裁量労働制は勤務時間短縮につながる

 よく考えると当たり前のことである。

 毎週火曜日、遅くまで残業して処理しないと翌日の会議に間に合わない集計作業があった。
 最初は「まあ残業手当出るからいいや」と頑張っていた。
 が、裁量労働制になったので「残業しても金にならない」。その代わり「やることが終わったら、長時間労働しなくてもみなし残業手当くれる」ことになった。となれば次に考えることはもちろんこれになる。
「とっとと自動化して早く帰れるようにしよう。みなし残業手当分丸儲けだ!」

 150分かかった作業は30分もかからずに終わるようになった。かくして定時に帰れる。
 かつみなさんまだ会社にいるあいだに集計が終わるから「あれ?ここ変なんじゃ?」と思ったところはその日のうちに確認/修正できるようになった。

 裁量労働制を取り入れると、時短が進むのだ。安倍首相に忖度する周囲のエリートですら捻り出せなかったことであるがこれが事実である。ただし2つの要件が満たされていたことは確かである。
・自らの工夫によって効率化できる業務であった。
・早く終わるようになったのを見て「手が空いてるなら」と仕事を振ってくる人がいない。
 工場のラインに付っきりであれば、自分の努力と工夫で仕事時間を短縮することはできない。あいつ火曜日も早く帰るようになったなあと別の仕事を振ってこられては自分としては何のために時短したのかわからん。だからこの2つの要件が満たされることを裁量労働制導入の条件としよう。

 なんなら国会で証言しようか?出所不明の改竄データに頼らずとも裁量労働制の良さが説明できるよ。でも一言二言付け加えたいことはあるな。
 別の仕事を振られるのは嫌だけど、そのままというのも退屈。終わったからといって帰るわけにはいかないからね。
 だからきちんと評価して例えば社内事務の合理化検討セクションに移してくれるなら大歓迎なのだ。残念ながら「裁量労働だから合理化しよう」と思って実際に出来てしまう人間は稀だろうからね。単に仕事が楽になった後は、もっと高度なことをしたくなるものなのよ。

 私がいなくなっても心配することはない。この作業の手順書はMS-Excelにまとめているのだが、ハイブリッドマニュアルと自分で呼ぶモノになっている。「手順書を上から下に読みながら、埋め込んであるボタンをクリック」するとあらかた作業が終わるようになっている。(目でのチェックとか、メール発信は手動。)誰にでもすぐに引き継げる程度の完成度ではありますよ。(日本で最初にHTML形式のマニュアルを書いた程度のセンスはあるのだ。1992年だから本当に最初かも。)

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