kr_ryo 徒然日誌 <2006年10月1日分>

三國志製作記152〜それでもコマンドの少なさは〜

いやはや、今利用しているプロバイダーであるアルファインターネット、これは登録なしでダイアルアップでネット接続ができ、それでいて3分10円弱というダイアルアップユーザーにとっては天使みたいな会社なんですが……ある日突然、つながらなくなりました( ̄□ ̄;)

いや、つながることはつながるんですが、メールもネットも利用できない。なんと、また旧ライブドアみたく倒産したか?とびっくりしたんですけど、どうやら違っていて、しばらくすると、アルファインターネットのサイトだけが見れる、それも接続ポイントの電話番号を変えてほしい、とのこと。

どうやらソフトバンクテレコムに買収された平成電電の回線を使っていたらしく、これが使えなくなったことが原因のよう。一時はアルファインターネットは平成電電系で一緒に倒産して、ネットにつながらない?!じゃあわが三國志もこのサイトも発表できなくなるじゃあないか!( ̄□ ̄;)とまで思ったんですが、杞憂でした(^^;;

ところがどっこい、どういうわけかそのソフトバンクテレコムの回線にはつながらない、やっぱりネットにつながらない!?( ̄□ ̄;)と3度恐怖したわけですけど、KDDIの別回線なら動くようです(´∇`)ところがうちは別段KDDIさんと取引がなく、それでも請求はKDDIからくるわけですけど、どうやって?とやや疑問なところだったりします。まさかタダ?!なわけはないんでしょう(^^;;;が、請求書が来てから考えるなんて、まるで多重債務中で、次の借り入れ先を考えるみたいでなかなかどきどきもん( ̄□ ̄;)だいたいソフトバンクテレコム回線がなぜか使えないというのもやや気になり、アルファインターネットのQ&Aでは、つながらない場合はソフトバンクテレコム側の設定によるので問い合わせてください、とあるものの、問い合わせてみたら請求方法の案内の番号だったりして、非常にあやしい…し、それでも問い合わせてみたらやっぱり違うと言われるし…( ̄□ ̄;)なんともはや、将来が微妙に不安視される今日この頃(^^;;それでもなんとかつながったら、最善の手を打つのが兵家の常、あわてふためかず、前向きに検討しようじゃあないですか!って、それじゃあ検討するだけですね…って言い得て妙なような…(^^;;;

と、ネット環境から一時的に遮断されてパニックさめやらぬまま、それでも検討はつづくのです( ̄^ ̄)さてさて。基本的にシミュレーションゲームは、ユニットを移動させることがメインです。作戦級ゲームからスタートしたことからもありますが、ボード上のユニットの移動&戦闘がメインなんです。ところが戦略級ゲーム、特にコンピュータゲームでは、移動がそれほどありません。ボードと異なり画面が狭いこともありますが、ボード上のユニットという単純な情報表示方法がが、コンピュータでは極端にやりにくいこともあります。

いきおい、移動以外の要素を重視したくなります。コマンドが、移動以外の何か、ということになっていきます。ボードゲームでは、移動によってだんだん戦線を構築するとか、効率的に移動するとか、包囲するとか包囲を脱却するとか、さまざまな移動をさせることができます。将棋や囲碁でも同じですが、移動や布陣そのものがおもしろい。移動させることそのものがおもしろいんです。

ところがコンピュータゲームのコマンドでは、コマンドの組み合わせや何かで、効率的に数値を上げたりする、というように、コマンドの実行自体でしかおもしろさを味あわせるわけです。結局はゲームは、目的達成のために効率的に何かすること、それ自体がおもしろいわけです。

戦略級ゲームは、移動だけでなく生産も重要です、というより、生産ができることが戦略級ゲームの重要な要素です。そうすると、効率的な生産というものも、おもしろさの要素になったりします。で、効率的な生産が効率的な内政に結びつき、立派に数値上げコマンド連打ゲームになります。平原をうろついて敵を倒して経験値上げするRPGとそっくりになります。まあ、由来からいえばシミュレーションゲームからRPGが生まれている以上、RPGとシミュレーションゲームが似ていても全然おかしくはないんですけど、コンピューターRPGとコンピューターSLG(シミュレーションゲーム)も似てくるというのも面白い感じです。

それはともかく、本来効率的な内政→効率的な生産→効率的な侵略という流れのはずが、効率的な内政&生産で敵を圧倒できるようになってしまうことが問題の始まりです。経験値稼ぎが行き過ぎれば、ある程度無敵になってしまうことと同様、圧倒的な物量で敵を駆逐してしまうこともできるわけです。こうなると別段作戦や戦略をうんぬんする前に、米軍がごとき物量で圧倒しておしまいなわけですな。

まあ確かに、物量で圧倒することは戦略的に正しいことは否めません。独占禁止法がなぜ存在するのか、シェア争いが熾烈になるのか、それは圧倒することが最強の手段に他ならないからです。そうだとすれば、どうやってシェアを握るか、独占状態に至るかまでがゲームとしては大事であって、それこそが目的といっても過言ではありません。

同じように、戦略級シミュレーションゲームにおいて強大な内政力、豊富な生産力を備えれば圧倒できるというシステムになっていれば、内政や生産を整えるのが当然になり、で、それをどうしているのかというと、単なるそれぞれのコマンド連打…これではゲームが面白くなくなるのは当然ですね(--;)

本来生産や内政は、軍事力を効率的に動かすためのものです。肝心の時に兵も兵糧も足りないのではどうしようもありませんからね。ところが大軍が簡単にコマンド連打でできてしまうと、後は大軍に兵法なし、次から次へと圧倒すればおしまいです。秦はそうでした。が、三国時代はそうではないんではないか、というのが前回までの検討で判明しました(^^;A乏しい人的物的資源を、いかにやりくりするかが問題だったのです。

ここにおいてはじめて、生産や内政以外のコマンドの存在が問題になります。もちろん戦争は当然重要です。武将は戦場における華、ここで活躍させるのは当然としても、叩き合いが三国志のおもしろさではないはず。それは反三国志が面白くないのと同様です。三国志ではいったい何がおもしろかったのか?

ここでひとつ考えられるのは、常に変わる国際情勢です。はっきりいっていつだってどの勢力も他の勢力を常に信用していたなんてことがありません。裏切り裏切られ、付き離れ、です。日本の戦国時代もそうでしたが、なかなか単独で他を圧倒することができず、かといって他を信用するのもなかなか難しかったということです。あの呂布だって袁術と結ぼうとしますし、袁紹は公孫瓚を倒すまでは曹操と結んでました。もちろん本気で信頼しているわけでは全くなく、危機をしのぐためにだけ結んでいただけです。誇り高き孫権ですら、怒り狂った劉備が攻めてきたときには魏に膝を屈するわけです。

同盟を解消したいのに、同盟を破棄することの国際的信用が落ちるから同盟を維持するわけではないんです。まだ単独では危ないから結んでいるだけです。いわんや、同盟ルールで後10ターン残っているから同盟を続けるわけではないんです。単独でいること、劉備と結ぶこと、呂布と結ぶこと、それと、単独で劉備を攻めること、単独で呂布を攻めること、呂布と結んで劉備を攻めること、劉備と結んで呂布を攻めること、どれが一番メリットが高く、危険が少ないか、その計算をしているだけです。もちろん、劉備と結んで劉備が強くなってしまうこと、呂布と結んで呂布が強くなってしまうこと、後々のことを考えてもどれがよいかの計算も重要です。

劉備を痛めつけすぎて呂布がはびこるのも問題なら、呂布を倒せば劉備がのっとるのも許せない、一気に両方をつぶせればいいものの、単独では両者がかえって結んでしまってなかなか厳しい。もちろんどちらかを倒せば圧倒できるものの、そこまでだまって見方のままでいるかどうか…、こういう離合集散虚々実々のかけひきが権謀の三国志のいわれです。ただ攻めまくっただけじゃあないんです。単独ではとうとう圧倒できなかったからこそ、いつの時期も離合集散が行われていたんです。これです。三国志のおもしろさはここでした。

もちろんそんな中でも、劉備は義理の人とされていました。逆に呂布より裏切るという評判も当時から(蔡瑁とかから)あったわけです。まあ、それが裏切りだとするなら、確かに呂布より激しいわけですが、生きるための方便というなら、生き残ったもん勝ちです(^^;A劉備ほどの勢力ならいつつぶれてもおかしくなかったのに、なぜか生き残り、三国の一翼を担うわけですから、権謀術数のトップか、動物的カンか、確かに英雄にふさわしい(^^;A

たとえ味方だと思っていても実は裏切られていた関羽に対する陸遜、同盟してもちっともあてにならない呂布や袁術、害されない限りそれなりに義理堅かった劉備など、同盟に成功したからすぐ10ターンは必ず攻めてこないとか、兵や兵糧を送ってくれるなんてことはまずない、どうしたら曹操の侵略を防ぎつつ、呂布の手を借りれるかという、これを考えるのが戦略級シミュレーションゲームの本当の醍醐味です。生産なんてとりあえずそれなりにでけてたらいいわけです。そんなことより目先の敵をどうするか、生きるか死ぬかの戦略を考える方が先なんです。屈辱を飲んで呂布に助けを求めるか、曹操に屈し呂布を攻めるか。こんなドラマチックな展開は、はてさて、どうやってできるんでしょう?(^^;A

これは、誰が何を考えているのか、とにかく読むことが大事なんです。諸葛亮でもいてくれたらきちんと読んでくれるかもしれません。しかしいないなら、曹操は自分を攻めようとしているのか、呂布を攻めようとしているのか、それも単独で攻めようとしているのか、呂布と結んでこちらを攻めるのか、自分と結んで呂布を攻めようとしているのか、それとも他に気をとられていて、とりあえずどちらとも戦争したくないのか…外交の使者の建前の口上をひっぺがし、曹操が何を考えているのか読み、呂布がどう考えているのかを読まねばなりません。

何もかも裏目に出て曹操と呂布が同盟して攻めてきたとしても、呂布に情理を説いて離脱させることもできれば、遠く袁術に背後を攻めさせることもあり得ます。一方的ではない、安心もできない、この緊張感が楽しいわけです(^^;Aここまで外交情勢が変転するなら、生産コマンド連打よりも、誰が何を考えているのかを読み続けること、次の手を打つこと、先の手を考えること、これが三国志です。こういうことを考えさせるコマンド体系であれば、次の一手が敗着にも逆転勝利のよすがかもしれません。

で、問題はこれをどうやって実装するかですね(^^;Aそこです、それが狙うべき戦略級シミュレーションゲームの本当のコマンドです!

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