その夜は三人ともリビングで過ごすことになった。
エドもさすがにこたえているらしく、ただ床に座って、何も映っていないモニタをぼんやり眺めていた。
重たい沈黙が続く。
「俺の船でいったい何が起きているんだ。」
ジェットは我慢しきれず、テーブルに拳をたたきつけた。
「フェイといぬっころが死んだ。」
スパイクはどこか冷たく言い放った。
「外部から誰かが進入した形跡はない・・・と思う。」
吐き出すようにジェットが呟いた。
また重たい沈黙が訪れた。
「エド、どこに行くんだ。」
突然立ち上がったエドの腕をジェットは引っ張った。
「エド、トイレ。」
「あぁ。」
ジェットは腕を放した。エドはふらふらとリビングを出て行った。
10分・・・20分・・・。いくらまってもエドは戻ってこなかった。
スパイクがゆっくり立ち上がった。
「遅すぎる・・・。」
「おい、待て。俺も行く。」
二人はそろって、トイレのほうへ向かった。
トイレの前まできて、二人は愕然とした。
トイレの前には血まみれになったエドが倒れていた。
肩からばっさりと切られている。
ジェットはエドを抱き起こしてみたが、時すでに遅しといった表情で抱き上げ、リビングに運んだ。
「これで、一つはっきりしたことがある。」
ジェットはスパイクをじっと見た。
「外部から誰かが入り込んで、フェイとアイン、そして、エドを殺した。ということだ。」
スパイクは答えなかった。
ジェットは銃を取り出し、残弾を確かめ安全装置をはずした。
「俺は今から見回りに行く。おまえは一人にしてもそう簡単にはくたばったりしないだろうからな。」
「どうだかな・・・。」
ひどくあいまいな返事をして、スパイクはソファに腰をおろした。
つづく
作/猫宮