支えるし、基礎工事に時間をかけるわけにもいかないので、そんなに高層化はできないな、ということだ。しかし空港には土地に余裕があるのが普通だから何とかなるだろう。
 その技術は「仮設住宅」への転用もできるだろうし、何とかならんもんかのう。
 ついでに「狭い部屋で運動不足にならない」とNASAの開発したような技術も脚光を浴びたりなんかして。

 滑走路を囲んで並ぶプレハブホテルの部屋群を想像した。
 校庭に並ぶ仮設住宅群、よりは牧歌的に思える、は言い過ぎだろうか。
 三週間経てば出ていけるのだよ。

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