東京オリンピックのマラソンを札幌でだって！？ 何を今更、冗談じゃない。スポーツネタ、目次へ問題点は以前からさんざん指摘されているじゃないか。それを無視していたＩＯＣ委員なのだから、今までの態度を正当化するために、みずから東京のコースを走って「問題ない」アピールをするくらいでちょうどいい。
まだ私が昔から提唱している「マラソンは冬のオリンピックで。だって今や冬の競技じゃない。まずはマラソン団体戦をとりいれて抵抗感をなくす。これで開会式と閉会式しか使われないメインスタジアムが有効活用できる」の案を検討する方が先だろう。地球温暖化で、かつテレビ局の意向で開催が８月固定となれば、北半球どこ行ったって暑いんだ。だからこの問題は東京に限らず、今後継続的に起り得る。ドーハの世界陸上で選手が高温多湿に音を上げたのを見て何かしらやんないと、と焦るのは分かるが、ＩＯＣだって何度も東京に招待されて問題なしと判断できたから東京に決めたんだろう。
ドーハの方は砂漠の中だから夜中になれば気温は下がるし、乾燥しているから過ごしやすいと私自身思い込んでいた。しかしそんな私だって視察させてくれればすぐに状況は理解できた自信がある。冬季オリンピックが行われた札幌だってその時期は暑いのだぞ。分かってますか？行ったことがあって提案したのですか？
マラソンというのは命を懸けた競技だから、過酷なのは百も承知。マラソンランナー第一号、マラトンの無名兵士は「我勝てり」と告げて絶命したのだ。ある程度のダメージは覚悟していなければならない。しかしその前提を措いたとしても選手のことを考えると何らかの対策は必要である。だからこそ東京都も時間と費用をかけて案を練り、実行に移してきたわけだ。
今まで何も言わなかったＩＯＣにいきなりそれらを無駄にするような提案をされるのはたとえ筋が通っていたとしても「不快」である。しかしまあＩＯＣが今まで準備してきた東京都その他に十分な補償をする程度の覚悟があるならわからんでもない。でもＩＯＣ、発言力はあるからなあ。そこでこの思い付きを廃案にするために、従来実施されている以上の対策案を私も作ってみた。
もちろん第一は「距離を縮める」である。マラトンの無名兵士に敬意を表してマラトン〜アテネ間の３８キロに戻すのだ。（42.195kmはロンドンオリンピックで王女様がわがまま言って伸ばしたため決まった距離。）
もう一つは「トンネルで実施」である。直射日光は当たらない、地下だから気温は低い、空調だって働いている、警備も容易だから今からでも準備ができそうだ、というのが根拠。まず浮かぶのは「青函トンネル」であるが、東京から離れすぎているのが大問題。それに長すぎる（53km）。やはりスタートとゴールは地上でないと盛り上がらるまい。
列車のレールをどうするか、という疑問が浮かぶかもしれないが、導坑を走れば済むことだ。狭いから給水テーブルが置きにくい、、、かなあ。まあスタートとゴールを地上におけないことはないが、するとゴール直前に「階段を上る」という論外な心臓破りがあるので、さすがに無理だろう。東京近辺のトンネルというと、最初に思いつくのは日本最長、首都高速中央環状線の山手トンネル。全長18.2キロだから折り返し点をトンネル中に設ければその倍は使える。滅多に首都高速には乗らないので勘違いがあるかもしれないがこれを通るコースを考えてみた。スタートはもちろん国立競技場。ここから外苑入口を使って首都高速に入る。明治神宮の北を通って西新宿ジャンクションに。ここまでが３キロ弱。そこからトンネルに入る。高松と大井ジャンクションのトンネル両端で折り返すと合計36.4キロ。同じコースを通って国立競技場に戻ってトラックをおよそ３／４周すると丁度42.195キロになる。国立競技場のトラック勝負を長くして、トンネル区間から差し引けば、トンネル両端の坂を選手が走る必要がなくなる。もちろん道幅は十分なので給水は余裕で可能。
それでも折り返し点のうちの一つは、外から見えるように高松の先の地上部分に設けてもいいかな？（大井はアップダウンがありすぎる。）
高速道路をコースに使うというのはロサンゼルスオリンピック以来の伝統がある。たしかに沿道で旗を振る楽しみを取り上げてしまったかもしれない。でも札幌でやるより何倍もよくないですか？交通規制の事前調整が比較的楽な高速道路だけを通るとなんたる偶然、42.195キロ。東京は神に愛されていた。えー、っと驚くくらい理想的な案が出来上がった。もちろんアレンジして、例えば都庁前を通るようにして距離を伸ばせば競歩50kmにも使える。必要な費用はＩＯＣに請求するのが筋だが、私もトンネル内にタテカンじゃなかった広告出して協力してもいい。沿道の看板なら公式スポンサーかどうかなんて関係ないだろ。
ホントは品川駅からリニアモーターカー用に建設中の第一首都圏トンネルの中で折返ししてほしかったのだが、ちょっと難しいかな。