弓道:引き分けのコツ

 小笠原流弓道では、弓に矢をつがえたところで、弓を上に持ち上げる。
 つがえたときの格好を「弓構え」というのだが、このときの身体の使い方を、ギターを弾くときに適用するとなかなかいいことに気がついた。
 腕の中に的をかかえるイメージ。肘は多少張っているが、肩は落ちている。右手は矢を支えているが、弦に引っ張られているだけで、肘から先は殆ど力が入っていない。左手は弓を持っているが〜バットのグリップなんかでも言うよね〜雨の日に傘を持っているイメージ。
 結構理想的な力の入り方である。そういえば弓構えはやや前傾姿勢だなあ、と思い出してギターを構えたまま若干前傾してみた。旋律が実に弾きやすい。かすかに残っていた「左手でネックを支える」という力が不要になるからだろうなあ。その分上体がやや左に傾くので、これがベストかは研究要。

 というわけで「破裏千流武道ピッキング」は更に武道的要素が強くなった。よく考えたら私は弓道有段者(高校のとき初段の免状をもらった)だった。「武道」という言葉を使う発言権がないわけではないのかもしれない。
 確かにピックを持つ右手を落として肘を外に回して二の腕の外側の筋肉で引っ張って構えると、右肩が上がらないためか腕が動きやすく弦移動が速くなる。ボディに肘が乗らないから、という要因もある。
 あ、エレキギターを弾くときは自宅練習でも立って弾くこと。座って弾いていいのは

くらいなものだと・・・常識じゃないみたいね。

 さて、前回の扉ネタはいつもにも増してわけがわからない、

破裏千流武道ピッキング、更に進化
右肩、右腕の型は弓道小笠原流が適している
大三から引き分けのとき、腕の外側で引っ張ること
押し広げようとすると肩が上がって射型が悪くなる
 と、いうものだったが、前半はこういう意味であった。

 後半も解説しておく。ひょっとして誰かの役に立つかもしれない。(今回はこれがメイン)
 弓道、小笠原流の射型は、先ほども言ったように「弓構え」から弓矢を持った両手を一度上に上げる。
 これを下ろしながら開いてゆくわけだが、このとき必ず「肩が上がらないように」と言われる。これが難しい。広げるためには力が要り、力を入れると普通は肩が上がる。上に上げた位置エネルギーを使って開けば力は要らない、というイメージみたいだが、簡単にはいかない。習うより慣れろで体得するもののようで具体的にどうするか、特に教えてもらった覚えはない。世間でも事情は同じのようだ。
 一応体得できたが、同時にどう身体を使っているかも自覚できた。あくまで僕のやり方だがそれを紹介する。
 肩で押し開こうとすれば、必ず肩に力が入り、肩は上がる。だから脇の下と二の腕の外側の筋肉でもって引っ張る。簡単なことなんだが、誰かが書いているのを見たことがないので紹介しておく。おかげで、私の右手の肘から先の形と矢の速度だけは褒められた。こう開くと、右ひじから先は矢がこぼれない程度に捻っているだけなので余分な力は必要ない(入れたくても入らない)。また肩が下がった状態が続くので矢尺も長くなる。結果矢の速度も上がる。
 こんなことでも書いておくと悩んでいる人が見つけることがあるかもしれないということで、更新ごとに変える扉ネタではあるが、保存しておく次第。

 武道ピッキングはどんどん進化しているが、当方のピッキングの基本スタイルは別にある。およそ誰が見ても褒めてくれそうもない。大げさ&段階的に説明するとこんな感じだ。

1.ピックを弦と平行にして、弦にくっつける。
2.そのままピックで弦を引っ張る。
3.頃合を見て、ピックを滑らせて弦を離す。
補足:チョーキングのときはむしろ弦からピックにぶつける。

メリットは小さい動作で擦過音ゼロのアタッキーな音が出る。
デメリットは、速く弾けない。ダウンとアップに著しい差が出る。
なによりテンポがもたつく。

 なんでこんな変な癖がついたか。最初は直そうと思ったが、どうしても直らない。実は直したくないのだ。まあ物は試し、やってみてくれたまえ。そうねえ、ビートルズのサムシングのイントロなんてどうかな。

 分かってくれたかなあ。ジョージ=ハリスンの音が出るんだよ。

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