第6話 〔 無 敵 な 貴 方 〕 Muteki na Anata |
しばし、私は彼の殺気でしゃべれずにいた。 「…どういう、つもり、ですか」 その声は、正直このまま死ぬぐらいならと思い絞り出した声だった。 「君さー、なんのためにうち来たの?」 「…え…」 答につまってしまう。私が聞きたいぐらいだ。 「差が激しいんだよね、なんか。試合ったときはそうでもないのに、普段はスキだらけ」 「…たぶん…平和な国に、いたので…」
「…なり、ゆき?」 「…はは! 成り行き、か〜」 そう笑うと、彼は剣を降ろした。
シュッ、カチン、と刀が仕舞われた瞬間、私はがくりと座り込んだ。 「大丈夫かい!?」 私の手と足は震えていた。 「その、怖がらせるつもりは、まぁ少ししかなかったんだげど…」 自分の浅はかさに沈む私の腕を、彼は優しく捕らえた。 「いいや、迷惑なことはないさ。 「…はぁ」 じゃあいったいなぜ? そう視線を向けると、彼はにやっと笑った。
「君が無防備に綺麗だから」
「…は?」 「なんていうのかな〜襲ってくれと言わんばかり、というか」
…ゴスッ
「失礼します!!」
崩れ落ちる彼を見向きもせず、私は部屋をでた。
「(なんて失礼な人だ…!!)」
彼の腹にめり込ませた拳をふるふるさせながら、ドスドスと廊下を歩いていった。
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や、やっと絡んだー!ヽ(●´ε`●)ノ 2005.07 up| メニュー|サイトTOP | |