「さ、みんな集まったことだしそれでは始めますか、まず僕から自己紹介、ビバップ号で飼われているアインです。」
「ヘビーメタルクイーンことVTのペットのゼロスだ。」
「ビシャス様のしもべだ。」
「・・・あのさ、名前はなんて言うの?」
「名前はない。」
「じゃこっちで勝手に決めるよ、単純にとり君でいいね。」
「勝手にしろ!」
「じゃあ次。」
「拙者はムサシ様の愛馬、次郎丸でござる。」
アインは、みんな飼い主に影響されているなと思った。
「それでは、みんな飼い主についてどう思ってるの?」
「VTにはじめ飼われた当初はあのヘビーメタルがうるさくてしょうがなかったが、今では、慣れて子守歌代わりだ。」
「ビシャス様が進む道こそ絶対だ!」
「ムサシ様は現代に残る唯一の武士でござる。そういうアイン殿こそビバップ号の誰が飼い主でござる?」
「僕の飼い主はジェットさんだよ。」
「ジェット?あー あのひげ面の人か。俺はてっきりぼさぼさ頭のやつかと思っていたが。」
「拙者もそう思っていたでござる。」
「ぼさぼさ頭?スパイクのこと?あの人はだめだよ。確かに拾ってきたのは彼だけど、僕のことを食べるとかいってるんだもん。」
「そうか俺は結構好きだけどな。」
「拙者もムサシ様の元ライバルとして尊敬しているでござるよ。」
「僕だって最初から嫌いだった訳じゃないよ。でも、ビバップ号でずーっと生活していて、遊んでくれるのはエドだし、もやしとかだけど食事を与えてくれるのはジェットさん。だから、僕と彼とはいつも喧嘩してばっかりさ。」
「ぼさぼさ頭とは仲が悪いということはわかったけど・・・。それよりおまえの食事はドッグフードや肉を食べないのか?」
「そーだよ。賞金首を捕まえた当日とかは肉だけど。他の日はだいたいもやしとかだよ。それにジェットさんは言ってたよ、もやしは体にいいって。」
「でもおまえは肉の方が好きだろ?」
「それはそうだけど。そういうゼロス君の食事はなに?」
「VTの名前をぼさぼさ頭に当てられたろう、だけどその金を受け取らずに行ったから、その金を使って毎日高価なキャットフードを食わせてもらってるぜ。」
「へーいいなー。じゃ次郎丸君はどういう食事なの?」
「ムサシ様特製ニンジンでござる。」
「・・・? それはふつうのニンジンとどう違うの?」
「農薬を使ってないことでござる。味も良くてほっぺたが落ちそうでござるよ。」
「そうなんだ。とり君は?」
「ビシャス様が斬殺した人間の肉。」
「・・・・・・・・・・。」
「へ、へぇー飼い主それぞれの個性があっていいね。」
アインは苦し紛れのうそをついた。しかし場の空気が悪くなったことには変わりはないので、
「じゃ今回はこれで終わりということで。結局今回は僕のグチで終わったけど、今度はもっと話そうね。」
アインが行った後すぐにとり君が飛んで帰ってしまった。
「ムサシ様今帰るでござるよ。」
と言うと、次郎丸君も猛スピードで帰っていった。
「じゃ俺達も帰るか。」
「そうだね帰ろうか。でも結局グチを言っても帰るところはひとつなんだよね。」
「ま、そういうことだ。じゃーまたな。」
「じゃーね。」
そーいって、ペットはおのおのの飼い主の場所に戻っていった。
作/水那