サイン盗み疑惑の「おとしまえ」

 甲子園で星陵の林監督が試合後「サイン盗みをやった」と習志野控室に怒鳴り込んだ件。
 当然高野連は「そういう事実はなかった」という結論を出すだろう。
 では林監督はどう落とし前をつけるべきであろうか。

 解雇はもちろんだが、それだけでおさまるのだろうか?
 部活動なので「威力業務妨害罪」は成立しないと思うが世が世なら「切腹」ものだと思う。前田藩100万石の名誉はその程度で償われるものではないと思うが。

 大会が続いているのにこの人マスコミに訴えつづけていたことから考えて、「厳重注意」したはずの星陵高校も制御できなかった、ということで学校としても責任を取らねばなるまい。(即座に解任すべきであったし、少なくとも「謹慎」にしておけばマスコミが押し掛けることもなかった。)
 ではどうするか、こういう時は生徒を最優先というのが受けが良い。
 正直、こんな監督のもとで野球をやってきて嫌なこともたくさんやったと思うし、そもそも恥ずかしいだろう。だから特例を認めよう。
「野球部員の自主的転校を許可。その際に発生する費用は星陵高校が負担する。」
「転校先でも野球部の公式戦への出場を許可する。」
けっして無理なことを言っているわけではないと思う。大丈夫、費用はせいぜい引っ越し費用で済む。星陵のレギュラーとなれば特待生として取ってくれるだろうからね。

 ついでに言うと習志野高校、おかげでマスコミの風当たりが強すぎた。
 最初こそ「美爆音」と持ち上げられた演奏であるが、近所から苦情が来たということで音量制限。更にはバスドラを落としたとかで演奏者制限。
 生徒の正当な活動を部分的ながら制限しておいて、一方では過度な人数集めをほめたたえている。
 吹奏楽部が4人しかいないので、系列の大学生が助太刀するというのはまだよい。
 問題は東邦である。当初は吹奏楽部が海外遠征ということで吹奏楽の応援ができない。いろいろ声をかけて大阪桐蔭が友情応援。ここまでならば美談である。しかし本来の吹奏楽部が戻ってきたら大阪桐蔭は助力を見合わせる、が筋ではなかろうか。
 誰も指摘しなかったせいで大阪桐蔭は東邦応援団に居座り続け、決勝戦では東邦が28人+大阪桐蔭120人=148人(除くOB、系列大学)。一方、習志野高校は卒業生が抜けて130人程度(始めからスーザフォンは夏の大会より少ない)。これって明らかにおかしくない?

 さすがにマスコミも叩きすぎた、これでは林監督に乗って扇動しているだけだと気が付いたようで、フォローを始めた。
 「美爆音」習志野高吹奏楽部のDVDが人気が毎日新聞。ふるさと納税の返戻品としてDVDがあるところを書くなど、気配りが行き届いている。
 習志野「美爆音」に花を添えるバトン部 伝統のタンバリンを使った応援も披露 選抜高校野球一糸乱れぬバトン部のチアリーディングに触れるところなど視野の広さを感じる。その場のノリで扇動しちゃった記者の良心が本来の取材魂を呼び起こしたのかもしれない。

 吹奏楽の習志野サウンド、他が廃れたので(顧問が定年を迎えて危機にある)高校にはガンバってほしいのよ。自分の子供や教え子が吹奏楽を始めたら習志野高校のスタンドに連れて行くといい。一緒に応援するとその子、吹奏楽上手くなるよ。迷いと不安がなくなるからね。楽器からどんな音を出したらいいか体に染みつく。
 小学生ならなおよい。「おー」と腕を挙げて応援しているうちにすっかり自分も一緒に演奏した気になって帰ってくる。その日から一気に上達するよ。どんな音を出したらよいのか体が覚えている。そしてその音を出せると確信している。だって一緒に演奏したんだもん。

 習志野サウンドの一角、崩れる前2009年のこれ。空前絶後の「宝島」。「若いころは七つの海を」と楽しげに話すおじいさんの前で目をキラキラさせている子どもたちに聞こえるでしょ。人類は二度とこれほどの演奏をすることはできまい。子どもの数が減っているからこれだけの名手がそろうことはもうない。もし集められたとしてもイントロのパーカスを叩いた天才がそこにいる可能性はあるまい。どうして小学生がこんなノスタルジックなリズムを叩くことができるんだ。

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