防犯用カラーボールで投擲練習

 銀行やコンビニには、強盗犯に逃げられても追跡が用意になるようにと、塗料を積めたカラーボールというのが用意されている。
 でもあれ、どうやって投げるのが正解なのだろう。

 防犯会社のホームページの写真では「オーバーハンドスロー」で投げるのが前提みたいだ。でも、コンビニのバイト、投げる練習をしているのだろうか?手近にバイト経験者がいたので尋ねてみた。もちろんないよね。
 つまりそれまで握ったこともない、重さもよくわからないものを、襲われて気が動転した状態でいきなり投げて、命中とは言わないまでも、塗料が犯人に掛かる程度の近傍に着弾することが期待されているわけだ。あらためて考えると不自然である。
 しかも中身液体だろ。重いうえに慣性の法則ってのがあるぞ。かなり難易度は高そうだ。

 犯人の闘争に対して、多少なりとも余裕がある場合。野球なりソフトボールなりの経験者がいればその人が投げることになり、確かに命中率は上がりそうだが、硬式野球の投手経験などがあれば、投げる瞬間に握力でボールが潰れる恐れがある。

 というわけで投擲練習が必要だ!というのが今回の主張。
 投げる際のフォームだが、野球で言う「バックトス」が適当なんじゃないかと思っていたりする。というのは射程こそ短いが2つ大きなメリットがあるからだ。
 一つは、投擲動作中に自分の手が視界に入る時間が長いのでコントロールがつけやすいこと。もう一つは、ボールを持ってから投げるまでの時間が短いこと。
(ちなみにオーバースローはボールを放つまで、ボールそのものは視界に入らないのが普通である。そのためコントロールをつけるには訓練がいる。)
 さきほど「投手経験」と言ったが、投手は「速い」球を投げるのが優先され、そのウェイトは外野手でも高そうだ。一方内野手は捕ってから投げるまでの時間を短くすることも大事になる。4−6−3のダブルプレーで見られることが多いように、バックトスはこの時間を短くできるのだ。犯人にボールをぶつける際、まさか大きく振りかぶる人はおるまいが、勢いをつけるためにバックスイングをとるよりも、素早く投げたほうが有効な場合が多いのではなかろうか。

 というわけで、耐用年数(3年)過ぎたカラーボールを集めて、いろいろ実験したくなってきた。地元のテレビ局に取材に来てもらえると嬉しいかも。「防犯に力を入れています」というアピールにもなって抑止力も期待できるだろうから。
(あとで洗うのが大変だなあ、練習のときには周りに紙を敷き詰める必要がある。ケチな私は廃物利用を考える。アマゾンの倉庫なんて廃棄待ちの梱包用資材がいかにも積んでありそう。もらってくることができれば安上がりだ。)

スポーツネタ、目次
ホーム