Last update:2006/01/06 / CardDeluxeを聞いてみる

[TopPage] [FMTOWNS] [Hardware] [Freesoft] [怪飲料] [CHAT兼掲示板] [LINK・etc] [About]

■ オーディオカードを使ってみる (DigitalAudioLab CardDeluxe編) ■

 以前、ECHOのオーディオカードを試しに使ってみて興味を持ったのと、うまいタイミングで安く中古で売っていたので、試してみました。

CardDeluxe
 ■ 外見 ■
 ■ 導入とドライバ ■
 ■ 使用感と音質 ■
 ■ WDMドライバ使ってみました ■
 ■ 現在の使用環境 ■
 ■ 総括 ■


(2006/01/06) IEで正しく見れないのを修正.
(2005/12/15) 全体を整理しました.
(2004/07/26) Athlon+VIA KT600チップセットで動作成功.
(2004/03/07) WDMドライバRC版を試してみました.
(2003/08/13) 使ってみました.

■ [CardDeluxe] 外見 ■

 今回試してみたのは、Digital Audio Labs社の CardDeluxe という、24bit/96KHz に対応したオーディオカードです。詳細はこちら→Digital Audio Labs。最近は24bit/96KHzに対応したサウンドカードも多いですが、このカードの特筆すべきは、カタログスペック上は S/N 114dB, Dynamic Range 114dB であることです。聞いてみるまでなんとも言えませんが。



 入出力構成は、Balanced のアナログIN 2ch、アナログOUT 2ch、およびデジタルIN/OUTという、オーディオカードにはありがちな構成となっています。アナログの音の性格付けへの影響が大きいDACにはAKM製 AK4393VFを使用しているようです。あと、メインコントローラにはXILINXのFPGAであるSPARTANが使われています。

 個人的に、ぱっと見て目を引いたのがOPAMPです。私が今まで見たことのあるオーディオカードだと、大抵JRCのOPAMPが乗っていたのですが、Analog Devices製のOP275が載っています。OP275は2回路のOP-AMPで8個 載っているのですが(計16回路)、どのように使っているのか気になるところです。また、よく見るとBurr-BrownのOPA2134が一つだけ乗っています。ADCに近いのでアナログ入力周りにでも使っているのでしょうか。

 他に、デジタルI/F系には定番のCirrusLogic製 CS8414(96KHz対応デジタルオーディオレシーバ)、CS8404(同じく96KHz対応デジタルオーディオトランスミッタ)、A/D変換にはCS5396(96KHz対応A/Dコンバータ)が使われています。

 また、オシレータは49.152MHzと45.1548MHzの2つがあり、MMD製のMB050Hが使われていました。このMMDという会社、検索しても国内サイトが全然見当たらないのですが、どうやらここのサイトのアメリカのベンチャー企業みたいです。それぞれ49152KHz÷96KHz=512、45154.8÷44.1KHz≒1024なので、それぞれのサンプリング周波数ごとに別個のオシレータを使っているっぽいです。

 あと、使用されている電解コンデンサはほとんど松下製でした。型番が分からないので素性までは不明ですが、他に松下製電解コンデンサを使用しているオーディオカードを見たことがないので、気になる点ではあります。


■ [CardDeluxe] 導入とドライバ -driver and installation- ■

 ドライバのインストールには全く手間取りませんが、環境によっては挿してからまともに動くまでが大変です(私の環境が、PCIが埋まりつつあり自由度が低いせいもありますが)。少なくとも、挿すPCIスロットには影響を受けそうです。下の画像ではechoのGINA20と一緒に認識されていますが、結局うまく動かなかったため、別のマシンに挿しました。




 echoやRMEのオーディオカードと違って、ASIOドライバは別途インストールが必要です。最初、気づかずにいてASIOデバイスとして認識されず、困りました。

 設定パネルを起動時に常駐してくれるのは良いのですが、その際に一瞬スプラッシュウィンドウを開いてくれるのが、邪魔といえば邪魔です。設定パネルはタスクトレイに常駐するのですが、スタートメニューには登録してくれないので、一度終了してしまうとexeファイルを探して実行しなければならず、少し不便です(自分でスタートメニューに入れればよいのですが)。


■ [CardDeluxe] 使用感と音質  ■

 最初に書くのもアレですが、Microsoft MediaPlayer (6.4) だと、再生前にドライバの初期化に手間取るようで、発音開始までに数秒かかるようです。その間、プチプチとノイズが入るので、実用になりません。また、ボリュームの制御ができないのが困りものです。CardDeluxeの設定パネル上はあるのですが、何故かグレー表示で変更できませんでした。Windowsのボリュームコントロールにはデバイスとして表示されません。外部にアンプやミキサーが欲しいところです。
(注:現在のドライバでは直っています)

 試した環境は、Pentium!!!-500MHz + ASUS P3B-F (i440BX) + Windows2000 という非常に固めの組み合わせです。



とりあえず、Lilith Alpha版 (Ver.0.991 alpha 10.1) で聞いてみました。



 ASIO (Project9k) → ASIO CardDeluxe Driverを選択しています。
 (上の画像では RME DIGI96シリーズも見えてますが、ボードは既に抜いていて、レジストリに名残で残っているものです)

 音を聞いた感想としては、厚みがあって密度の濃い、それでいて不自然でなく、聞き苦しさを感じない音作りだと思います。また、さまざまな音が明瞭に聞こえるにも関わらず、特定の音域を無理に強調した感じがしないのです。わずかな残響音なども聞き取りやすいです。個人的には金管楽器や弦楽器系などが特に良いと思いました。

 んー、音を言葉で表すのは難しい(苦笑)。良いには違いないのですが・・・。

 なお、ノイズに関しては以前使ったechoのGINA20と比べてそれほど大きな差異は感じませんでした。どちらもノイズ感はありません。


■ [CardDeluxe] WDMドライバ使ってみました ■

2004/02/24に、 WDM Audio Driver (5.10.3507 - RC2)がアップされていたので試してみました(情報Thx 赤い水星卿)。



 さて、どうなるか・・・。



 デバイスマネージャのプロパティに、若干の変化が見られます。

 目立つところですと、旧ドライバでMediaPlayer6.4使用時に発音するまで結構時間がかかっていましたが、これが無くなりました。 多少、初回の再生開始時にプチノイズが入りましたが、それ以降はすんなり再生してくれます。 普通のサウンドカードと変わりません。

 DirectXを使用するようなゲームでも、ちょっと試した範囲ではCardDeluxe + WDMドライバで、無事動作しました。 (こんなのとか)

 ここからが特徴ですが、複数ストリームの同時再生に対応しています。 MediaPlayerを複数同時起動してもちゃんとオーディオは鳴りますし、他のアプリでも特殊な制御をしているものでなければ概ね良さそうです。 リアルタイム発音系+発音連発系(ガンシューティング) も試してみましたが、遜色ありません。

 あと、Windowsの標準ボリュームコントロールから一通りのボリューム設定ができます(前はどうだったか確認してないので、前からそうだったのかもしれません)。とりあえず良い点です。 ただし、Analog Outputのレベルをここで変更しようとすると、私の環境ではプチノイズが乗っていました。RC版だからでしょうか、仕様なのかは分かりません。外部でボリューム調節する人は問題ないでしょう。



 さらに、なんと、スタンバイが効きます。スタンバイから復帰させても正常に音が鳴りました(on ASUS P3B-F)。 びっくりです。これはありがたい。その気になればTVキャプチャのタイマー録画にも使えるかもしれません。

 ただし、やはり音質はASIOで鳴らしたほうが良いように感じます。WDMとASIOの仕組みの違いというよりは、プレイヤーの作りによる種類による可能性はありますので、ソフトによって変わりそうです。

 まだ各アプリ毎の初回発音開始時にちょっとプチノイズが載ったりしますが、従来に比べて可用性が大幅にアップしています。 前よりもお勧め度がアップしたといえるのではないかと思われます。これなら通常のサウンドカードと2枚挿ししなくても、普通に使えそうな気がします。


■ [CardDeluxe] 現在の使用環境 ■

 以下のような環境です。

M/BGIGABYTE GA-7VT600-L
ChipsetVIA KT600
CPUAMD AthlonXP2500+ (Barton)
PCIDigitalAutioLab. CardDeluxe
VGAPowercolor RADEON9000 64MB AGP

 この世で生きとし生ける全てのオーディオユーザの疫病神(そこまで言うか!)、VIAチップセットのマザーです。
というのも、この手のボードを使用する場合インテルチップセットが常識中の常識中であり、VIAのVの字でも発しようものなら即刻ハリツケでもされそうなくらい忌み嫌われてきた構成す。

 しかしここ最近、KT400あたりからはVIAチップセットも意外に安定してきたと言う話も聞きますので、とりあえず試してみようと思ったわけです。

 結果は大成功、最新ドライバとの組み合わせで鉄のごとく安定して動作しています。GINA+P6DGEよりも安定している気がするくらいです。
人に薦められるかどうかを判断するには、もう1クラス上の勇気を必要としますが、とりあえず問題なく動くと言うことで、足跡を残しておきます。

あ、直接関係ないですが、VIAのUSB2.0のほうは素晴らしくダメでした。USB-HDDとかは問題ないですが、USBキーボード(鍵盤のほう)は挿すだけでリブートします。やっぱりVIAはこうでなくっちゃ(苦笑)。


■ [CardDeluxe] 総括 ■

 今となってはスペック上は多少古いようには見えますが、実際に使ってみると独特の厚みのある音が魅力的なカードだと思います。最近のドライバではオーディオカード特有のクセも少なくなり使い勝手が良くなっていますので、リスニングはもちろん、それ以外にも使えそうです。少なくとも自分にとっては手元に置いておきたいオーディオカードです。


※本カードの導入にあたり、赤い水星卿より助言頂きました。どうもありがとうございます m(_ _)m



もどる