先週はずっと暑く、夏が「いやあ、今年は遅れてちゃんと行けなかったんで、も一回来ました〜」てな感じだったんですが(^^;、今度の台風は来たとたん暑さも吹っ飛ばして寒くなってしまいましたね(*_*)ようやく秋って感じです。ついでに三國志製作の困難・もやもやも吹っ飛ばして実りの秋にしてほしいものです(^^;って、他力本願(^^;;;
さて、先週シミュレーションとは、という所にまでさかのぼってお話していました。シミュレーションゲームは、ゲームである以前に、シミュレーションでなければ、どれも同じものにしかなりえないということでした。それこそ国力と兵力しかない単純なルールだけで、日本の戦国時代も三国時代も、ナポレオン戦争も現代戦も、私のSWGでさえすべてゲームとしては作れてしまいます(^^;けれどもシミュレーションゲームの醍醐味は、その時代のそのシーンでの、ある方針、ある戦闘で、もし…を表現することだったんではないでしょうか?ゲーム以前に、そのシミュレーションの対象となるシーンを表現できなければ、シミュレーションゲームとはいえないと思います。
では、戦略級シミュレーションゲームである三國志の内政のシミュレーションとはなんでしょう?シミュレーションゲームというと、以前もお話しましたが、どうもまず内政を整えて、それから戦争するというイメージがあります。しかし、その整えるべき「内政」とはなんでしょう?
まずもって、軍隊を養うだけの費用と物資を調達できないといけません。もちろん兵隊も揃えないといけません。この、ヒト、モノ、カネを十分に整えられるようにすることが内政ですね(^^;基本的に、統治者は税の形でこれらを取り立てます。当然搾り取るだけ搾り取れればいいんですけども、苛政は虎よりも猛し、そんなことをすると人民は逃げ出します。前回お話しましたように、逃げた人民は豪族の荘園の客となります。奴隷並か、厚遇されているかは豪族によりけりでしょうが、自由民ではなくなりますね。そうなれば、担税力が下がり、結果として収税は下がる一方でしょう。しかし、収税を少なくすれば、軍隊を養うには十分でないかもしれません。
さて、戦略級シミュレーションゲームではよく、収税力強化のため国力というパラメータがあって、内政コマンドでこれをあげるということが行われています。収税強化のためには税率をあげて搾り取るのではなくて、国力をあげて全体としての納税力をあげるという方法ですね。この方法は、よく考えれば現在の行政と同じで、国家が集めた富の再分配を行ったり、その他の公共投資、行政サービスをモデルにしているようですが、三国時代なら税のほとんどは再分配されずに軍事力に回されていたはずです。それにこの時代の行政が、収税、治安維持、外敵の侵入からの防御以外に、行政として何か経済活性や国力増強を行っているというのも考えがたいですね(--;それでどうも、何か内政コマンドを…と考えても具体的に何をしてたんだろう?と考え込むようになっていたのです(^^;
民のためになにか行う、というのではなくて、それこそ苛政は虎よりも猛し、民のために過酷な徴税を行わないというのが一番理想なのかもしれません。もちろん、治水など公共工事などは行っていたのでしょうが、それもお金を出して人を雇うか、労役として駆りだしたか、という違いでありましょう。秦にせよ隋にせよ、大量に労役として人民を駆りだしたことが滅亡のきっかけとなりました。そこまで過酷な労役を課さなければ、国はお金を出して人を雇わねばならないでしょう。その匙加減がこの時代の内政と思われます。
とすると、戦争以外は何もしないため、ほうっておいても無駄に食べて金のかかる軍隊の維持のために、どこまで民から搾り取るか、というのが内政のシミュレーションとしては最も実状にあっている気がします(--;もちろん君主=プレイヤーが直接搾り取りコマンド(税金徴収コマンド?(^^;)を実行するというのも無駄な手間なので、こういう方針で、ということを示すだけでやはり十分なのかもしれません。さらに細かい事務作業の方法の決定変更や実際の徴収なんぞ、ゲームとしてはまったく切り取るべきでしょう(^-^)
ところで、前回もお話しましたが、この時代の特徴として、かなり豪族が力を持っていて、皇帝といえどもその力を無視できなかった、というのは後漢成立期から言われていましたが、彼らをどう扱うかというのも内政をシミュレーションするにあたって重要なポイントとなります。もちろん彼らの財産目当てに、軍事力を背景に税を強制徴収したり、収奪略奪まがいのことをしてもいいはずです。董卓がそうしてましたねえ〜(^^;けれどもそんなことをすれば、各地の豪族は結束して侵入を防ごうとするでしょうから、将来の統治は困難になるでしょう。しかし統治を優先して豪族を厚遇しすぎると、何か役職を要求しだしますし、その地位を背景に民から搾り取って私利を得ようとするかもしれません。民が苛政から逃げ出しても、逃げ道は荘園なので、かえってその方がよいかもしれません。まあそこまで露骨なことをする者も少ないかもしれませんが、太守が無能だとそうなるかもしれませんね。
民から搾り取れるだけ搾り取れば、民が逃げ出すかもしれませんし、それ以上に黄巾と結びついて反乱を起こすかもしれません。豪族から搾取すれば、やはり連合して反乱を起こすかもしれませんし、戦争時にすぐ寝返るかもしれません。ところが彼らの機嫌を取っていると、軍隊を養えず、他国に滅ぼされかねません。
さて、そんな不安定な内政をなんとかしようとしたのが曹操で、彼の屯田政策は国家自ら豪族のまねをした政策でした。しかし、農産物納であったため、やはりなんらかの財源は必要であったでしょう。内政をおろそかにはできませんが、無理やりな徴収をしなくてすむようにはなったかもしれません。屯田の実施には金がかかったでしょうが、それ以上に利益があったと思われます。
これらの方針を決定して実行させますが、細かい実行は名もなき下級役人が行うのであって、例によって武将が担当として直接実行すべきではないでしょうね。けれども補佐官位はあってもよさそうなもんです…(^^;
ふうむ、こう考えていくと、内政のシミュレーションは方針決定と人事配置ですね。ただ、各地の人事配置はやはり各地の太守がきめるべきでしょう。君主は太守の人事権はにぎっていても、その補佐官任命にまで口出しをすべきではないでしょうし、できるとしても、口出しするときは弾劾するときでしょうね。
人事といえば、当初人事異動として、君主がある人物を太守の配下とすることができるというふうに考えていたんですが、この時代の人事異動としては、太守が配下のよい人材を朝廷や君主に推挙していたというのが一般的で、そうやって上がってきた人材について、今度は君主が太守の配下とする、ということはないような気がします。早い話がそれだけで降格されたと思われます(^^;せめて太守の副官の郡丞や都尉、郡の下位にあった県令など県の役人など、割と高級官僚として送り込むことはできそうですが、県はゲームとして割愛する以上、郡丞や都尉といった役以下につけるべきではないですね。郡にいる人材は、太守が推挙するまで動けないようにしましょうか(^^;こういうルールにすると、無駄に武将が余らず、余るからといって妙なコマンドや役職を考える必要はなくなりますね。武将デフレです(^^;一度その地位につけると動かすとかなり心理面での弊害が多いようにしておけば、恣意的な異動も減るはずですし、武将やポストが余ったからといって安易にそのポストにつけたりといった事がないようになりそうです(^^;これで異動の方もシミュレーションできてきそうな気がします。
ふむふむ、製作につまったときもスムーズなときも、製作記を書けばなんとかなりそ〜(^o^)という感じになってきました。どうやら、ゲームとしてもシミュレーションとしてもいい感じのところになってきました。やっぱり製作記書きながらかなり考えてたのが奏功してきているようです(^^;おっと自画自賛(^^;;;自賛する前に、ちゃ〜んとできなきゃ、いけませんね(^^;A
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