こちら花小金井3丁目  Last update:2002/10/24
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■ Pixela PIX-MPTV/P1W rev.B Review ■


■□■□■ Pixela PIX-MPTV/P1W rev.B Review ■□■□■


 ひさびさに更新してみました。今は安心して予約録画を任せています。使用時間が長い分、書くことが増えたので、別ページにしてみました。

 なお、ボード自体の写真はありません。もう完全に安定してるので、外したくないので(^_^;


■ おおまかな長所と短所 ■


長所
・安定したハードウェアと日本仕様ステレオ対応チューナ。
・機能はそれなりで操作性も悪くはない録画ソフトウェア。
・iEPG対応の予約録画ソフト。
・一応編集ソフト付き。機能は多い。
・Win98〜XPまでしっかり対応。ハード・ソフト共に自社開発。
・機能や性能の割に、値段は安い。
・画質はけっこう悪くない。DNR付き。
・DVD-RAM等への書き出し対応の管理ソフトウェア付き。
・GOP設定が一部可変。

短所
・一部のソースで明るい画面が苦手で、発色が気になるかも。
・FANが付いているので音が気になるかも。
・チューナの質は値段相応で、電波が弱い地域だと辛いかも。。
コードはソフトウェアコードなので多少重い。
  (↑ボケして、前にエンコードと書き間違えました(^_^;)
・映像・音声の出力端子が無い(私は気になりませんが)。
・MPEG1/MPEG2とも低ビットレート圧縮はあまりうまくない(とくにMPEG1)。
・他メーカより取扱店が少ない。


■ カードの仕様と基礎知識 ■


 Pixela PIX-MPTV/P1W rev.B はPCI接続のTVチューナ付MPEG2ハードウェアエンコーダカードの改訂版です。TVチューナ付MPEG2ハードウェアエンコーダの中ではかなり低価格のものです。

 販売元はPixelaで、ボードの設計からドライバ・関連ソフトまで自社製という、気合の入ったメーカです。Windows98/98SE/Me/2000/XPにきちんと対応しています。iEPGによるネットでの番組予約も可能です。DVD-RAM/RへのVIDEO書き出しも出来るようです(まだ試せてませんが)。日立のPriusやエプソンダイレクト、富士通向けにOEMされていたりします。

 仕様としては、エンコーダチップとして GlobeSpan iTVC15を搭載しています。IO-DATA GV-MPEG3TV/PCI と同系列の物です。720x480で12.0MbpsまでのCBR/VBRのMPEG2エンコードに対応しています。MPEG1のエンコードも可能です(ただし、MPEG1の画質はお勧めできません。MPEG1専用のハードエンコと比べるとかなり劣ります)。但しAVIキャプチャは出来ません。音声側は32KHz,44.1KHz,48KHzに無難に対応しています。

 TVチューナは日本仕様ステレオと音声多重放送も受信可能です。注意点として、ビデオ出力端子はありませんので、テレビに出力したい場合はTV出力付きVGAなどを使う必要があります。細かい点ですが、基板がハーフサイズなので小型のPCにも入りますが、ファンが付いているので多少音が気になるかもしれません。

 個人的に、音声入力がステレオミニのピンジャックではなく、きちんとRCAピンプラグになっているのが好感が持てます(安いカードだとミニジャックが多いので。でも、どうせなら金メッキにしてくれれば良かったのに)。

 なお、旧リビジョンのカードとの変更点は、チューナ部品の変更のようです。これに伴い、基板上のレイアウトが変わりました。見た目に、チューナユニットから直接アンテナ端子がPCIブラケットに突き出ているように見えますが、そうではなく一度基板に潜っています。ノイズが気になりますが、基板パターンレベルでシールドはしているようです(信号通過部の左右にGNDのスルーホールが並んでたりします(^_^;)。メーカによると、旧リビジョンよりノイズに強いそうですが、真偽の程は分かりません。

 実際にこのチューナーを使ってみた感覚では、あまり画質は良くはありませんでした。たぶん私の使用環境では電波が弱いせいだと思います。電波が弱いと結構画面が斜めに波打ちます。そういった環境で画質を求めるなら、まともなチューナの付いたビデオデッキを外付けしたほうが良いでしょう。


■ インストール ■


 カードの認識は至って普通で、OSが起動するとPnPでドライバを要求されるので、ドライバCDから該当OSのドライバを選択するだけです。必要なIRQは1つだけです。


デバイスマネージャではこう認識されます。いたってシンプル。
ちなみにサウンドカードはACPIのスタンバイが安心という理由で
YMF724チップの板を入れてます。

 続けて付属アプリのPixeStationTVとPixeDV/EX for PCI、加えてQuickTime5をインストールします。QuickTimeのインストールを省略すると、ほとんどの機能が動作しませんでした。ハードウェアインストール以外の部分のマニュアルは、Windowsヘルプで提供されます。紙のマニュアルが欲しいところですが、値段が安いので仕方がないでしょうか。

 添付アプリのどれかがLigoのMPEG2コーデックをインストールしてくれるようで、MediaPlayerでMPEG2ファイルが再生できるようになります。また、TMPGEncなどでMPEG2ファイルを直接読めるようになります(が、どうもファイル適応度がイマイチなようで、一部のMPEG1ファイル(MEG-VC1の出力など)が再生できなくなります。ご注意を)。



■ PixeStation TV ■

 付属アプリとしてTV鑑賞&キャプチャのPixeStaion TVと、編集&キャプチャのPixeDV/EXが付いています。

 TVキャプチャツールのPixeStationは、予約録画を含めて使い勝手は悪くありません。



 PixeStaion/TVの操作パネルです。
 最新版ドライバだと、チャンネル切り替えが前と比べてかなりキビキビしてます。ただし、チューナ←→ビデオ入力の切り替えはここでは出来ないことだけは不満。
 あと、電波の悪いチャンネルは選択すること自体ができません。




 使用時の環境設定ウィンドウです。
 タイムシフトは切れるので、CPU負荷に余裕が無い場合はOFFにしたほうが良いかも・・・。
 問題点として、一部チャンネルプリセットデータがめちゃくちゃです。例えば東京23区と近隣とで全然違うとか(何故か本来VHFの所にUHFを使っている)。住んでいる場所によっては、一度メジャーな地区に設定してから手動でやったほうがいいと思います。




 MPEG2のカスタム設定パネルです。ここでビットレートを1Mbps単位で変更できます。
 個人的に、音声のビットレートは最大で使ったほうが良いと思います(何回か、192kbpsで高周波ノイズのひどい音になったことがあるので・・・)。




 画質とDNRの詳細設定パネルです。かなり細かく設定できます。6/17のアップデートでリアルタイム画質調整に対応しました。操作に対する反応はわりと鈍いようで、スライダーをドラッグしてマウスボタンを離してからワンテンポ置いて、結果が反映されます。

 設定したプリセットを、いくつでも保存しておけるのがうれしいところ。とりあえず、内蔵チューナと外部入力とで設定を別にしておけます。




 予約画面はこんな感じです。iEPGサイトにアクセスして番組表から直接予約できます。[表示変更]を選ぶと、予約録画時間帯をグラフで表示してくれます。
 あとは、PCをスタンバイにしておけば、勝手に予約時間にスタンバイ解除して録画開始し、録画が終わったらまたスタンバイに入ってくれます。




 予約設定の詳細です。毎週とかの設定できます。ビットレートも予約毎に指定できます。
 よく出来ているのが、「予約毎に画質プリセットを指定できる」ところでしょうか。
 録画開始時間が1分早いのは、PCの時計のズレに対する保険で、手動で前にずらしてます。


■ PixeDV/EX ■


 付属のキャプチャツールPixeDV/EXは、キャプチャ-編集-アルバム-書き出しなどの機能を持った多機能アプリなのですが、切り替えに若干時間がかかるのが気になります。



 キャプチャデータのCMカットなどを行うトリミングツールがあるのですが、、ツールへの入り方が分かりずらいように感じます。編集機能とは別で、アルバム機能から「MPEGエディタ」を選択して入るので、最初はどこにあるのか探してしまいました。

 一応、実用にはなります。CMカットなどにはそれなりに使えますが、ゴテゴテした画面で操作性は改善の余地があると思います。全般的にやたらドラッグ&ドロップをさせられるので、好みが出るかもしれません(私は慣れました)。

 これと別に、複数のMPEGファイルを編集する編集ツールがあるのですが、私の環境ではファイル変換時に良く(というか頻繁に)落ちます。何が悪いのか調べてみたいところです。


■ 画質その他 ■


 私の環境では、電波が弱くて内蔵チューナでは画質が良くなかったので、外部チューナからの入力での感想です。

 画質的には、どうもデフォルトのままだと精細性が足りないような感じです。エッジ部分や細かい文字が、あまりはっきりしないような気がします。シャープネスの設定が細かく出来るのでかなり改善されますが、今度はノイズが増えます。どちらを取るか微妙なところです。もっとも、MPEG4などで再圧縮をかけるには多少ソフトな画質のほうが返って好都合かもしれません。

 次に、発色が気になります。どうも絶対的な鮮やかさに欠けます。画質調整すれば色は濃くなりますが、ちょっと物足りません。ソースによって明るい画面が苦手な気がします。前に、「色合いなどはなかなか良い感じだ」と書いたのですが、いろいろなソースを試してみると、ちょっと不満が出ました。もしかしたら、調整次第でどうにかなるかもしれませんが。

 手持ちのカードでは、MEG-VC2のほうが低ビットレートで安定した発色と精細性を両立してました(ただしあっちはソフトがタコ)。

 ハード的にはDNR(Digital Noise Reduction)があるので、多少ノイジーな映像ソースもいくらかカバーしてくれます。コピーガードはありますが、古いビデオテープに対する誤認識はそれほどひどくはなさそうです(今のところ誤認識されたことはありません)。

 ただし、早送りや画面転換・コピーガードなど、同期の取れない変な信号が入力されると画面が崩れて復帰しないという仕様があり、一度キャプチャを止めなければ直りません。ノイズの多いテープを使う場合や。外部ビデオ入力でビデオデッキのチャンネル切替をする時には注意しましょう。


■ ハード的な安定性 ■


 ハードウェア的には、ハードエンコのTVキャプチャカードの中ではかなり安定していると思います。ただし、この手のカードのお約束として、「動かない環境では動かない」というのはありますが・・・。

 現在、ASUSの440BXマザー + Celeron 900MHzで運用していますが、ACPIのスタンバイ録画も含めて、きわめて安定して動作しています。録画中に一瞬だけ映像が止まることがありますが、すぐ元に戻ります(録画されたデータには異常はありません)。
 前にDELLのi810EのJUNKマザー(セレ566定格)で試してみたのですが、低ビットレート(4.0Mbps)ではきちんとコマ落ちせずにキャプチャ出来ました。悪環境下でもそれなりに動作するのは良いことだと思います。

 使っていて一つだけトラブルに遭遇したのは、IRQおよびI/Oアドレスなどのリソース衝突でしょうか。普通これらのリソース衝突が起こった場合、デバイスマネージャでエラーが出るか、キャプチャ時に処理落ちするかだと思うのですが、このカードの場合「チューナのプリセットがされていない」とか「信号入力が無い」とか「環境に問題がある」などのエラー表示を行います。このため、原因に気づくのに遅れたことがありました。私の場合は、PCIサウンドカードが何故かぶつかっていたようで、直すまで上記のエラーに悩まされました。正体不明のエラーが出たら、まずリソース衝突を疑うべきでしょう。これはキャプチャカード全般に言えることでもありますが。


■ 気になるCPU負荷 ■


 キャプチャと言えば気になるのが、CPU負荷率です。



 タイムシフトOFF,MPEG2-8Mbps(CBR,GOP15),2002/08/26ドライバでこのくらいです。
 左から、Webブラウズ時,TV表示時,録画時+TV表示時,録画停止&TV表示時。
 録画中でだいたい70%を切ってます。一瞬負荷が下がっているのが録画開始,停止時です。

 TV表示だけでも録画をしても、そんなに負荷率は変わらないみたいです。
 タイムシフトをONにしても、65〜75%くらいでした。

 構成は Celeron 900MHz, ASUS P2B(440BX), RAGE128, DiamondMax540X(80GB), Win2kSP2
 HDDは HDBENCH 3.40でRead 30MB/s, Write 20MB/sくらいでまったりしてます。
 (8Mbps÷8bit=1MBytes/secなので、多く見積もっても10MB/sも出れば充分な気もしますが)

 もしこれよりCPUが速いのに負荷率が高ければ、ピクセラのせいではなく、たぶん
 チップセットが腐ってるせいですので、そっちをどうにかしましょう。
 特に VIAの133系チップセット(Intel/AMD問わず)などは論外です。


■ まとめ ■


 このカードは純日本製と言うこともあり、メーカが割と熱心にサポートしてくれているようです。旧リビジョンのころから、何度もドライバがアップデートされており、サポートも期待できそうです。たまにドライバに不具合がありますが、放置しないでちゃんと直してくれています(本当はそれがあたりまえですが、してくれないメーカも多いですから・・・)。ともあれ、今ひとつマイナーな感じではありますが、このような低価格で質の良い製品を出しているので、応援したいところです(ただ、メールによる問い合わせにも対応して欲しい)。

 画質を一番にこだわる人にはお勧めできませんが、そこそこの画質&手軽さと価格を重視する人にはお勧めできそうです。個人的には、「よくやったピクセラ!!」と言いたいところです(^_^) 次はエンコーダチップを別のに変えて、チューナを日立以外に変えてファンレスにして欲しいですが。



■ 動作チェック環境 ■


※環境その1

M/B : ASUS P2B (i440BX Slot1)
CPU : Intel Celeron 900MHz cD0コア
RAM : 384MB
VGA : ATi RAGE128-32MB AGP
SND : YAMAHA WAVEFORCE192XG PCI (YMF724F)
HDD : SAMSUNG E-IDE 3.2GB (BOOT)
    Maxtor DiamondMaxD540X 80GB (Capture)
OS : Microsoft Windows2000 SP2
memo: たまにキャプチャ中に映像だけ一瞬止まりますが、すぐ復帰します。
    録画されたデータには異常はありません。
    HDD以外は、だいぶ長い間この構成で使ってますが、
    スタンバイ録画も含めて、完全に安定して動作しています。


※環境その2

M/B : ASUS P2B (i440BX Slot1)
CPU : Intel Celeron 566@708MHz
RAM : 192MB
VGA : ATi RAGE128-32MB AGP
SND : YAMAHA WAVEFORCE192XG PCI (YMF724F)
HDD : Quantum Fireball 2.1GB + Seagate U6 40.0GB
OS : Microsoft Windows98SE
memo: ATiなので(^^;最新のVGAドライバでないとプレビューがコマ落ちします。
    ただし正常に保存はされてました。


※環境その3

M/B : DELL L***CXシリーズ用 JUNKマザー (i810E Socket370)
CPU : Intel Celeron 566MHz
RAM : 160MB
VGA : i810E 内蔵 (VRAM 4MB)
SND : Creative SoundBlaster64PCI OnBoard
HDD : SAMSUNG 3.2GB U-ATA33 + Fujitsu M2934CPU (UW)
SCSI: AHA-2940UW
OS : Microsoft Windows2000 Professional (SP2)
memo: 処理落ちはありませんが、たまに画面の解像度を下げるように
     エラーが出ます。動いてしまえば、2000環境下においては
     録画中プレビューがBXマザーより安定した感じです。
     VRAMが4MB以下のVGAは避けたほうが良いかもしれません。




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