第8話 〔 無 敵 な 貴 方 〕 Muteki na Anata |
「よう、くん!」 そんな間抜けな声が聞こえたのは、彼らが陣をおいている京都の壬生の屯所に帰ってきてまもなくだった。
「・・・・・」 振り向いてはみたものの、なんと言えばよいか…とてもこんにちは、などとさわやかに言える気分ではなかった。 「なんだい、仏頂面して。綺麗な顔だけど笑った方がいいよ?」 有無を言わさず立ち去ってしまった。
「…どうかしましたか? 熱があるようにも見えますが…」 山南敬介。 「…先生」 ちょっと恥ずかしいけど、笑って見たら、山南さんもにっこり笑ってこういった。 「まるでほころんだ花のようですよ」 顔がさらに熱くなるのを感じ、山南さんの方を見れなくなってしまった。
一方 「な〜にしてんの、勇ちゃん」 「ちゃーん! これからあたしと出かけちゃったりしな〜い?」 茂みからでてきた二人。驚く二人。 「…近藤さんまで、どうしたんですか、そんなところで」 ゴホン、と近藤は威厳ありげな堰をする。 「…なんですか?」 あきらかにいぶかしむは、少し眉をよせてたずねた。 「こ、ここではなんだから、ちょっと来たまえ」 半ば強引に手をつかみ、近藤は屯所の外へ向かった。
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第1、2話で、彼がサンナンさんに似てるなぁ、と思い、こんなかんじで。本当は斉藤さんと絡まそうと思ってましたが、それはまた今度で… 2005.09 up| メニュー|サイトTOP | |