斬人伝『屍鬼の村』設定メモ

妖について:

もとより永劫に近い時間を生きる妖には繁殖能力にあたるものが無いのが本来。物理的な飲食も生存のためというより単なる嗜好にすぎず、基本的には山河石木の精気によって生きている。


化骸(けがい):

人を喰らい、喰らった者に化けて人の世に暮らす。獣を喰らってその形態と力を取り込むという能力を特化させた妖。ただし、人は複雑な心を持つゆえ、完全に成り代わることは難しい。竜之進を喰らった化骸は、人への一体化能力を練り上げたいわば熟達の化骸であり、その能力のあまりの高さゆえに人となって生きるという皮肉な結果をたどった。村に侵入したもう一体の化骸は、もともとそれほどの能力を有していなかった下等な化骸。かつて妖蠱と接触してその毒を受け、妖蠱の一部を喰らったせいで、食べ残しや食べ損ねの人間に片端から蠱毒を媒介している(人間は屍鬼と化しても蠱毒を再生産できないため媒介者にはなれない)。


妖蠱(ようこ):

大陸から渡ってきた昆虫系の妖。脳と神経に作用する蠱毒を注ぎ、人を屍鬼に変える。


登場人物:

竜之進:武家の息子。実は化骸。喰らわれた竜之進の強い思いにより自分を人だと思い込んでいる。
雪:寺の娘。竜之進とは幼馴染。彼が喰らわれた時の記憶が曖昧。彼女の記憶の中では彼が化骸から彼女をかばい守ったことになっている。

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