両天秤先読み講座  レベル2  離れたタ−ゲット  (2000-09-14)
対局囲碁ソフトに用いられる両天秤探索ルーチンについて解説します。
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レベル1では切りからどちらかの連を取る読みでした。
レベル2では対象を拡張します。
 
レベル2では

  連Aと連Bの2つがあり、それぞれダメが3以下を対象とします。
  連Aと連Bは距離Nとします。
  ただし、囲碁での距離は連結するために連打する手数と同値とします。

┯●●◇1234┯○┯┯  2つの連の距離は6
┼●◇◇1○○5┼○┼┼  
┼●●◇◇●●◇┼○┼┼  どちらも捕獲探索では取れないはずですが
・┼●●●●○●●○○○  両天秤先読みではあっさりと読めます。
┼●●○○○○○┼●●●  
●●○┼┼┼┼┼○○●┼  
●○┼○┼┼┼○┼○●┼  

●●●●●┼
●◇◇◇●●  既に切り違えている場合は距離4であったりします。
○┼1●◇●  
○○23◇●  これも捕獲探索では取れません。
┼○○┼◇●  
┼┼○○●●  

最低距離3以下ではあまり意味はないかも知れません。距離7以上では実戦で時
間を使い過ぎることになるかもしれません。


  【候補の範囲追加】

シングルターゲットでの候補と異なり1つのターゲットを取るのを犠牲にして他
のターゲットを捕獲してしまう読みですから、意外な点を候補とする必要がでて
くることがあります。

  追う候補
・対象連から距離2の同色の連の呼吸点

┼┼┼┼┼┼
┼┼A┼┼┼  Aの3点が「距離2の同色の連の呼吸点」
┼A○A┼┼  
┼┼B┼┼┼  Bの点は対象連の呼吸点に分類するべきでしょう。
┼●◇◇┼┼  そうしないと候補の優先順位の並べ替えがうまくいきません。
┼┼●●┼┼  
┼┼┼┼┼┼  

  逃げる候補
・対象連に隣接するダメ3連の呼吸点

なぜこれも必要なのか?

┼┼●●●┼┼
┼●┼┼┼●┼  これは閉じ込められてしまったときダメを増やす手はないが包囲
┼●◇◇◇●┼  している連をとることができるケースがあります。
┼○●●●○┼  
┼○AAA○┼  読みの途中で単純な攻め合いになったときに必要になります。
┼┼┼┼┼┼┼  


  【ウッテガエシの問題】

┠┼○●●  
○○○○●  ウッテガエシを考慮しないと、黒3と打っても白4とかわされてしま
┠C┼●○  います。
┠3◇●○  これでは3の右の白1石を取る意味はありませんね。
┠○●○○  
┠○●●○  4の右に打って白1石取るようなウッテガエシにされる候補は無駄手
1A◇●○  の判断をして候補から削除しなくなりません。あるいは、取られても
◇◇◇●○  ウッテガエシで取り返せる『不死身』の石は対象外とすべきか…
●◇●●●  
●●●┼●  いろいろと複雑に絡んでくるのでちょっと難しいです。

もし、これも解決したいのであれば、

  逃げる側はどちらかの連がダメ1になってもダメ2以上にしない候補も加える。
  追う側はどちらかの連が既にダメ1になっていても読みを打ち切らない。
    その場合はウッテガエシかどうかチェックする。

  とりあえず、それぞれの側で1石ダメ1かどうか最初にチェックするのがいい
  のではないかと思われる。

これは探索空間を絞り込めるようになってから入れる方がいいかもしれない。

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