kr_ryo 徒然日誌 <2003年12月14日分>

三國志製作記42〜方針、それが問題〜

さすがに師走、あっという間に半月たってしまいましたね〜2003年も残すところあと半月、気がつけば延々三國志製作記を書いているような…(^^;Aこの1年、30回以上続いた製作記を振り返ってみれば、プログラム的に時間のかかったところ以上に、ルール設定で迷いに迷った面が多いですね〜(~_~;)どうも、既存のシミュレーションゲームとは趣向の違うものになってきているので、なかなか手本もなく、手さぐり状態が続いているのが原因かもしれません。

さて、今週も、悩みに悩み、頭が沸騰してコサックス&マインスイーパに逃避してしまった原因となった問題をお話して解決してみましょう(^^;A相も変わらず内政です(^^;;

先週、内政はコマンドによるのではなく、方針を決め、その方針に沿っているかどうか色んな手段で確認するということにしようとお話しました。さて、問題は…そうです、方針って何?ってところです(^^;;;方針は当初、予定していたものがあってのあのお話だったんですけれども、いざプログラムを書いてみようと思うと、方針から生じるその差がわからない(--;)

これまた何度かお話していますように、内政も当時の状況をシミュレーションしようと図ってきました。その内容としては、豪族&名士と民衆をわけ、前者は軍事と統治、後者は税源と兵力にかかわります。兵力として、民から徴兵を行えば、当然民の力が落ちて税収も下がりますが、安く大軍が手に入ります。民以外から募兵を行えば、豪族の子弟や豪族の客(隷民)が参加する可能性がありますが、給料を支払わないと参加してくれませんし、大軍をいきなり編成することもできません。けれども普通の民を徴用しないため、民は農作業に従事することができるので税収は下がりません。と、ここまでは簡単に考えられますし、当時の状況にずいぶんあっているような気がします。しかし、内政となると、はて、どういう風になるんでしょう?

もともと、豪族に対しては朝廷も地方政府もなかなか手出しできません。実体は大土地所有をしていて、政府の管理から逃れた隷民を使った荘園からの収益で潤っているにもかかわらず、人頭税が基本の当時の税法からは、微々たる税しか払わなくてよいことになっていました。本来は政府支配下の自由の民だった者達が、税を払いきれずに荘園に逃亡し、そこで暮らすようになると、政府の力は落ち、荘園を有する豪族の力が上がります。この実体はこの時代の中国でも、ローマ帝国でも我が国でも見られた状況で、古代帝国終焉の原因ですね。

さて、後漢〜三国時代では、そんな豪族達が官僚の供給源でもあり、中間統治者でもあり、軍事力でもあったわけです。袁紹や劉表のように、彼らの意見をよく聞けばちゃんとなつかれ、彼らが支配する末端地方の統治もうまくいきますが、3人いれば10の違った意見が出るとまで言われるように(^^;国としてまとまりにかけることになります。逆にあまり意見を聞かなければ、公孫瓚や呂布や初期の劉備のようにあっさり離反されて滅びます。曹操にせよ、孫権にせよ、優秀な人材を求めることで豪族出身の名士層をなつかせて統治するとともに、色々彼らに対してもリーダーシップを発揮したわけです。

とまあ、こういう志向の違いを表現するためには、名士層を優遇するか、無視するか、という点が大きいんですけども、ゲームとしての方針とするには、実は問題がありました(~_~;)当時の連中は何が一番よいのか模索しつつ統治していたため、公孫瓚のように従来からの中央集権的統治の復活を目論んで、豪族名士層を無視するあまり離反されて滅ぶこともあるわけです。民が自立していた秦漢時代ならよかったんでしょうけども、すでに既得権益を有する小豪族が民を統治している後漢末では、それでは失敗してしまいます。要するに我々はそれを後知恵で知ってしまっているため、「豪族を無視し、民を直接統治する」というような方針は、光栄の三國志1で「略奪」コマンドを実施するようなもんで(^^;ほとんど意味のない、使われないものになる恐れがあります。

わかっててわざとやるために置いておくのもいいんでしょうけども、実際の所、豪族を無視するという方針にメリットが見だせないのです(--;まだ略奪なら、金や女が手に入り(^^;;ぱーっとやってしまう事も考えられますが(^^;まともにプレイする気がない時、それもプレイヤーがやる位で、コンピュータが行うようにはなっていませんでした。董卓がやってくれれば面白かったんですけど…(^^;そうしてしまうと、滅ぶ奴はほっておいても滅ぶという歴史の必然になってしまい、いつも同じ展開になってしまいます(^^;そうなってしまうとゲームとしてつまらないというか、何をやっているのかわからなくなってしまいます(--;曹操にせよ、袁紹にせよ、孫策にせよ、豪族名士層の反発もありつつ大部分を味方に入れ、同時にリーダーシップを発揮し、的確な判断をしたから勝ち進み、誤った判断で死にかけたり死んだりしたわけです。的確な判断だけでなく、運やバランスも大事だったわけです。

とすると、中央集権的な、豪族を無視し…という方針は、歴史を必然と見なければ方針として残し、必然と見れば内部の性格パラメータなどで勝手に処理することになります。後者だと、公孫瓚やら劉備やらでプレイすると、とってもつらいことになりますね〜統治はうまくいかないわ、官僚系武将は仲間にならないわ(^^;ただ、シミュレーションとしては実体をシミュレーションしていることになります。そんな状況の中、なんとか生き残れば諸葛亮が味方についてくれて、地方豪族を仲間に引き入れてくれるかもしれません。ううむ、かな〜りしんどいですが(^^;;

逆に方針とすれば、少なくとも劉備プレイヤーは、豪族を無視する方針をとれば危険なことに気づいて使わなくなるため、同じ方針の連中と雌雄を決することができるでしょう。徐州を拠点に勢力を拡大しえたかもしれません。呂布や袁術や曹操や袁紹など、激戦区ですけども豪族を味方につけて統治がうまくいけばそう簡単には負けないはずです。そう考えれば、呂布にせよ劉備にせよ、武力もあり、寝返りも辞さない点ではよく似ていますし、陳宮や諸葛亮、張遼や関羽張飛など、強固な主従関係を持つ部下がいましたね。なんと、実はそっくりさんだったんだ〜!(@_@)この呂布や劉備に意外と曹操は苦しめられますし、やっぱり歴史はなかなか必然とは言い難い(^^;下手すると孫堅や孫策の方がよほど豪族を苦しめ(孫策は各地の太守を滅ぼしたが、呂布にせよ劉備にせよ、迎え入れられたことが多い)ある意味野蛮だったかもしれませんね(^^;呂布は負けたから悪く言われますが、呂布と劉備の差は紙一重かもしれません。

話がそれました(^^;つまり、シミュレーションすべき豪族に対する態度という部分で、それによる歴史の必然のような結果にしてしまうのは、ゲームとしてつまらないということです。常に大軍が勝つとか、この武将を味方に引き入れれば勝つとか…まあ、必勝法があるゲームはやってて面白くないということですね。SWGで、ミサイル艦が戦艦を沈めるのはおかしいというご意見が多かったんですけども、逆に常に戦艦が勝つという必勝法があるとつまらない、という、これは私の発想の根本ですね(^^;まあ、沈められれば腹が立つのは私も同じですが(^^;;沈めればなかなか快感でしょ?(^o^)やっぱり少ないながらも勝てる可能性がないと、一本道のゲームになって、頭を全然使わなくなってよろしくない(^O^)

そうすると、確かに豪族名士層を無視するような方針があるとしても、それでもなんらかメリットがないといけません。しかし、豪族を介さず直接統治するとして、これまで豪族に支払っていた俸給分、自前の官僚分に必要になるので、管理費としては差がつかないと思われます。それよりも、自前の官僚は地元の豪族から嫌がらせをうけて、やはり統治しずらくなるかもしれません。大体、ある地方の豪族が悪代官なみならともかく、そうでなければ中央からぽっとやってきた小役人に支配されることに、豪族だけでなく、民衆も憤慨することになってしまうかもしれません。小役人が優秀な人物ならいいんですが、優秀な人物はある程度よい教育をうけた豪族名士層に多いとされる以上、結局同じことになってしまいます。同じであっても、地元豪族でなく、優秀な違う場所出身の役人が治めることに意味がある、としても、よい政治かどうか、よい人物をつけうるかどうか、悪事は見逃さないかどうか、いずれにせよ、リーダーとしての太守次第な気がしてきました(--;)とすると、豪族名士層を無視したとしても、地元豪族を上回るよい統治を行う役人を派遣できさえすれば、実は上がります。しかし、そもそも豪族名士層を無視する以上、高い教養を持った(はずの(^^;)連中をわざわざ無視するという態度、これ自体から、よい役人を派遣できる可能性が少なくなります。人材供給源をわざわざ絶つ発想、これこそが、公孫瓚の敗因だったのでしょう。そうだとすれば、それは猜疑心の強い彼の性格の問題でしかありません。では、この発想は、ううむ、ボツですな(~_~;)

おっと、困りましたねえ〜(T-T)結局内政としては、無理をかけず、かつ、最大限に収税できるようにさせればよいんですが(^^;高税率にしたいとか、金は余っているので民の暮らし向きを楽にするよう低税率にしたいとか、そういう方針の方が現実的でしょうね。役人の不正とか、取りすぎとか、種々雑多な税をかけるとか、逆に統治がうまくいってるので、費用がかからず多めに税が取れるなど…こういった内容はいいにせよ悪いにせよ、太守の裁量=能力問題ですね。君主としては、多めにとってくるよう訓令すべきか、各種税を撤廃し、民の人気を取るか、通常通りとするか、その程度でいいのかもしれません。むむ〜!結局変わった感じではなく、派手でもなく、ごくごく当たり前の収税に対する方針でしかないですねえ〜(~_~;)行政というより財政ですねえ…

じゃあ、内政を二分しましょうか。収税はそうだとして、行政・司法官としての方針。厚遇高福祉高費用、通常、合理化費用削減低福祉。こんな感じでしょうか(^^;もちろん高福祉でも太守の能力が高ければ費用は抑えられるでしょうが、低福祉よりも費用はかかるでしょう。能力が高ければ、低福祉でも、民の不満はそれほどでないかもしれません。能力が低ければ…いうまでもないですね(^^;これも君主の基本姿勢で、財政削減小さな政府とするか、高福祉な大きな政府とするか。そして、高福祉方針としてるのに、民は使わない、どう考えても太守のためにしかならないような高級官庁街建築などがされてたりするわけですわ(^^;意外に費用がかかってないと思ったら、実は民を労役に借り出してたりして(^^;;;民からは怨嗟の声が上がる…こういったことは収税とは別の観点からでないと表現できませんね〜(~_~;)

なるほど〜、内政方針一本化の方針(^^;でしたけども、ここはやっぱり二本立てですね。色々いじくったり考えたりしてたんですけども、頭が沸騰してマインスイーパに逃避しただけでした(^^;やっぱり文章にしてお話した方がいい感じですね(^o^)

さて、こういう感じだと、さっきの名士層に対する態度も性格の方にした方がよさそうです。あまりその面を強く出しすぎると劉備プレイヤーが苦難に陥りますが(--;実際問題として、劉備は陳群やら劉巴やら名士出身の連中に好かれてなかったみたいですから、シミュレーションとしては、史実同様苦労する、という意味で、意味があるかもしれませんね(^^;

index

〔TopPage〕

このページへのリンクはフリーです。
このページについてのご意見、ご質問などは、kr_ryo_green@yahoo.co.jpまでお願いします。
Copyright 2003© kr_ryo All rights reserved.
訪問件数