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   6.むすび

 CAM技術は最初、3次元自由曲面をNC加工する金型製造の必要上発達し、今日では高度なソフトウェアが広く実用されている。自由曲面を含まない通常の機械部品加工は、金型製造よりはるかに広範に行われているにも拘わらず、これまではCAM技術の恩恵を受ける事が少ないままに経過して来た。

 市販されているCAMシステムは、3次元自由曲面の加工に対応できる事が必須の条件となっており、もちろんそれ以外の通常機械部品にも対応する機能も含めて提供されている。

 本稿で紹介したP-CAD/CAMは、3次元自由曲面の加工には対応せず、2.5次元加工専用のCAMシステムで、特に繰り返し生産の少ない、いわゆる一品物加工を手際良く行う助けとなる事を目標としている点で、これまでに無かった特徴を持っている。

 すなわちP-CAD/CAMは、一品物機械加工を立形および横形マシニングセンター(MC)によって行う場合に、技能職員の能力を飛躍的に高める新しいCAD/CAMソフトウェアであって、荒加工から穴加工を含み仕上げ加工までのNCプログラムを迅速簡単に作成できる。

 また、最新のデータベース技術の開発により、多岐にわたるデータを自動的に参照し、加工作業の詳細をソフトウェアが決定する。その場合に、職場ごとに特有な加工作業の順序や加工条件のデータをきめ細かくユーザが設定でき、また、使用する機械とNC制御装置の相違に対応する準備は、ポストプロッセッサを必要とせず、ユーザが自分で設定できる。

 マシニングセンター加工に直接携わる技能職員の数は本邦だけで数十萬人と推測されるが、間違いの無いNCプログラムを迅速容易に作成するCAM技術を使いこなす事によって、多岐にわたる一品物加工をまず自動化し、続いて作業の一部分は無人加工に持ち込んで製造能力を増し、製造コストを低減する画期的な加工手順と新しい加工システムが近い将来に展開される事を期待したい。

 

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