NEVER ENDING STORY

 エドがビバップ号を出てきてからどれくらいの時がたったのだろう。
だが、まわりがクリスマスを近くにして騒いでいるので、
今が12月ということだけはわかる。
 
 ビバップ号のみんなのことを考えたこともあったが、
どこのコンピュータをハッキングしてもビバップ号が活躍した情報がない。
わかるのは、ビバップ号の入船記録のみだった。
その情報によるとビバップ号が今いるのはちょうど地球だった。
情報のことも知りたくなったし、久しぶりにビバップ号のみんなに
逢いたくなったのでエドはアインと一緒に少しだけビバップ号に
戻ってみることにした。

 エドは運河の上に止めてあるビバップ号を見つけると、
ビバップ号にいた時と同じようにして乗り込んだ。
 ビバップ号の中はエドがいたときとは違って何となく暗い感じがした。
だがそんなことはあまり気にせず早速みんながいるだろうと思い
リビングに向かった。エドとアインは一緒にリビングに入ったが
そこにいるのは、フェイとジェットの二人だけでスパイクの姿が見えなかった。
フェイとジェットは入ってきたエドとアインに気づいたが
とくに何の言葉もかけなかった。
そんな二人にエドは、「スパイクはどこ?」と問いかけた。
帰ってきた言葉は「火星のどこかを旅して迷っているんじゃないか」
という答えだった。
エドはジェットの返した言葉を直感的にウソだと感じ、
「じゃあどうして地球にいるの?ソードフィッシュじゃ大気圏突破は不可能だから、
火星に向かわなきゃスパイクは帰ってこないじゃない。」
とジェットに追求したら、「それはだなー」の後から言葉か続かなくなってしまった。
それを見ていたフェイは真剣な顔で、「いずれわかるんだから。」とジェットに言い
エドがビバップ号を降りてからの事を話し始めた。
ジュリアやグレンの事、そしてレッドドラゴン本部に行ったまま
帰ってこないスパイクのこと。
そして、この地球にきた理由は、フェイがビバップ号を降りるために
来たということを聞いた。
そんな二人にエドは、「火星につれて行って」と言ってきた。
二人は行っても意味がないというが、
エドは信じたくなかった、スパイクが死んだことを。
結局二人は、エドの思いに負け火星に向かうことにした。

 地球から火星まで約13〜24時間、ビバップ号が火星についたときには
雪が降っていた。

 さっそく火星についてビバップ号はいろいろなところを飛びながら、
エドはレッドドラゴンのコンピュータにハッキングをして、スパイクが向かった
あの日のことについて何か情報がないか、調べてみることにした。
だが、レッドドラゴンのホストコンピュータの場所をなかなか
見つけることができない。そのままかなりの時間がたった。
そのとき、ジェットが窓の近くにくるように行った。
その窓から見えるのは、レッドドラゴン本部のビルだった。
ビルの窓は、ほとんど割れており、中には誰もいる様子がない。
おそらくスパイクが向かったあの日のまま残っているのだろう。
ジェットは「スパイクがここに来たのは確かだが、ここからの情報が
レッドドラゴンの情報操作でわからなくなっている。その後、主要幹部を失った、
レッドドラゴンは解散したんだ。それに、俺も別にあいつが死んだということを
信じているわけじゃないでも情報がないんだ」ということをエドに言った。
その言葉を聞きエドは涙が出そうになった。

 いつでもこのビバップ号に向かえばフェイ、ジェット、そしてスパイクの
3人がいて、みんなで賞金を稼いで、それでもお金がなくて、それでも明るくて、
すごく楽しい、ビバップ号はずっとこのまま続いていくモノだとエドは心のどこかで
勝手に決めつけていた。
 それでも時が経てば変わっていくということはわかっていたのに・・・。

エドは感情が高まり大きな声で泣こうと決め、上を向いたとき
エドの目に懐かしいものが見えた。
空から降る真っ白な雪の中に赤い機体がふらふらと飛んでいた。
 エドは、スパイクだ!と叫び甲板に向かった。
 ジェットは、窓際でたばこを口にくわえ笑っていた。
 フェイは、目から涙をこぼし口に両手をあてがえていた。
 アインは、エドについていった。

エドは、もしこれが夢だったらジェットとフェイ、わかるかどうかわから
ないけどアインにも教えてやろうと。

そんなことを思いながらも甲板に向かうエドは走る速さを上げた。
早くスパイクに逢いたい・・・

冒険はまだ終わらない

  HAPPY HAPPY X'mas...


作/水那

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