7条ではなく69条による解散を

 憲法7条は天皇の国事行為について定めたものである。
 日本国憲法のアキレス腱であり、まっさきに見直す部分があるとすればここであろう。
 天皇と内閣の連絡が絶たれてしまえば、国会が開けないという非常事態になるからだ。
 天皇は尊重しないと日本の国民性に合わない、しかし天皇そのものが政治に口出しをしないようにせねば民主国家とはいえない、ということで作られた「内閣の助言と承認がなければ天皇は政治的活動ができないのよ」という苦肉の策なのであろう。

 かくして国会解散の詔は天皇が出すが、それは内閣の助言と承認によるものという中途半端な状態が出来上がった。7条で定められたのは国事行為であるから、あくまで手続きの問題。本来その助言の根拠は別に規定されるものであって実際、例えば憲法69条で規定されているのだが、なぜか拡大解釈されて首相に国会の解散権があるかのように言われている。かつ乱用されている。国事行為は別にもあるのだがそれらは拡大解釈されてないというのがすんごく恣意的に思える。たとえば大使公使の接受は内閣の助言と承認によってなされる国事行為なのだから、首相の思惑で接受をしない=国交断絶もできるはずだが、一向に合意を履行する気配のない韓国に対してこれを検討したというブラフが行われてた形跡すらない。
 気分的にやなのは「天皇に詔を出させる権利を首相が持つ」という実態であり、今回のように大した根拠がないのに「解散」なんていうと首相の恣意で天皇をたばかっているようにも思えることだ。(じっさいそうなんだけど。)

 というわけで、今回のように相手が弱っている時に解散しておくか、であれば天皇に敬意を表して7条解散を避けるように動くべきであろう。
 つまり臨時国会の冒頭で「内閣不信任案」決議を出して、採択するわけである。これで「民意を問う」という大義名分ができて憲法69条に基づいた解散ができる。首相のメンツもあるだろうから、動機は首相自らが出す。これだと解散の時の「バンザイ」の儀式にもスムーズにつながると思うがどうだろう。
 どうも煮え切らない7条解散から形式だけでも踏んだ69条解散へ、ということだ。どうせ儀式であればこうしちゃいましょうということだ。

 ところで安倍首相の奥さん、政府専用機に乗ってましたね。旦那と一緒の飛行機の方が都合がよい、というのはわかります。しかしながらファーストクラス相当の運賃を払ってないとすれば、それは「公人」という解釈でいいのではないでしょうか。

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