俺がこうして、トイレで精神を統一するのはそう珍しくは無い。
トイレが空くのを待ってる予約客がいるのも、日常茶飯事だ。
だが今は精神を無にする・・・。無だ・・・無・・・。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私がこうやって、トイレが空くのを待つのはそう珍しく無い。
トイレの中で男が精神統一をしてるのは日常茶飯事で、
私はただ、それを根気よく待つだけ・・・
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
じゃーーーーーーーごごごごご（効果音）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
トイレを出ると、俺の前に、黒い猫がいた。
ぎらぎらした小生意気な目がこっちを見ている・・・。
『なんだよ。』
おれが足で軽く猫を蹴ると・・・
『何すんのよ！いきなり！』
・・・・と怒鳴りつけてきた。そして・・・
ばっしゃああああああ！！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
トイレから出て来たこの黒い猫は、
間の抜けた顔でこっちを睨んでる。
私に気付くと『なんだよ。』と言って私に蹴りを入れて来た。
なんで黒い猫がトイレの中からでてくんのよ！
『何すんのよ！いきなり！』
寝ぼけづらに手にもっていたコップの水をぶっかけてやった！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
その黒猫は俺の顔に思いっきり、つばをはきやがった！
『きさまあ！』
腹たった俺はトイレットペーパーを掴むとその黒猫に
投げ付けてやった！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
水をかぶった黒猫は、私にトイレットペーパーを
なげてきた！
『なにすんのよっ！』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
その猫は腹たったらしく、俺に襲い掛かってきた！
『なにしやがる！』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ぼかぼかんぼかぼかぼかぼかぼ！！！！！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
・・・・・・っんあ！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
・・・・・・っへえ！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
黒猫に最後決めの一発を食らうと、俺はトイレの中で
目をさました・・・。
心を無にした瞬間。俺は夢をみたらしい。
・・・・・・出るか・・・。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
黒猫に最後の決めの一発を放つと、私はトイレの前で
目をさました・・・。
根気よく待ってる内に寝てしまったようで・・・。
・・・・・・トイレ空いてるかしら・・・。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
がーー（ドアの空く音）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
お。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
あ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ギラギラした小生意気な目がこっちをみてる・・・。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
間の抜けた顔がこっちを睨んでる・・・。
『ちょっと。蹴らないでよ。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『そっちこそ、水かけてくんなよ。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ぷっ・・・
あ〜はっはっはっはっ！！（二人）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
どうやら、俺はこの跳ねっ返りと同じ夢を見たらしい！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
どうやら、私はこの男と同じ夢をみてしまったみたい！
『あ、おい。あれ』
男が突き当たりを指差す。
『何？』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『あっ！』
女がそれに気付いて目を丸くする。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『おい、二人とも。なにやってやがんだ。早く起きろ、飯だぞ！』
でっかい黒猫がそこにつったっていた・・・。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『これも夢か？』
俺が女に聞いてみた。
『そうじゃないの？ま、起きたらまた逢いましょう。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『・・・・・・んあ！』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『・・・・・・へえ！』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
俺はトイレの中で目をさました・・・。
さて、出るか。外で小生意気な目をして待ってるやつがいる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私はトイレの前で目をさました・・・。
さあ。そろそろ。寝ぼけづらが出て来る頃・・・．
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
がー（効果音）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『よ。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『はあい。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
突き当たりでジェットが『飯だあ』と叫んでる。
『・・・ふう、いくか』
『・・・ええ。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私達がリビングに向かう途中・・・
『きいいいいいいいいいいいいいいいいいん！』
二足で走り回る黒い猫が・・・。
『ねえ。』
『・・・・ああ』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『・・・・・・んあっ！』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『・・・・・・へえっ！』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
おれはトイレの中で目をさます・・・。
さっさとでるか。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私はトイレの前で目をさます。
はやく出て来なさい！
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
がーーー（効果音）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『よお。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『はあい・・・』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
突き当たりでジェットが『飯だあ』と叫んでる。
『・・・おれ、いいや・・・寝る・・・』
『・・・私も・・・寝るわ。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
二人が俺の食事を断った・・・明日は雪に違いねえ。
俺がリビングに戻ると、黒い猫がソファを占領している。
『そうそう、アイツラにお前を紹介しなきゃなあ！！火星の野良猫さんよ！』
『にゃ〜〜〜〜〜〜〜〜』
作/Gren