経済産業省はいろいろな統計を作ってWebで公開してくれている。社会問題ネタ、目次へ
その中に生産動態統計なんてのがあった。おお、繊維工業その他の工業の括りで「楽器」があるぞ。バイオリンはないがギターは小項目として品目別の統計が出ている。1本あたり3万円台後半か。管楽器は12万円を超えるのに、やっぱりギターって安いなあ。せっかくだから時系列で、グラフを作ってみた。ギターの出荷数量だけでは面白くないので平均単価も出してみたよ。
中学の時によくやったなあ「このグラフから何が読み取れるか」っての。なかなかの頭の体操になります。いろいろと付帯知識を持ってないとストーリーが作れないからね。
まず目立つのは2014年の2・3月。出荷本数は下がっているが単価がぐっとあがっている。これは4月の消費税増税、5%→8%の前の駆け込み需要。やはり高額品を買っているということだろう。結構はっきり出るんだ。
それ以降、平均単価は全体的に下がっているが、2015年3・4月にぐっと上がっている。これはフェンダーの販売体制が変更となり、国産ながら安い価格で踏ん張っていたフェンダージャパンが無くなってしまったことにより「安くてそこそこの商品の消滅」が反映しているのであろう。正直それから楽器業界ではアベノミクス大成功!2割増し3割増しは当たり前になったのだ。黒田日銀総裁も御茶ノ水楽器店街を歩けば自信がつくよ。
よくわからないのが2016年後半になっての数量の伸びだ。いや、明確な理由があった。アニメ「けいおん!」の再放送の影響だ。しかし1本あたりの単価が下がっているところを見ると、澪の「安いのは1万円くらいからあるけど、5万円」というアドバイスは視聴者に通じなかったようだ。アベノミクスの大成功で使い物になるのは10万円超えとなったので「10万円」と改訂してほしいところだが。なお、けいおん!本放送時の統計は見つからなかった。あったらすごい現象が確認されていただろうなあ。気になるのは宣伝しまくりのバンドアニメ「BanG Dream!」の影響がどうなるかである。ラブライブの二番煎じを狙ったという噂もあるが、話の軸になるのはガールズバンド。山手線全車両の戸袋に広告を入れるほど力を入れているので、売り上げに影響がみられないようでは(流行らなかったということだから)ブシロード、ESPは大損害であろう。。
まだ本格的な統計結果が出てないだけにあれだが、無理なんじゃないかというのが予測。
ESPがついているのだからもう少しギターのうんちくとか(けいおん!でさえ、いきなり「じ、じ」「ジェフ・ベック?しぶいねえ」くらいは出た)、効果的な練習シーンとかがあるかと期待していたのだが、そうでもない。
Gコードフォームを教える部分「中指からおさえるといいよ」などと多少は気の利いたことを言ったり、「ギタリストの手になってきた」なんてセリフも出てきたのだが、ぎこちない手つきだけ見せて、上達したところの手つきを描かないもんだから説得力がない。(多分ネックをつまむのではなく、つかむようになったのだろう。)ギターに限らず筋立てが雑すぎるのだ。夏休みイベント(よくあるのがいわゆる水着回)前に文化祭があるようだ。確かにそういう学校無きにしも非ず。例えば江戸川女子は7月にある。しかしその場合は衣替えしてないと駄目だろう。なので「とりあえず文化祭のステージを描きたいから前後関係なく文化祭を入れました」という感じしかしないのだ。リアリティを醸し出すのに必要な丁寧さが抜け落ちている。
巻き込まれた有咲さんが50万円の入札があるギターをオークションから取り下げて主人公にあげてしまうのも細かい状況説明がないから、ネットで「電波女の強奪」と呼ばれているのが妥当と思えてしまう。これが「ギターは出て行った父親が残したもの。反発心もあって売ろうとしたが、血は水よりも濃い。壊れかけたのを見て楽しそうに弾いていた父の姿を思い出した。その時自分は弾かないとしても大事にしてくれそうな友達に使ってもらえた方がいいと思った」なんて背景が分かれば感情移入もできるのだが。
ようするに「あらすじ」のまま進んでいるのだ。話が上滑りしているので、換言すれば都合の良いシーンを紙芝居的に並べているだけなので〜そういえば静止画が多い〜視聴者は感情移入ができない。当然、自分がバンドを始めてもアニメみたいに上達しそうな気にはならないだろう。バンド活動自体、いまのところ楽しそうに見えないし。脚本だけでもあたしが手を入れたほうがよさそうだ。やたら押しているランダムスター(ギターの名前です)もはっきり高すぎるのだ。初心者にはいいギターだよ。特に今回出した香澄モデルは。
でもそのへんを生かしたギター修得の場面はないし、そもそもあれだけの金を出すなら他の選択肢があるでしょ、って感覚はぬぐえないよね。わたしならエドワーズを買うお金でギブソンのエクスプローラーを買う。ほぼ全員がそうだろう。