kr_ryo 徒然日誌 <2003年1月19日分>

三國志製作記11〜この数字は何を表すの?〜

今週も新年会からみでめろめろでしたが(^^ゞそろそろ学習機能が働いてセーブできるようになったというか、アルコール耐性ができたというか(^^;先週よりはまだましですね。ちょこちょこインターネットで資料だしをしたり、参考になりそうなゲームを集めてついはまったり、と(^^;;;それにしても、いろんな方のサイトを訪れると、最近更新が5年前だったり、リンクと見せかけて工事中(ファイルなし)だったり、あげくにリンク集や検索エンジンから目的ページに飛ぼうとしてもすでにサイト自体がなかったりと、なかなかサイトの維持管理は難しいなあ、と思いますね(・・;)我がkr_ryo's Home Pageも私が二日酔いで放置すれば今日の日付がNew!のまま、ゾンビページとなるんでしょうね〜怖い怖い(^^ゞ

さて、先週刺史やら牧やらで大混乱していましたが、chagatai様のご報告によりちくま学芸文庫の正史三国志8に、三国時代の官制が載っておりました。中央メインで郡やら州やらは少なめですが、それでも複雑だ、ということはわかりました(;_;)重要な役職の下につく属官は、〜曹という事務を担当する官署の、その長官が掾で、副長官が属、とか。たとえば丞相府兵曹掾だと、丞相の属官で、兵のことを司る官署の長官、ということになります。部は唐代以降に使われるんですかね〜今のところ曹とか掾とかの用語は、いくらシミュレーションとはいえ、なじみがなさすぎるので使わないとは思いますが…

それと、無理に広域行政長官を設けなとも、全直轄でもいいような気がしてきました。それでも、自分がいる城以外に直接命令を下しづらくしつつ、自分のいる城でないかもしれませんが、本拠地からの進軍や輸送などができやすくする&それ以外はやりにくくするようにして、時代のシミュレートを図りたいと思います。いろいろ考えると、やはりどちらかというと封建制というより古代中央集権制の三国時代では、刺史など広域行政長官の必要性は乏しいんでしょうねえ。皇帝から直接太守に命令を下すシステムがあれば、中間管理職の刺史や牧が行政機能を発揮する必要はないでしょうから…そして、この時代の中央の制度は充実していたので、連絡もスムーズだったんでしょう。関羽や陸遜などが荊州を治めていたのは、手に入れて間もないとか、最前線であるとかの原因で、軍事と民事の両方を肌で感じて即断即決する長官が必要だったんでしょう。そうでないなら、また、そうできるなら、皇帝が直接太守に命じればすむはずですし、中央集権の制度のタガが緩むにつれ、広域行政長官とか中間に位する役職が増えるんですよね〜そう考えると、やたらと中間管理職が多い現代の組織って…(^^ゞまあ、本拠地とは別に、軍事的集結地の制度をつくり、いくつかの郡はその下に属することにして、そこの長官を任命すれば、シミュレートは可能ですね。そうしようかしら…

ということで、前置きが長くなりました(^^;今日のお題は数値についてです。

何のことかというと、たとえばSWGでは艦数こそ実数でしたが、惑星の生産力(以後内政値という)なんて1から5までしか値がありません。そう、この1から5が示すものが今日のお題です。

まず、戦艦の上限を5隻でなく1万隻にしてほしいという声はありましたが、内政値の上限を5でなく1万にしてほしいという声はありませんでした(^^;;;しかし数値としては同じなんですよね。それなのに数値から人が感じるものは違います。戦艦の5隻というのは具体的数値です。これに対して内政値の5は抽象的数値です。戦艦の5隻が1万隻に変わると、宇宙戦艦ヤマトの世界から銀河英雄伝説の世界に飛びます。イメージも変わります。しかし、内政値が5から1万に変わったとしても、イメージは変わりません。まあルールが今までのままだと上げるのが大変ですけどね(^^;

シミュレーションゲームは現実のシミュレートの部分を含むとはいえ、ゲームなので多分に抽象的です。現実と同条件になる、それぞれの違いが表現できるようなルールさえ整っていれば、具体的な部分は必要ないともいえます。たとえば、兵士数20という表現で、兵2万人を表すということもできます。これは、千人以下の兵数差は無視できるという抽象化が働いているとともに、千人単位の兵数差の違いは表しています。もちろん兵士数200で兵2万人を表してもよいし、兵士数2で2万人を表してもよいでしょう。現実の数値と、ゲーム上での必要性の観点から制作者が決めていくべき内容です。そして、こういったところがゲームデザインの難しさでもあり、おもしろさでもあります。コンピューターだから数値を扱うのはお手の物とはいえ、ゲームの遊びやすさという観点や、数値の管理・把握のしやすさという観点からも、2万人を表現するのに、単純に兵士数20000としないという選択肢もありえるのです。

要するに、数値が細かいor現実に即しているからといってシミュレーションゲームとして適切かというとそうでもないということですね。特に思うのは、ゲーム上でのお金です。そもそも以前も書きましたが、お金自体が交換価値という抽象的なものなのに、それを各時代に即した数量として表現する必要がありません。後漢の時代の貨幣価値に即して収入を銭で表す…というのはぞっとしませんね(^^;というより意味がありません。交換できるものと収入となどがバランスが取れていればそれでOKのはずです。

今回こんな話をしようと思ったのも、実は兵糧という数値をなくそうかと考えているからです。確かに兵糧はお金より具体的ですけれども、この時代の米類の収穫量とか一人分の消費量とか、さらにはお金との交換比率など、歴史学上はとっても意味がありそうな話でも、さすがにシミュレートしきれません(*_*)

兵糧がお金と別の意味を持つのは、戦争時とか、市場よりも田畑が多いという郡を表現するとかのためと考えられます。けれども、以前お話した堯帝春秋の物語のお金(塩)を蓄えすぎて食料を手放しすぎたと気づく民のように、太守がお金ばかり蓄えて兵糧がないとか、飢饉で戦ができないという状況を表現することにそれほど必要性があるのか疑問に思うんです。後漢末〜三国時代は、デフレでお金の流通が減っていただけでなく、戦乱で田畑もあれ、食料も減っていた時代でした。慢性的な兵糧&資金不足の中、資金はあっても兵糧はないとか、その逆という状況を表現する必要がそれほどありません。先程のぼんくら太守を表現するために別立てとするくらいでしょうか?資金があって兵糧がないなら買えばいいし、逆なら売ればいいんです。売り買いをし忘れてぼんくらであることをプレイヤーに気づかせるために別立てとしているといえばいいすぎでしょうね(^^;もちろん、包囲されていて資金はあっても購入できないので兵糧がなくなって降参するという状況は考えられます。しかし、ゲーム上の数値では、籠城している兵士のためにしか兵糧はありませんよね(--;)このままでは飢え住民がたくさんでることでしょう。よほどの緊急時でなければ包囲される前に市民の分も兵糧は準備していたはずで、悪い軍隊なら市民が密かに蓄えていた兵糧を徴発していたはずで、いずれにせよ包囲前の数値がそのままになるという状況はなさそうです。これまた別立てにすることは、プレイヤーが準備不足のぼんくらであることの…(^^;;;

現実の当時の中国で、どれほどの資金でどれほどの兵糧が購入できたのか、お米や粟稗がどれほど流通していたのか、お金はあっても食料切れで倒れた群雄達を表現したいのか…等々考えると、やはり兵糧という数値は必要ないのかな〜と思ってしまいます。SWGでは思い切って資金としましたが、三國志でも思い切って資金としたいなあ〜と思っています。兵糧切れやら徴発やらはイベントではないですけれども、なんらかの形で数値で表現できる形ではなく、別に表現したいと思います。

こういう感じで、内政関係の数値も、開墾と市場と分かれていたのが一体化して、しかも実際のお金から離れて抽象化簡略化されそうです。SWGでは経済(ただし、SWGでは生産力でしたが(^^;)の発達してる惑星は当然軍事的にも強力な防衛兵器や軍隊を用意できるという発想で、内政値=防御力でした。三國志ではどうでしょうか?城の防御力も新設ではなく修繕が主であるようなので、これまた経済力に依存して内政値=防御力となるんでしょうか?しかし、経済力があるから城壁を修繕するということにはすぐにはつながりませんね(^^;経済力と治安は別物なので、これも別立ては意味がありそうです。シミュレート重視で、人頭税的な通常の市民にかかる税と、曹操が荘園をまねて国家規模で行った屯田から取れる税とでは、別にしようと思っていましたが、もちろん他にもいろいろな要素ややり方はあったでしょうし、兵糧も消えるため、一緒に内政値にしようと思います。

昔のkoeiの三国志とか信長の野望では、町の価値、開墾、洪水確率、人口など、増え方や他の要素へのからみなどが異なっていて、いろいろ増やす楽しみもありました。そして国が増えると邪魔臭くなるという面もありましたね(^^;さらには増えすぎて、国ごとに異なっていて特徴があったのが、みんな同じになるという面もありました。そこから考えると、内政値も、いたずらに増やすデザインではなく、上限があり、また場所ごとに異なる上限であるというのもおもしろそうです。もちろん上限の違いに意味がないといけませんが…本来違いを表現するための数値が、最後に同じであることを表現してしまうというデザインは避けたいですね。具体を表すのではなく、異なった特徴を表す、こういう数値設定にしようと思います。そう、何をどうするかは、これからです…(^^;;;

とはいえ、またまた書いているうちに考えがまとまってきました。これも製作記の醍醐味でしょうね(^o^)

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