再生時間バグ
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前の項目でも述べたように、Winamp には「シークバグ」と「再生時間バグ」があります。ここでは、「再生時間バグ」について簡単に説明します。詳細が知りたい方は、開発部屋にある「タイムタグ仕様書」をご覧下さい。

さて、この「再生時間バグ」とは、いったいどんなバグなのでしょうか。

ここで、実験をしてみましょう。用意するものは、「素の」Winamp と 手持ちのストップウォッチ と 3分以上の長さの mp3 ファイル(44100 Hzのもの)です。「素の」というのは、mp3 patch などのバグ修正機能を使っていない状態の Winamp のことです。

では、用意したmp3ファイルを再生しましょう。そして再生と同時にストップウォッチをスタートさせます。あとはずっと Winamp の 時間表示と ストップウォッチをにらめっこします。決して早送り・巻き戻しはしないでください。

さて、2分も過ぎて来る頃になると、「おやっ?」と思いませんか?  そうです。なんとなくストップウォッチの方が時間が進むのが早くありませんか? 「あれ? 俺のストップウォッチ壊れたかな?」 などと心配する必要はありませんよ^^; もちろん、あなたのパソコンが壊れているわけでもありません。(誰もそんなこと思わないって? ^^;)

3分を過ぎるとこの「ズレ」がかなりはっきりしてきます。実はぴったり3分の時には、0.84375秒ズレています。

これで実験は終了です。お疲れさまでした。

さて、この結果から分かったことは「Winampは正しい再生時間を表示してくれない」ということです。「Winampの時間の進み方は少し遅い」とも言えますね。

この「Winampの時間の進み方」のことを「Winamp時間」と呼びます。一方、ストップウォッチの示した正しい時間の進み方を「標準時間」と呼びます。

もうお分かりでしょうが、曲が進むにつれて少しずつ歌詞がずれていくのは、この「Winamp時間」と「標準時間」の違いのせいなのです。

「ちょっと待て、俺は Winamp なんか使っちゃいねぇし、俺の使ってるプレイヤーは標準時間対応のはずだぞ、なのになんでズレるんだよ!」と言う方。

よく考えてみてください。あなたはそのタイムタグ付き歌詞をどうやって作りましたか? Winamp を使って、あるいは、Winamp時間を採用しているソフトウェアを使って作ったんじゃありませんか? え? どうやって作ったのか知らない? そりゃまたどうしてでしょうねぇ^^;;

ま、ともかく、タグ付けしたときと、再生表示するときの、時間の進み方が違うときに、このパターンのズレが起こるのです。

もう少し詳しく説明しますと、実は Winamp は、44100, 22050, 11025 Hz の mp3, wav の場合、Winamp 時間で進みますが、32000 Hzなど、それ以外のサンプリング周波数の場合、素のWinampでも標準時間で進んでいきます。

また、wma の場合、ほとんどのサンプリング周波数で、mp3 の場合とはまた違った時間の進み方をします。

これらの原因についての詳細は、開発部屋にある「タイムタグ仕様書」で解説しています。

ともかく、Winampだけを使っていたとしても、44100Hz の mp3 に合わせて作ったタイムタグ付き歌詞は、32000Hz にリサンプリングした mp3 には合わない ということになります。wma の場合、もっとズレちゃいます。


さて、では、対処法です。これには@タグ補正を行ってください。

@タグ補正とは、タイムタグ付き歌詞を作ったときの時間の進み方を、TimeRatio という値で表現し、この値で補正する方法です。

まず、タグ付けをした後に、りりくすEx または りりくす補正Wizard を使って、歌詞ファイルに補正用データを追加しておいてください。

手作業でつけてもかまいません。たとえば、標準時間でタグ付けをした歌詞には、

@TimeRatio=1

という行を加えておきます。
44100Hz の mp3 ファイルを Winamp で演奏しながら歌詞をつけたのなら、

@TimeRatio=0.9953125

という行を加えておきます。ただし、Winamp を使っていても、mp3 patch などで、標準時間に設定していたなら、@TimeRatio=1 としてください。

なお、りりくすExで補正用データを追加した場合は、パターンAのズレ補正用の @SilentmSec も同時に付加されます。


そして、次に、再生する場合の対処法です。

もし、お使いのプレイヤーが、@タグに完全対応していれば、その歌詞を普通に読み込ませるだけで、OKです。タグ付けした時のTimeRatio値を自動的に歌詞から読みとり、再生する時のTimeRatio値と比べて自動的にズレ補正が行われるからです。

もし、お使いのプレイヤーが、@タグ補正に対応していなければ、あらかじめ、りりくすEx で、タイムタグの補正を行っておく必要があります。合わせたい曲ファイルを、@タグの付いている歌詞ファイルにドラッグ&ドロップすると、メニューが出ますので、「補正」を選び、行いたい補正方法を選んでください。自動的に補正が行われ歌詞ファイルが更新されます。なお、複数ファイルの一括補正には、りりくす補正Wizardが便利です。


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