両天秤先読み講座  レベル1  読みの形  (2000-09-01)
対局囲碁ソフトに用いられる両天秤探索ルーチンについて解説します。
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  【枝の終了条件】
両天秤先読みは捕獲先読みとほぼ同じようにできます。
捕獲先読みでは対象となる連が1つで、その連のダメが判定条件でありました。

両天秤先読みでは対象となる連が2つで、どちらかの連の内少ないほうのダメが判
定条件となります。

レベル1では

  連Aと連Bの2つがあり、それぞれダメが3以下を対象としてみましょう。
  連Aと連Bは距離2とします。つまり共有するダメがあるものとします。
  さらに、その共有するダメは切り違い可能な点とします。

捕獲先読みと同様にどちらかの連がダメ1の場合は両天秤取り先読みは対象外とし
ます。

 ┯┯●△┯┯┯┯┯┯┯  【注意】 これは▽が捕獲先読みで解決できますが 
 ┼┼●△┼┼┼┼┼┼┼           判りやすい例として取り上げています。
 ┼┼●△A┼○○○┼┼  
 ┼┼●●▽▽●┼┼┼┼  △のダメ 3  ▽のダメ 2
 ┼┼┼┼●●●┼┼┼┼  A点が切り違い可能点
 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼  

読みの最中に2つの連のダメを調べ、

  両方ともダメ4以上になれば取れないと判定します。
  どちらかのダメが0となり打ち上げられれば取れると判定します。

しかし、もっと早く判断することも出来ます。

  取る側の判断は両方ともダメ3以下にすることが不可能と判断できる場合はそこ
  で取れないとして打ち切ることができますし、既にどちらかのダメが1であれば
  次に打てばダメ0となるので打ち上げる手を打つ以前に取れると判定できます。

  逃げる側の判断は両方ともダメ4以上にすることが出来ると判断できればそこで
  逃げられると判定できますし、既にどちらかのダメが1でそれをダメ2以上にす
  る手がなければ逃げられないとして打ち切ることができます。

読みの途中で2つの連が1つになる状況が発生しますが、この場合は通常の捕獲と
同じことになります。(ハングにご注意)
もう一つの連のダメを∞としてもよいし、対象が2つあるかどうかを確認してもい
いでしょう。

なお、捕獲と同様、状況によっては探索を延長することが望ましいでしょう。

  【候補の範囲】

・対象連の呼吸点(ダメの少ないほうの連の呼吸点のほうが優先です)
・対象連に隣接するダメ1連に隣接するダメ1連の呼吸点
・対象連に隣接するダメ1連の呼吸点
・対象連に隣接するダメ2連の呼吸点
・対象連から距離2の点
・…

 ┼┼┼┼┼┼  2の点が「距離2の点」
 ┼┼2┼┼┼  
 ┼212┼┼  
 ┼●◇12┼  
 ┼●◇12┼  
 ┼┼●2┼┼  
 ┼┼┼┼┼┼  

といったように有力な順に候補を並べます。取る側の候補と逃げる側の候補の選び
方や並べ方を変えるほうが望ましいです。
レベル1では適度に選び、適度に並べ替えましょう。

  【その他】

両天秤は横形探索が向いているかもしれないです。縦形探索をする場合は深さ制限
をしたものを繰り返し呼ぶ方式が有力と考えられます。

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