アクティビティによるデスクトップの切り替え

KDE4になって、デスクトップという概念が曖昧にありました。それはフォルダビューであり、アクティビティであるからです。
KDE4を構成するものは全てPlasmaになりました。
その結果構造は単純になり、柔軟になり、非常に自由度が高くなりました。
ありていに言えば複雑になりました。

作る側に易く、利用者にわかりにくいデスクトップです。
全てはKDEに汎用性あるマニュアルが無いことが原因です。

アクティビティの解説
Plasmaの設定

嘆いていても始まりません。
アクティビティは多目的に使用できるので、コンテンツを書くのも一筋縄では行きません。
アクティビティの解説
アクティビティというのはデスクトップの「見た目」に相当します。
アクティビティはウィジェットやアイコンや壁紙の機能を所有し、設定を格納します。
KDEという何もない空間の上に配置されたアクティビティは、ユーザからは「デスクトップ」に感じられます。

だからアクティビティが一つだけのときは、アクティビティを意識できません。
アクティビティが二つ以上になった時、アクティビティを意識し、デスクトップが二つになったと感じます。

具体的に見てみます。
これが一つのデスクトップです。


その右上にツールボックスがあり、その中に縮小というメニューがあります。


これが縮小した画面です。デスクトップが縮小され、その後ろの虚無が見えます。


メニューの拡大ボタンをクリックすると、元の画面に戻ります。


縮小画面でタスクバーにある「plasma-desktop」メニューから、「アクティビティの追加」をクリックします。


するとアクティビティのタブが二重にダブってます。
これ、多分バグですよね。


なにしろ追加したアクティビティが動かせなくて、元のアクティビティに戻れません。
とりあえずもう一つアクティビティを追加します。

今度はそれらしく追加されました。

左には、最初のアクティビティの上に、一つ目の追加のアクティビティが重なってます。
まずはこの邪魔な重なったアクティビティを削除したいのですが、右のアクティビティには×印があって削除できるのに、左のアクティビティには削除ボタンがありません。

実は削除できないアクティビティが現在のデスクトップ、つまり「カレント」なのです。
ですので、右側のアクティビティを「拡大」します。


すぐに「縮小」を選択します。


右のアクティビティが「カレント」になり、左のアクティビティの削除ボタンが有効になりました。


左のを削除します。


デフォルトのアクティビティに、追加されたアクティビティの二つになりました。


右側のアクティビティに壁紙を設定してみましょう。
右クリックして、いつものように設定を呼び出します。縮小したままでも呼び出せます。


適当な壁紙を選択します。


二種類のデスクトップが用意されました。


右側のデスクトップを拡大し、少し違った環境を作ってみます。
ウィジェットやデスクトップフォルダ、アイコン、ショートカットキー、ダッシュボードなどです。


スタートメニューとタスクバーは共通です。
二種類のデスクトップを用途によって使い分けることが出来ます。

縮小以外にも「アクティビティバー」というウィジェットで切り替えられますが、デザインが気に食いません。

こんなに複数のデスクトップ、一体何に使え分ければいいのでしょう。
KDEが用意した答えは、ビジネスとプライベートです。

openSUSEをビジネスとプライベートで使い分けるなんて、そんなスタイルどれだけの人が必要としてるのでしょう?
ですので「人に見せるグラフィカルなデスクトップ」「人に見せられない、いかがわしいデスクトップ」とで使い分けましょう。


Plasmaの設定の解説
設定メニューの中に「Plasmaの設定」という項目があります。
チェックできる機能は二つです。


・デスクトップごとに異なるアクティビティ
別のダッシュボードを使う

なんの意味があるのでしょう。

通常、アクティビティを追加した場合、各々のアクティビティはデフォルトで四つの仮想デスクトップを所有しています。
「デスクトップごとに異なるアクティビティ」をチェックすると、この仮想デスクトップ一つ一つにアクティビティが割り当てられます。

文字で説明されてもワケ分かりません。

試しに「デスクトップごとに異なるアクティビティ」をクリックします。


すると、仮想デスクトップと同じ四つのアクティビティが現れました。


各アクティビティは仮想デスクトップに割り当てられ、ページャーで切り替えられるようになります。
もちろん仮想デスクトップ切り替えにスクロールなどを割り当ててある場合も、有効です。

このモードではアクティビティを個別に削除できなくなります。数の増減は仮想デスクトップの数で調整します。

これがKDEなどでよく言われる(そして古来より憧れられてきた)、仮想デスクトップごとに異なる壁紙を設定できるというヤツです。
仮想デスクトップが本当に独立した四つのデスクトップとなりました。


が、一つ疑問が残ります。
最初のアクティビティ、つまりユーザにとってデフォルトであったアクティビティが追加したアクティビティに隠れてしまい、選択できません。
どうやらデフォルトのアクティビティは諦めなくてはならないようです。
というか多分これもバグです。

デスクトップごとに異なるアクティビティを使う場合は、最初にアクティビティを作りこまないようにしましょう。


別のダッシュボードを使用する
ダッシュボードはデフォルトでアクティビティ別に独立して保存され、利用されます。
しかしダッシュボードのように「よく使うメニュー集」などは、一つのものを使いまわしたほうが効率的です。

「別のダッシュボードを使用する」とは誤解を招きやすいメニューですが、つまり「全てのアクティビティで共通のダッシュボードを使用する」という意味です。

「別のダッシュボードを使う」にチェックを入れます。


全てのアクティビティから同じダッシュボードが参照できるようになります。


アクティビティの動作はまだバグがあるようです。
とくに仮想デスクトップに異なるアクティビティを割り当てた場合が顕著で、思い通りのデスクトップ操作が出来ません。
いっそデフォルトのアクティビティを捨てて、一から構築していけばキレイに動作しますが、それからアクティビティの数などをゴチャゴチャいじったり、削除したり追加したりするとアクティビティの関連が崩れます。
あまり手動での変更は行わないほうがいいようです。





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