第2話 〔 夢 幻 の 世 界 〕
Mugen no Sekai



「・・・・・。」

「・・・・・えっと・・・。」

 

翌朝、玄関で私を見るなり先生は黙りこんだ。

 

「・・・やっぱ、でかけるの、やめましょうか」

「え・・・!?」

「・・・。いや、冗談です、行きましょう」

はぁ・・・。(冗談・・・・?今のって明らかにやめようとしてたような・・・)」

 

「ちょっと歩きますか」と言った先生の後ろを、無言でついていった。

道場に来るときとは全く違う感じの服を着た先生は、大人ってかんじで、
やっぱり私を子供っぽく感じたのかな、とか色々考えた。と、突然――

「ぶ!!」

先生が急に立ち止まったので、思いっきりぶつかってしまった。

 

「ごめんなさいっ」
「いや…さん…」
「はい…?」
「その…君はだいぶ強くなりましたね」
「あ、ありがとうございます」
「君の腕なら、もう十分に…」
「え・・・?」
「どうか、自信を持って――」
「いやです!! そんなの・・・道場を出るつもりなんですか?」
「…いいや、そうじゃない…。きたか…」
「…え?」

 

先生が、私の手を掴むと、なんと半透明になっていた。

 

「…え!?」
「いいかい、自信をもって戦うんだ、自分の…信じる道をね」
「先生…!!!!!」

 

意識が遠のく瞬間、優しくほほえんだように見えた…。
 

 

第3話へ

 

 

 

 

 



あ、あれ〜? つ、次は必ず近藤さんを・・・。
ついにトリップです。

since 2005.06| メニューサイトTOP