第9話 〔 無 敵 な 貴 方 〕 Muteki na Anata |
気がついたら、彼女の手をとっていた。
今朝、久々に彼女に会った。
「よう、くん!」
なのに、彼女ときたら仏頂面して振り向いた。 「なんだい、仏頂面して。綺麗な顔だけど笑った方がいいよ?」 て、言った。 そしたら「失礼します」なんつって歩いていっちまった。 それでまぁ、もうちょっとちょっかいかけてみようかと思って後をついていったら、山南さんと何か話ているところだった。 ちょっとしたら、急に彼女泣きそうな顔をして、でもそれを我慢するようににっこり笑った。 その笑顔は瞬きができないほど綺麗で、女ってのはこんなに綺麗にも笑えるんだなって惚けちまった。
「――近藤さん! どこに行くんですか!?」 「…あ、ああ」 気がつくと、だいぶ町のほうまで歩いてきていた。 「…近藤さん?」 彼女は自分が着ている男物の着物をつかんで言った。 「チッチッチッ。君はどうせ仕事のときは着替えるだろう? だったら普通のときは普通にしててよ」 どこからともなく現れた山崎は、二人の間にわってはいり、近藤に不敵な笑みを向けていた。 「どぉ? 勇ちゃん…」 「あ、あの、近藤さん…?」 二人の駆け引きがよく聞こえてなかったは不思議そうな顔をしていたが、近藤はそこの着物、きっと君に似合うよとごまかしたのだった。
後日、女の格好をしていることでライバルが増えるとはつゆ知らず…
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さぁって、これでどんどんみんなを落としていっちゃいますよ!(え!?) 2005.09 up| メニュー|サイトTOP | |