FviewD 取扱説明書
概要
wavファイルを解析し、各音階の音の大きさをグラフにします。
MIDIを鳴らして、音階を確認することができます。
FviewD はフリーソフトウェアです。
Frequency viewer by Discrete Fourier Transform の略で FviewDです。
Frequencyより Noteの方がふさわしい気がしますが、今さら名前を変えるのも面倒なので…
スクリーンショット
Fviewとの違い
・解析の仕方が違います
FviewD では音の高さに応じて、周波数分解能と時間分解能を変化させるために
窓幅(計算に使用する区間の大きさ)を連続的に変えています。
このため FFTではなく DFTで計算をしています。
・解析の間隔が違います
Fview は 50ms間隔で解析していました。FviewD は 20ms間隔で解析します。 2.5倍細かいです。
動作環境
Windows 98SE, 2000, XP
1024 x 768, 65536 色以上表示できる環境。
wavが鳴らない環境でも、解析と表示はできます。でも鳴ったほうが楽しいでしょう。
MIDIが鳴ればなおよし。
対象ファイル
44.1kHz,16bit,ステレオ形式の wavファイル (=CDと同じ音質)
44.1kHz,16bit,モノラル形式の wavファイル
22.05kHz,16bit,ステレオ形式の wavファイル
22.05kHz,16bit,モノラル形式の wavファイル
音楽CDから wavファイルを生成するには、もろぼし☆らむ氏の CD2WAV32 が便利です。
もろぼし☆らむ氏のページ
仕様
解析する音階の範囲 B1 (62Hz) 〜 C8 (4186Hz)
解析方法 DFT (ハミング窓、窓幅を音階ごとに変更)
解析間隔 20ms
備考 音階の周波数は A4=440Hz を基準とする平均律と仮定
解析時間の目安
3分30秒のwavファイルを解析するのに、
Pen4 1.5GHzで 80秒
Celeron 1.1GHzで 3分
K6 166MHzで 25分かかりました。
サンプリング周波数やステレオ、モノラルの違いは解析時間にほとんど影響しません。
L2キャッシュの容量とFPUの処理能力に依存します。HDDの速さはあまり影響しません。
解析データは保存されるため、次にwavファイルを開く時は待たされません。
使用法
書かないと分からないことだけ書きます。
Playボタンを押すと再生します、なんて説明は読んでるほうもうんざりでしょう。
キー割り当ての図です。
Bは Backの Bあるね。巻き戻し、早送りの秒数はボタン上で右クリックすると変更できます。
またフォーム上にボタンはありませんが、Vを押すと直前のユーザーの描いた縦線まで巻き戻します。
キーボートを利用しましょう
巻き戻し、早送りなどの操作はキーボードのオートリピートを使わないと疲れます。
オートリピートの繰り返し周期は、コントロールパネルで変更できます。
キー操作の方が慣れれば楽です。連打の応答も良いし。
「ファイルを開く」操作は Alt F Enterできます。Altは左手薬指で押すべし。
描画ツール
MIDIの設定
[表示]-[音階色別表示]について
[表示]-[ラウドネス補正]について
これをチェックすると聴覚特性に応じて、グラフが補正されます。
補正用のデータは loudness.dat から読み込まれます。
信号のパワーと色との対応関係です。
解析データの中で最もレベルの高いところを 0dBとしています。
色調整が0というのは、色調整つまみが一番左端にセットされている状態です。
色調整つまみが右になるほど、飽和の領域が広くなります。
多くの場合、最大レベルに近い信号の出現頻度は少ないので、
多少飽和させたほうが色のレンジを有効に利用できます。
色の凡例の目盛りの読み方について
ファイル入出力
・FviewD が読み書きするファイル
[wavファイル名].fvd 解析データを保存するファイルです。wavファイルと同じフォルダに保存されます。
wavファイルが CD-ROMなどの書き込みできないメディア上にある場合は、
FviewD.exeと同じフォルダに FviewD.tmp が作成されますが終了時に削除されます。
[wavファイル名].fvc 描画ツールで描きこんだデータを保存するファイルです。
wavファイルと同じフォルダに保存されます。
このファイルから fvc2midで midファイルを作成できます。
FviewD.ini 設定を保存するファイルです。[ファイル]-[設定を保存]で作成されます。
ウィンドウの位置やサイズ、直前に開いたフォルダ名などが記録されます。
次回起動時に反映されます。
・FviewD が読むファイル(起動時に読みます)
fviewfont.bmp 音階表示用のフォントデータです。
fviewcolor.bmp 音階色別表示でどの音階にどの色を割り当てるか決める bmpファイルです。
loudness.dat ラウドネス補正用データです。dB値です。低い音階から順に並んでいます。
1行目が B1(62Hz) 、74行目が C8(4.19kHz)に対する補正値という具合です。
デフォルトの補正値
注意
一般に楽器の音や人間の音声は、高調波(基本波の整数倍の周波数の波)を含んでいます。
よって虚像が現われます。打楽器はグラフ上で縦長のノイズとなります。
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