つきいち日記へ戻る  

パソコンの売れゆき

04/09/23 (04/08/01)

● パソコン対テレビ

 パソコンの急速な普及の時代は終ったようだ。ニュースによると、競合する相手はテレビだそうである。テレビと相手させられればパソコンが負けるのは当然で、しかも、喧嘩をふっかけたのはパソコンの方らしい。

● 冗談としか思えない装置

 ディスプレイがあるためか、テレビパソコンという安易な思いつきは太古の昔からある。その昔、8ビットパソコンの表示装置はテレビを借りていたから、逆にパソコンがテレビを取り込んだらどうか、ということなのだろう。しかし、それだけでは失敗することが歴史的に証明されているのに、次々と発売される。

 いけない動向だと言っているのではない。私の所有するノートパソコンのDVD機能はそれほど高くないと思えるのだが、それでも贅沢なほどの画質の映画が楽しめるし、安価なDVDプレーヤを凌駕している部分もある。業界活性化のために、この手の「改良」行為は必要と思う。塵も積もればで、それらの努力の結果、今のようなすばらしいパソコンが広く使えるようになったのだから「小さな動き」ではない。

● テレビは見るもの、ゲームするもの

 テレビは映像を眺めるものであって、目の位置は画面から離れたがっている。パソコンはドキュメントプロセッサとしても、検索システムとしても、文字を読むなど、目は画面に近づく傾向にある。装置としてのディスプレイに要求される機能も異なる。共通点は視覚情報、その一点である。
 通常のテレビゲームの画面は今でもテレビのことが多い。パソコンの方が圧倒的かつ言語道断な解像度であってもである。ただし、ゲームはパソコンでないとする気がしない、という人々(私も含まれる)はいるだろう。

● プログラミング

 パソコンの特徴はプログラミングでないといけない。難しいことではない、操作の手順が記述できれば良いのだ。
 その昔は、BASICやハイパーカードがあった。今の買ってきたままのパソコンではソフトが組めない。身近なところでは、MS Accessだとプログラミング可能だが、素人での成功例は見たことがない。
 業界は末端の利用者に、気軽にプログラミングされるのを嫌っているかのようだ。プログラミングは自由度が高すぎるので、何が起こるのか予想が付かない。確かに、万人が同じ操作をして、同じように間違えば、アドバイスはしやすい。

● パソコンは遊べるかどうかで決まる

 最近、DVD機能の充実したノートパソコンが流行のようである。もし、自分でアニメ作成や動画のコラージュのようなことができるのなら歓迎である。そうしたソフトの発達にはハードの普及が欠かせないから、ノートパソコンの動画ワークステーション化はありがたいことである。
 さて、実際そうなっているのか、パンフレット等では分かりづらい。編集機能だけをいくら宣伝しても売り上げが伸びない、という過去の経験でもあるのだろう。

 しかし、たとえばデジカメを考えてみれば、すぐに分かることだ。大多数の購入者は単に自分のアルバム作成のためにデジカメを買っている人々である。市場を支えてくれているのだから、むろん大事にしないといけない。
 だが、業界の未来の動向を左右している人々は誰か。それは少数の活発でうるさい購入者だと思う。少数といっても、機器が普及しなければ決して届かない人々である。
 だから、隠し味として、いわゆる裏技として、十分な自由度を残しておき、ドキュメントも整備しないといけない。企業によって温度差があるようだが、十分に分かっている所もあって、ホームページでひっそりと公開していたり、問い合わせるとびっくりするほどの詳細情報を教えてくれることもある。