世界

8月10日(火)

表面の世界と、背景の世界

最近ね、よく分からないんだけど、見えない世界があるんじゃないかって思います。突然出てきた概念ではなく、元々私が何となく感じていた何か、の発展形のようなものです。

表面と背景って言って世界を二分してるように聞こえますが、そうではなく、くっついています。そして、カタギの社会と裏社会のことを言ってるのでもありません。それらはどちらも表面の世界の中にあるものです。背景の世界は、表面の世界の見えない背後に、重なるようにある感じがします。

表面の世界というのは、今私たちが見えてる世界で、暮らしてるところ、と思われる世界です。ここには普通の人が歩いています。普通の人というのは、抽象的な人で、具体的な個人ではないです。一般人の他人の像が活動しているような世界です。表面の世界にいる人人は、背景の世界を見ることは出来ないし、あることも知らない。表面の世界が此の世の全てだと思っている人人が表面の世界の住人なんだと思います。

背景の世界は、別に宗教的な存在でもなく、よい世界だとか悪い世界だとか関係なく、もっと混沌と、よく分からない、混ぜもののような世界なんじゃないかな。その世界では、上も下も分からないし、自分がどちらを向いてるのかもわからない、動いてるのか止まってるのかも分からない、そんな世界のような気がします。そして、その世界は遠いところにあるのではなく、表面の世界に見えない落とし穴がいくつもあって、そこからふっと表面の世界から消えて、背景の世界に迷い込むような感じがする。何が起きたか分からぬうちに。

背景の世界にいる人は、もともとは表面の世界にいた人です。その落とし穴に偶然落ちてしまった人たちです。背景の世界にいる人は、表面の世界も知ってるけど、表面の世界に帰る方法が分からないのです。落とし穴に落ちたんだけど、今自分がどちらを向いてるか分からない、昇ろうにもどちらが上か分からないし、真っ直ぐも進めない。周りにあるものの存在が不安定になることもあるだろうし、自分が消えるかもしれない。とにかくよく分からない世界だと思う。

私が思うにね、この背景の世界に落ち込んだ時点で、もう一般人じゃなくなるんだと思う。一般人って書いたけど、うまく言葉に表せないのでそう書いてるだけです。多分、自分が一般人の他人の像の対象でなくなるっていうのが近いと思う。

多分ね、これに該当する人達を、物理的には見てきてるはずなんよ。そういう人たちは、自分がよく分からなくなってて、一般から見れば特殊で、常識から考えれば異常で、正常状態という見方からすれば病気なんだ。私が今まで使ってきた普通、とか病気とかっていうのは、一般の意味じゃなくて、そもそも普通とか、正常とか、一般とか、常識っていうのは、表面の世界のことなんだと思う。本当はとても狭い世界にいる人人が自分達がさも全てを知っているような気に駆られて、そういうことを言うんではないかな。

私は何度か背景の世界に落ちかけた(落ちた?)し、そういうひとたちが私の周りにはいる。そしてね、多分、その背景の世界に入らねば、向上はありえないのではないかと思う。背景の世界に入らねば、本当の達人にはなれないし、本物の哲学も出来ないし、学問を探求することも難しいのではないか。というか、そういう武道家や、哲学者、研究家といった達人の人たちは、恐らくそのわけのわからない背景の世界の中でも、何かを見失わずに進んでいくことのできる人たちなんではないかな。私は、この背景の世界の中に、自分の求める何かがあるような気がします。