靴を持って走ろう

 ハルヒのモデルがいるとしたら本当にあれではないかと、真面目に疑い出した。作者との接点は考えられないわけではない。
 コンビニでひょいと取り上げた箱を開くと、必ず銀のエンゼルが輝いていたし、短距離・長距離・スウェーデンリレーのアンカーを全て兼ねて、クラスを優勝に導くのは見たわけではないが疑いもしない。サッカー日本代表は無理だが、箱根駅伝、山下りで5人抜きくらいならやりかねない。(重力に任せて重心移動だけで進み、方向は左右の空気抵抗を変えて曲がるもんだから速い速い。雪道ならホントにやるだろう。)
 さすがに全ての部に仮入部するということはなかったが、1種目だけでは飽きると、選んだ種目が陸上の五種競技。本当は十種競技がやりたかったんだが、日程の関係で大会種目になかったそうだ。というわけで外観上は理解の範疇のマトモな人間というところで大きな違いがある(内面は知らん)。顔立ちはノーコメント。ただし、それなりの格好をして「晴れ晴れユカイ」を踊れば日本全国では100人単位で悶絶する人間が現れたことだろう。(まだこちらの世界にいるとしても年齢が年齢だからどうかってところはあるけど、タネを明かせば舞踏が上手い、ということなんだが。)

 陸上をやっていた知り合いが周りにいなくて疑問が解けないので、ふと思い出した次第。どういう疑問かというと

 何故、表彰台にスキー板を持って上がるのは普通なのに、砲丸や槍を持って上がる奴がいないのだ。
 重量挙げは分かる。バーベル持って表彰台に上がるのなら、表彰台を作り変えなくてはならない。(実は作り変えなくてもなんとかなる。例えば体操団体の表彰台を流用すればよいのだ。)
 アーチェリーで矢を持たないのは分かる。シャフトは1社が独占しているから改めて宣伝の必要もない。
 水泳選手が水着で上がらないのも分かる。さすがに寒いだろうし、水着へのメーカーロゴのサイズは厳しく決められている。それ以前に場外戦が激しいので表彰台でアピールする必要もない。

 スキー選手が、板の宣伝を表彰台で行うことについてとやかくは言わない。しかし、他の競技では表彰台で用具を見せびらかさないのは何故?という疑問が解けないのだ。
 似たような例を1つだけ知っている。マラソン優勝者がオニツカ(現アシックス)の靴を両手に持ってウイニングランを行った。ものすごい顰蹙だったらしい。これに懲りて、スポンサーがアピールする場を持てないのであれば、陸上競技用品メーカーがあまりにも不憫、と、こういうことだ。
 スキー板をロゴが見えるようにしてインタビューを受け、表彰台に上がることを許すのであれば、靴を両手に持ち、インタビューを受けるくらいは許可して当然である。槍投げの槍を持って表彰台に立つ姿は、それなりにハマっていると思うがどうだろう。
 もし、これをやってメーカー側にメリットがないとすれば、それは「用具は主催者側が用意するので、誰と同じメーカーのものがほしいという消費者の要望を刺激しない」時だろう。たしかに砲丸の重量や槍の重心の位置をいちいち測るのであれば、主催者が規定どおりのものを用意したほうが面倒がないので。
 そういえばプロ野球、ボールを持って写真撮影に応じることも多いが、メーカーのロゴを見せているわけではない。あれはコミッショナーが準備するからね。バットはロゴを見せる。選手が用意するから。

 で、本当のところはどうなの?

 今頃になってやっとオリンピック代表が決まり、各選手は調整に励んでいなければならないはずの時期に「スキー・ワールドカップ」なんかが開かれ、出る選手は長野の生き残りがメイン、ウィンタースポーツ、真面目にやる気あるの?と少々ムカついたところで、「スポーツ」という観点から見て一番不真面目そうなところが気になった次第。
 が、それでもいいのなら、100年に一度の不況だ、例えば陸上競技でも商品のアピールの場を提供してやってスポンサーがお金を出しやすい状況に導いたほうがええんちゃうか?というのが今回の主張。

 言うまでもないがうちのガキは、説明の途中で飽きていた。私の考えること、実用性はないと思うが、退屈せずに済むというメリットはあるんだがなあ。まあ1日1回は私のギャグにケタケタ笑い転げているからいいか。

 ウチのガキが学校で「バカと言ったらカバと結婚するんだよ」としょーもないことを言われたらしい。真面目な父親は「なら、バカと言ったことがない人間はいないから、みんなカバと結婚して、そこらじゅうを人間とカバが一緒に歩いているはずなんだが、そういえば街中でカバなんか見たことがない。なぜだ。」とのたくった。
 娘は真面目な顔をして「そういえばよかったのか」と納得していた。自分の娘であることは間違いない。

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