国立大学にもっと高評価を!

 地方公立名門進学校にとって、最初の敵は
私立中高一貫校
だったとおもう。灘とか開成だ。
 私立だからカリキュラムに融通を効かせて、5年間で中高の教程を終え、最後の1年は受験。縛りのキツイ公立高校に勝ち目はない。
 続いてきたのが「ゆとり教育」。土日休みの公立校。土曜日もやる私立高。やはり公立高校に勝ち目はない。

 ところが、私立の中高一貫校が増えてきたところで、風向きが変わった。定員を増やしまくったせいか、さほどの学力がなくても私立に入れるようになったのである。この子達を鍛えまくって東大に入れるのも面白いが、残念ながら東大の定員は決まっている。じゃあその子達はどうするか。私立の中高の居心地の良さ(小6の偏差値で輪切りなんだから、すくなくとも学力的には似た者同士が集まっている)に馴染んで「大学も私立にゆく」と言い出すのだ。  大学進学を司る予備校・塾もそれに応える。MARCHという中堅優等生のゆく大学群作ってぐっと持ち上げる。これで「東京六大学の下の方」というくくりに3校加わって一流大学っぽい看板を背負う。これで中高一貫校の現実的な目標ができた。学校を集合で売り出してゆこうという戦術はあたったようで、日東駒専はいいとして、大東亜帝国とかそういうレベルもくくられ始め、はては「中東和平成立」。言い回しのセンスは買うが・・・というのもでてくる。(すると関関同立、という4校をグループ化した昔の関西人のセンスに光を当てねばいかんはずだが。)  ここで「(乱立した)私立中高一貫から私立大学群へ」という大都市部の流れができて中堅優等生がそっちに行ってくれると、地方公立名門校から地方国立大へ、というのが比較的行きやすくなり、まあ、駅弁大とも揶揄されるのが嫌な人もいるだろうから「医学部」。あー、わかりやすい。
 さらにコロナで都市部に一人暮らしして、というのが難しくなるとこの傾向は強まる。

 かくして地方公立名門校側に立つと「国立大学のイメージを上げる」という戦略をとるべきであろうが、共通テストに移るときのゴタゴタに象徴されるように国がそう動いてくれない。
 なぜかと考えると、なるほど首相になる人、MARCH以下が続いてます。そりゃ応援したくなるのは都市部の中堅私大だよなぁ。首相に気のまわる人がいないのも三科目でうかる私大だからではないかと、たまには思いたくなるのよ。私大でも早稲田政経くらいならそれなりの教育を受けたためか、周りに目を配るくらいのことはできてたようだが。。。内政立て直しに注力してロンドンオリンピックに行ってないしなあ、そのへんは評価しないと、と思っている。

 地方公立名門校にとっての直近の敵は「コロナが要請するリモート授業」つまり私立はいち早く対応できるが、公立はどうしたって後手になる、だと思ったが、そうでもなかったみたいね。コロナで都会に出にくい、の方が圧力として上回ってしまったみたい。

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