kr_ryo 徒然日誌 <2005年7月3日分>

三國志製作記105〜本来の姿〜

いやあ、ようやく雨が降ってきました(^O^)空梅雨なんのその、今や土砂降りです……ちょっと降りすぎって感じで、各地で洪水に崖崩れを巻き起こしているのがよくわかるって感じです…(~_~;)それでも梅雨本来の姿に戻ったという感じで、とりあえずよかったよかったというところ(^O^)

本来の姿といえば、前回さんざん組織と武将のあり方を検討していましたが、窮すれば通ず、いやむしろ、前回武将の個性化に疑問を持ったことが契機となったのか、急に視界が開けました(^O^)武将が何をするか、ではなく、やっぱり武将に何をさせたいか、です。単独の武将では、仕事も命令も一回限りの単独のものでしかありません。実際の世界もそうですが、1人だけで何かできるわけではなく、組織として仕事をします。ならば組織を中心に考えればいいではないか(^O^)

武将が組織の中でどう個性を発揮していくか、という視点ではなく、組織の中で武将がどう個性を発揮していくか、ということなのです。ん、同じように見えますが(^^;;オブジェクト指向分析的にはえらい違いになりました。オブジェクト図を描いていて、中心に置くものを変えるだけで、次々にイメージが沸いていきます。コロンブスの卵的発想の転換とでも言いましょうか(^^;;

これまでは武将を中心に考えてきたため、武将に対してどう命令するか、ということを中心に考えることになっていました。これまでのこの手のシミュレーションゲームには当たり前のパターンで、それが行き着いた最近のkoeiの三國志では個々の武将としてどう行動するかというシステムが中心になっていますね。個々の武将が個々に動くことで個性が発揮されるというところなんでしょうが、システム的に用意された個人の特徴や特技など、まるでRPGのようです(~_~;)そういう特技がなければ個性が発揮されないのか、というがごときで、けれども結局そういう特技特徴が同じ人物は顔グラフィックが違うだけの同じ人物じゃないのか、と見えてしまうこともしばしば(*_*)しょせん、関羽その人の個性、というんでなくて数値の組み合わせにすぎないといえば言い過ぎか(~_~;)

それにしても、これだけ個々の武将に個々の仕事をまかせるというようなことが実際にあったんでしょうか?という疑問が沸いていたのは、三國志8の体験版プレイからの感覚でした。結局体験版をプレイして買う気を無くしたのは大昔にもお話したところ。個々の仕事をまかせるにしては個々の仕事の種類がそれほどなく、内政の内容がやたらと細かくなるくらいで、いったいどうして武将が現場監督をせにゃならんのだ、という気になることもしばしば。

けれども個々の武将に個々の仕事を任せるならば、個々の仕事を考えていかないといけません。個々の仕事を考えていけば、だんだん細かくなるのは間違いありません。この泥沼が結局これまでの三國志製作記に表れてきたといっていいでしょう。いったい何をどこまでやらせるのか、という問題です。

それにしても、これまで個々の武将に仕事をさせることばかり考えてきましたが、実際問題として、太守なり刺史なり将軍なり、個々の武将がついているとはいえ、その部下配下に武将が大勢ついています。確かに個別の武将は個別に太守から仕事を命じられるとしても、君主が太守を飛び越えて個々の武将にあれせえこれせえと細かく指導する必要があるのかどうか疑問に思っていた、というのもこれまで述べてきたところです。細かく指揮をとれば、個々の武将に直接命じられて個々の武将(の多分個性)を身近に感じれるということではありますが、そのせいで太守など中間管理職はほとんど意味がない存在ではありました。

しかしやはり実際の感覚とは違うでしょう。いくらなんでも君主が太守を飛び越えて命じているとも思えず、刺史がいる後方の州なんて、それこそ個々の太守に命じることもなかったでしょう。つまり、過干渉すぎるのです。それでもどうしてそういうことが起こりやすいかというと、君主が直接個々の武将に命じるというシステムそれ自体に問題があるからではないか?

現実の社会で組織が存在するのは、1人で何でもできないということはありつつ、命じる方もいちいち一人ずつ命じていくのは邪魔臭いからです。組織に、うまく内政やってね、で済む話なのです。これを関羽は農業開発、張飛は治安維持…と細かく命じるシステムならば、組織なんていりません。組織なんていらないシステムに組織を持ち込み、それでも個々に命じるのはどうすればいいか、と悩んでいたのが前回までの製作記(^^;;そう、それだったら組織を中心に考えればいいのです。個々の武将には命じる必要がありません。組織に命じればいいのです。いいとこ組織の長に命じるところでしょう。個別の組織すら、組織集合の長の、刺史に命じるとか、総大将に命じるとかであって、後は組織の中で命令が行われるわけです。武将ではなく、組織を中心に据えた方が現実のモデルとしては非常にすっきりします。というより、これが本来のあるべき姿でしょう。

どう違うのか、SWGを例にとってみましょう。個々の巡洋艦や戦艦が存在しますが、これを個々に移動を命じるのは、非常に邪魔臭いですよね(*_*)SWGでは単なる移動集団にすぎない艦隊ですが、それでも艦隊に移動を命じるのと、個々の艦に移動を命じるのとでは全然違いますよね。個々の武将に行動を命じていくというのは、いわば、個々の巡洋艦や戦艦に隣接星系に侵攻を命じるようなものです。

もちろん、SWGでも星系単位の移動命令システムをとってもよかったわけです。移動させたい星系をクリックして、移動させたい軍艦と数を選択して出撃させる、という感じです。めんどうくさそうですけど、実はkoeiの三國志ではそういう移動システムですよね。個々の武将に出陣を命じています。逆に三國志の方に、SWGのような便宜的な軍団システムをとった方が、軍団武将に一体感が生まれそうです(^^;;おそらく初代以来、城を中心とするコマンドシステムであるがため、城に残す武将を常に意識せねばならず、軍団という発想が生まれにくかったのかもしれませんね。SWGでも星系防衛用に艦隊から部隊を外すことをせねばなりません。

この、城や星系中心か、軍団や艦隊中心かは、些細な違い、ユーザの手間が侵攻部隊を編成する方か守備部隊を残す方か、というだけに見えるかもしれません。私もそう思っていました。だから、個々の艦種はともかく個々の艦の個性はそれほど大きくないからこそ、艦隊というひとくくりが目立つ(銀英伝の影響はあるにせよ(^^;)SWGでは艦隊を移動の中心に考えました。単なる移動単位にすぎないのに、5艦隊では少ない、という意見もあるくらいです。逆に、個々の武将がそれぞれ違うからこそ、軍団や城でひとくくりにしてしまうと、誰が参加しているのかが全然わからなくてつまらない、という思いで、個々の武将を戦争や内政に個別に選択するという、武将を中心とするシステムを検討していました。

しかし、結局個別の武将のすることを細かくしようが、いやむしろ、あまりに些細な内容ばかりになってきたがために、命令が煩雑なばかりか、結局細かい仕事では個性が発揮されないという事態に陥ってきたのではないでしょうか。物語でも、危急存亡の秋の武将の行動、一言こそが大きく、個性が発揮されています。普段の行動なんて、かえって物語から探し出そうとしても見つからない位です。武将の行動を細かくして命じていく方向は、やはり、誤りではないでしょうか?

翻って艦隊は、単なる移動の単位であるのにもかかわらず、個別の艦よりも個性が出ます。最後まで生き残ったミサイル艦だとか、歴戦の戦艦だとかは、艦隊に所属しているからこそわかります。個艦に直接出撃を命じていく形式では、すぐにどれがどれだかわからなくなります。別に提督がいるわけでもなく、何か特別なことがあるわけでもないのに、艦隊とばらばらの個艦とではイメージが全然違いませんか。

組織の中では個性が埋没するとか、NEETな若者みたいなこともちらっと頭をよぎります。しかし、関羽だって張飛だって、劉備とともに、劉備軍団の中にいたからこそ個性が出ていたんではないでしょうか。これもひとつの組織です。劉備とともにいることが関羽や張飛の個性を殺したかというと、そんなことは全然なく、劉備とともにいたからこそ彼らは歴史にも名を残し、神様になるくらい個性が発揮できたわけです。関羽が曹操のもとにとどまっていたり、張飛が山賊の親玉をしていたら、おそらくそれっきりだったでしょう。

もちろん個性を殺す組織もあるわけです。しかしそれは、個性を殺すルールや長がゆえであって、組織だから個性を殺すわけではないのです。逆に、個人だから個性が発揮できるかというと、個人だけではほとんど何もできず、個性が発揮できないということも多いのです。

組織単位に命じたり行動したりすることで、大きなレベルの命令を行うこともでき、また、命令の回数を減らすこともできます(^^;;個々の連中の個性がなくなるかどうかは、組織というものの扱いをどうするかによってくると思います。いずれにせよ、急激にいろんなことができるような気がしてきました(^^;;ここはこの勢いを継続し、一気に設計図を書き上げることにしましょう(^O^)

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