第13話 |
「…え?」
それは、夜、雨のせいかなんだか寒くて布団を取りに廊下に出たときだった。 今日は宴会で、帰ってこない人も多いだろうと思い、1枚もらおうと考えていた。 「…芹沢さんのだから」 廊下で、局長にあって、始めは気がつかなかったけど、血がついてたから、 「間が悪いな…俺も黙っとけばいいのに…。気になるなら俺の部屋で待ってな、血落としてくるから」
何もいえなかった…芹沢さんに何かあった…いや… 「芹沢さんを殺った…そういうことですか」 私はそのまま自分の部屋に戻ることはできなかった… 「そう思ってるなら、否定してもだめだろうね。…そうさ、芹沢さんを殺った。」 彼はひじ置きにもたれ、だらりとしながら、でも私の目をみて、はっきりそう言った。 「そうですか…」 そうして私は立ち上がろうとすると、彼は私の腕をとった。 「それだけ…でいいのかい」 すっと引き寄せられた。すこし、濡れた肌に頬があたった。 「俺は、こうしているだけで、気を鎮められ、そして明日平気な顔でみんなに嘘がつけるだろう」 ばっと離れた…まったく、隙もへったくれもない… 「まったく…」 なんともなさそうに、笑う、いつもと同じように…。 「まぁ俺は誰かに言っておきたかったんだろう…俺の考えを…」 少し、ドキリとした…まるで、遺言のようで… 「…なんて顔してるんだい、君は。仮にも夜に男の部屋に自分の意思できてるんだぜ?」 「…はい?」 すこし、嫌な予感はした。 「俺もすんごーく寒い、心が。だから一緒に寝よv」 「…」
そのご、鳩尾パンチを食らわせたのは、言うまでもない…
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夜の営みでした(笑) 2006.06 up| メニュー|サイトTOP | |