動物専門の泥棒であるハキムの髪形には、理由があった。 彼は、顔の整形はよくしたが、髪形はある時から一度も変えていないのだった。その時というのも、太陽系でも希少な鳥を保護して欲しい、と、あるテロ集団から依頼された時の事である。 いつものように手際よく捕まえたのだが、いつものように逃がしてしまった…のもつかの間、その鳥はアフロヘアーの上にちょこんと止まったのである…。 ハキムはその出来事を監獄のなかで思い出し表情も変えず心のなかで笑っていたとさ。
作/りゅういち