第13話


 

「…え?」

 

それは、夜、雨のせいかなんだか寒くて布団を取りに廊下に出たときだった。

今日は宴会で、帰ってこない人も多いだろうと思い、1枚もらおうと考えていた。
でも、そんな考えはすっとんでしまった…その言葉を聴いたとき。

「…芹沢さんのだから」

廊下で、局長にあって、始めは気がつかなかったけど、血がついてたから、
大丈夫ですかって聞いたら、大丈夫大丈夫、芹沢さんのだからって…

「間が悪いな…俺も黙っとけばいいのに…。気になるなら俺の部屋で待ってな、血落としてくるから」
「…」

 

何もいえなかった…芹沢さんに何かあった…いや…
 

「芹沢さんを殺った…そういうことですか」
「開口一番…君らしいね」

私はそのまま自分の部屋に戻ることはできなかった…
もしかしたら私は、覚悟していたのかもしれない、新撰組という名前を知ったとき
彼らのすべてを、見守るということを…

「そう思ってるなら、否定してもだめだろうね。…そうさ、芹沢さんを殺った。」

彼はひじ置きにもたれ、だらりとしながら、でも私の目をみて、はっきりそう言った。
理由は…聞かずともわかる。芹沢さんがいかに隊にとって害のある人物か、調べていたのは私たちだ。

「そうですか…」

そうして私は立ち上がろうとすると、彼は私の腕をとった。

「それだけ…でいいのかい」
「…芹沢さんを殺った、それだけが事実でしょう」
「君って奴は…俺を殴るなりしないのかい、君の恩人だろう、芹沢さんは」
「殴ってもどうにもならないじゃないですか」
「気持ちの問題だよ…例えば」

すっと引き寄せられた。すこし、濡れた肌に頬があたった。

「俺は、こうしているだけで、気を鎮められ、そして明日平気な顔でみんなに嘘がつけるだろう」
「近藤さん…」
「そして結果的に君を行かせずにも済んでいる」
「近藤さん!」

ばっと離れた…まったく、隙もへったくれもない…

「まったく…」
「これまでもやってきたことだ…俺は恥じも、後悔もしないさ」
「別に…あなたのことなんて、どうでもいいですよ」
「冷たいね〜」

なんともなさそうに、笑う、いつもと同じように…。

「まぁ俺は誰かに言っておきたかったんだろう…俺の考えを…」

少し、ドキリとした…まるで、遺言のようで…

「…なんて顔してるんだい、君は。仮にも夜に男の部屋に自分の意思できてるんだぜ?」
「…まぎらわしい言い方しないでください」
「はーい。しかし君も運が悪かったね、俺にでくわさなきゃ、知らなくてすんだのに」
「…いえ、知れてよかったですよ、それは」
「変わった女だね〜まったく。そういや何してたんだ、あんなところでこんな時間に」
「ああ、いや寒いなーと思って、布団でも借りに…」
「そうか…なら、丁度いいかもな」

「…はい?」

すこし、嫌な予感はした。

「俺もすんごーく寒い、心が。だから一緒に寝よv

「…」

 

 

そのご、鳩尾パンチを食らわせたのは、言うまでもない…
 

 

 

 

 

 

 

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夜の営みでした(笑)
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