心理学者垂涎、PTAの綱引き

 運動会。子どもたちのチームが勝った以上、親が負けては沽券に係わる。
 勝たなければならない以上、戦術も必要である。
 子どもたちの取った戦術は、5人を割いて綱が一直線になった状態をキープする、である。
 効果のほどは実証されているがみなに説明して協力を求めるには時間がかかる。
ただし綱の方向はまっすぐにした方が力はかかりやすいのは確実なので、寄せ集めメンバーでもすぐに徹底できるように言い方を変えた。
「背の低い順にした方が力がかかるよ。」

 特に訓練されてない場合、引っ張ると腰が落ち、どうしても綱の後ろが下がってしまうので、それを補正するために後ろの人ほど背が高くなるように、と考えたわけだ。
というわけで並びなおしてくれた人もいるのだが、どうも反応が悪い。
 そこで言い方を変えた
「女性が前の方が強いよ。」

 心理学者垂涎のシチュエーションが生じた。
 あっというまに広まり、逆に私が「女性が前の方が強いそうですよ」と教わることになった。
「どういう表現が噂として広まりやすいか」の実証実験になっていたわけだ。
 しかも考えられる限り最短の時間で広まった噂であろう。(なお、世の中には力の強い男性が前にいた方が力がかかるという説もあるらしい。)

 多分、追実験はこの手のものとしては容易である。東海大学くらいがやらんかね。高校の運動会でも同じようなシチュエーションがあるだろうから、付属高校の数が多い東海大が有利である。噂の伝搬をマイクで拾えるかだが音響をコンピューター解析すれば何とかなりそうだ。(モノラル録音から会場の広さを逆算できる程度には技術が進歩しているそうな。)できなければ各人にセンサーを付けてもらうことになる。こうなるとコストもそうだが、何のための調査か、を悟られれないのが大変である。体育学部に協力してもらって表向きは綱引き時の心拍などの動きを計測することにするか?

 綱引きそのものは言うまでもありませんが、勝ちました。それでも綱が下がってたんだけどね。

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